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物理学の不思議ーシミュレーション宇宙を別の角度からー

”宇宙は「無」から始まった(ビレンケン)” 当然ながら、「無」からしか始まりようがない。小学生でもわかる。「何か」が存在して、そこから始まったとすると、その「何かって何から始まったの?」と質問されるに決まっている。だから、なにもないところから始まるしかない。

ここからが本題で、時空間や物質としては何もない、という状態から始まったと仮定しよう。もちろん、その外側には他の宇宙もなにもない。なにもないのに、その始まりを記述する数学や物理法則(しかも現在の物理法則)が宇宙が始まる前からあり、その理論でその後の宇宙が説明できることになる。なにもないのに、数学や物理法則が「在った」とはどういうことか?旧約聖書でいうと、「光あれ」と言葉を発することができた、ということは最初に「言葉」があったということになる。光より言葉が先にあった、ということと、数学や物理法則が宇宙が始まる前から存在していた、ということは同じことだろうか。

将棋にたとえてみる。将棋にはいろいろなルールがあるが、将棋が生まれる前に将棋の「ルール」があり、そのあと、将棋ができた、なんてことがあり得るだろうか。直感的には、将棋が生まれるのと同時にそのルールも整備された、と考えるのが妥当だろう。

我々の見ている宇宙が生まれる前から、なにか数学や物理法則(ルール)が存在していた、ということを素直に認めるならば、我々が見ている宇宙はそれを創り出した別のなにかの中の宇宙であって、いわばシミュレーションされているだけ、ということにならないか。(他のサイトのいわゆる、シミュレーション宇宙とは異なる意味になるので、一般的な「シミュレーション宇宙」を知りたい方はそちらのサイトを検索してください)。

シミュレートされている側の人間が、シミュレーションルールを知りえるのか、という問題もあるが、数学や物理法則が宇宙が始まる前から存在していた、ということを説明する理由がなかなか他にはみつからない。


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