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イシューからはじめよ/安宅和人/2010/★★★★★

マッキンゼー、学者などを通して、ヤフーの元COO室長を担当されていた安宅氏の代表作。短期(数年)の財務責任を果たす必要のあるビジネスの領域と、長期(数十年~百年)で成果を求められるアカデミアの領域、二つの領域に造詣の深い安宅氏だからこそ、ここまでシャープにテーマを絞り、かつ平易な内容で本が執筆できたんだと思います。現代のビジネスパーソンのスキル系の本で最高峰の良書。

▼おすすめのヒト
・企画職全員
・3年目以上のビジネスパーソン全員

▼印象的なコト
・10分以上真剣に考えて埒が明かないのであれば、そのことについて考えることは一度止めたほうがいい。それはもう悩んでしまっている可能性が高い。
・一人の科学者の一生の研究時間なんてごく限られている。研究テーマなんてごまんとなる。ちょっと面白いなという程度でテーマを選んでいたら、本当に大切なことをやるひまがないうちに一生が終わってしまうんですよ。利根川進。
・「限界まで働く」「労働時間で勝負する」というのは、ここでいう例ばらーの思想
・フェルミは数字にも長けていた。必要とあれば複雑な数学を駆使することも出来たが、まずはその必要があるかどうか確かめようとした。ハンス・ベーテ。
・言葉にすることで「最終的に何を言わんとしているのか」をどれだけ落とし込めているかがわかる。
・よいイシューとは、「きっちりと答えを出せる」ものでなければならない。「重要であっても答えを出せない問題」というのは背の中にいくらでもあるのだ。
・いま本当の所は答えを出す必要がないものだ、そうした「なんちゃってイシュー」に惑わされないことが大切だ。
・「フェルマーの最終定理」も、まさにこの「手法が見つかってはじめてよいイシューとなった」
・第三のコツは意図的にざっくりとやる、つまり「やり過ぎない」ということだ。
・実験には2つの結果がある。もし結果が仮説を確認したなら、君は何かを計測したことになる。もし結果が仮説に反していたら、君は何かを発見したことになる。エンリコ・フェルミ

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