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「逃げてもいいよ」とは言われたけれど、逃げた後は具体的に何をどうしたらいの? というお話。

↑去年のやつ。


【人間って、わりとカジュアルに死ぬんですよね】

 大人にせよ子供にせよ、今いるその場所がただただ寂しくて悲しくてつらいことばかりならば、あきらめてかまわない。大事なことはそんなんじゃない。と、昨今は、やっとそう言ってもいい空気ができてきましたね。
 ヲッチャンも、心身(この国では、大抵の場合「心」の方だけど)の安全が脅かされる状況からは、可能な限り早く、まだ逃げる力が残っているうちに逃げた方がいいというスタンスです。

 人間って、わりとカジュアルに死ぬんですよねー。
 なにかに絶望したとか、そういうことが起こっていなくても、精神に良くない負荷(良い負荷もあります)がかかってる状態だと、なんとなーく、ふわっと、暴れまくってる情熱なんて微塵もない状態で、通勤時間の中央線にうっかり1.2.3ジャンプしてしまったりします。
 実際、かつてヲッチャンと同じ職場で働いていた人が2人、逃げ遅れて死にました。

なるべくならしっかり準備をして、用意周到に逃げた方がいいんですが、それができてたなら多分、今みたいなしんどい状態にはなってないと思うので、とにかく「やべぇかも……でもまだ我慢できる……」くらいのところで「いやいや、このへんが潮時やろ。撤退!」ってやっちゃった方がいいと思います。
 オッチャンもこの辺の引き際間違っちゃって、メンタルにわりとクリティカルなダメージ喰らって普通の生活からゴンゴン転げ落ちちゃいました。
 とはいえ死なずに済んだので、生きてるだけでめっけもんだと今は思っています。

【逃げるべきかどうかの判断】

 で、逃げるべきかどうかのジャッジなんですけど、ヲッチャンはこういう基準で考えてます。

・そこに留まることのメリットがデメリットを下回ると判断される
 →戦略立てて逃げましょう。
・ていうかメリットとかデメリットとか、そんなこと考える余裕すらない。
 →今すぐ脱兎のごとく逃げましょう。プライドとか、そういうのいいんで。

 10代でコケるのと20代でコケるのと40代でコケるのとでは、ダメージの大きさが全然違うので、あなたが10代とか20代前半で結婚してたり子供いたりしないなら、深刻な事態にならないうちに撤退した方がいいです。できれば常に「退路」をしっかり確保している方が、より良いです。
 人生、「逃げを打っても下手はこかない」ことは、とても重要です。

【良い負荷・悪い負荷】

「ヤベぇときは逃げましょう」とはいえ、何でも逃げればいいってのもまた違うんですよ。
 嫌なこと、しんどいことの全部から逃げるのは、長期的に見てより嫌な状況やしんどい状況をわりと招きがちになります(ヲッチャンの経験上)。なので、わりかし余裕があるうちに考えてほしいのが

「これが自分にとって『良い負荷』なのか、『悪い負荷』なのか」

 ってことです。
 そこらへんをヲッチャンは、こんな基準で判断してます。

①「それ」自体が、ものすごく、死ぬほど嫌なわけではない。
②「それ」が嫌な理由が「だりぃ」とか「なんとなく」だった場合。
③人間関係のしんどさが理由ではないor同じ場所にいるヤベぇヤツを「コイツヤベぇ」と、まだしっかり認識できている場合。

 この3つにあてはまる場合は、まだちょっとだけ頑張ってみることをおすすめします。
 ①の場合、「クソいなぁ」と思ってる環境が、実は割とクソくない場合があるんですよ。で、クソいと思っていた環境を「だりぃ(②)」という理由で出てみたら、その後でもっとクソいとこに行っちゃったりって、割とありがちなので、この2つが理由のときは、まずよーーーーーーーーーーく考えてから動いたほうがいいです。

