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Support worker という活動

オーストラリア、シドニーのグループホームで、Support worker として活動を始めて一年が過ぎました。

日本では金融OLとして20年の月日を費やし、

シドニーに移り住んでから7年間、調理師の仕事に携わり、

その後、デパートの販売員としてほんの数ヶ月働きました。


障がい者サポートに携わることになったきっかけは前回に書きましたが、

正直言って、この「私」が障がい者サポートの活動に携わり、ましてやこの活動が自分にすごくしっくりきてるなんで、いまだに少し驚いている次第です(笑)

現在、「私に与えられた時間」を一番多く費やしているのが、この「精神障害を持つクライアント達」と過ごす時間。

彼らと同じ空間の中で過ごすこの時間が、私の心をなんだか柔らかくしなやかにしてくれるような、そんな不思議な感覚を覚える時間。


日本に住んでいた頃の自分を思い出す時にいつも浮かんでくるのは、

コミュニケーションがすこぶる苦手な自分

自分を表現することに常に恐怖心を抱いていた私。

感情をできる限り「表に出さない」ように生きていたあの頃。

他人と接することが怖くて、自分の言いたいこともろくに言えなかったこの私が、

今では、「コミュニケーションが要」
の活動に情熱を傾けている。


この活動を始めて一年、たくさんの経験を通して得た気づきは数えきれない。

その数ある気づきの中で私の心の大部分を占めるもの、それは、


人間って、「聞いてほしい」生き物なんだってこと。

一日中独り言を言い続けるクライアントと共に庭先に座っていると、そっとそばにいてくれるアビー。


そう、人間って「ただ、聞いてほしい」生き物なんだと思い知らされるこの、Support worker という活動。

もしかして、この

「ただ、黙って話を聞いてほしい」

っていう欲が、数ある人間の欲の中で最大の欲なのかもしれない。


そんなことを考えるチャンスを与えてくれる私の楽しい仲間達。

きっと私は、彼らのもとを離れることはないのかもしれない。

こんな出会いに恵まれた私って、最高に幸せな人生を送っているんだよ。