 あと、開放されたばかりの頃って、しんどいところから脱出できて、めっちゃ開放感あるんですけど、早い人だと数週間、遅い人でも数ヶ月後には、帰属するところがない不安に襲われます。
 人間って、自由を希求しながらも、縛りが全くないと不安で仕方なくなる謎の生き物なんですよ。
 まるっきり、素っからの自由に耐えられる人って、ホント一握りで、イエなりカイシャなりシャカイなりカミサマなりに寄りかかってないと、結構不安になっちゃったりします。そういうことを、エーリッヒ・フロムっていうひとが「自由からの逃走」って本で書いてるので、機会があったら読んでみてください。

 で、一番むずかしいのが、③人間関係のジャッジなんですよね。
 アドラー心理学っていうので、日本ではわりと最近になって有名になったアルフレッド・アドラーって人が「人間の悩みって、ほぼほぼ人間関係の悩みだよね」って言ってて、ほんとそれな、って思うんですけど、そっから逃げるかどうするかって、さじ加減が難しいんですよね。
 我慢しすぎると逃げを打つ気力すら奪われるし、とはいえ見切りジャンプしちゃうと、①②の場合のように、よりクソい環境に行っちゃう可能性大という……。
 なので、ヲッチャンはその基準を「自分で自分の置かれた状況を客観視できているか」というところにおいています。あきらかにヤベぇ状態のときに、
「もしかして自分の方が間違ってるんじゃないか?」ってならないラインが、撤退のラインです。
 これはあくまで、「ヲッチャンの基準」なので、必ずしも万人に当てはまるものではないです。
 すごく冷静に自分のことを考えられるときに、自分なりのラインをつくっておくことをおすすめします。

【そのあとにかんがえること】

 さてさて、本当に①②③の項目全てが間違いなくクソくて、無事撤退して生き延びて、心身のリハビリが済んだあと、どうすればいいか、って話をしてみます。
 なんだかんだあったあとに「その後は幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし」で終われない。棺桶に片足どころか両足突っ込んで、火葬場で「上手に焼けました!」ってこんがりバーニングされるまでは、何がおこるかわからないのがリアルな人生ってヤツだもんで、逃げた後は戦略練り直して、これからどうやってサヴァイヴしていくかを考えなきゃいけない時期が、かならず来ます。
 まず、あなたが中学生なり高校生なり大学生なりの学生さんだと仮定してお話を進めます。専門学校とか高専に行ってるひとは、卒業後の進路をある程度絞れてる思うので、ちょっと除外しますね。

【大学は行けるならいっときな】

 まず、めっちゃつまんない事を言いますが、学歴って、あっても困らないけど、ないと超絶困ることが結構あります。
 いやほんと、つまんねーこと言ってんなー、と、ヲッチャンも思うんですけど、ヲッチャンの経験上、大学に行かなかった(卒業できなかった)場合、「学歴」という名の謎の仮想的と、延々と小競り合いを繰り返す人生が、何十年も続きます。
 学歴コンプレックスってわりと厄介で、学校以外のところでいかに知識見聞を広めたとしても、それを証明するインスタントな手段ってないんですよね。でも、大学の卒業証書って、もうパッと見でわかるんですよ。
「大学なんて行かなくていい」も、大学出てればこそ言えることなんです。
 もちろん、地方Fランは首都圏Fランに、首都圏Fランは大東亜帝国に、大東亜帝国はMARCHに、MARCHは早慶上智に、早慶上智は東大一橋に、東大一橋は海外の名門校にと、学歴コンプは続くわけですが、「そもそも大学に行ってない/出ていない」っていうのは、わりと致命的に、コンプレックスだけではなく実害としても、人生にかなり濃い影を落とします。もちろんそうじゃない人もいるけどね。

 とはいえ大学ってかなりお金がかかるので、学ぶのは通学するタイプの学校である必要はないです。奨学金という名のえげつない借金に頼らなければならないのであれば、通信制の大学という選択肢もあります。ただし、縛りのない中で自分を律して勉強しないとなんで、かなり覚悟を持ってないとですけどね。
「キャンパスライフ・コンプレックス」みたいなものもあったりするので、行けるひとは全日制の大学に行く方がいいとおもいますが、通信制の大学にも「スクーリング」という、通学で講義を受ける授業があるので、多少は大学生っぽさも体験できるかもです。

 幸運にも「大学生」という身分を得られた人は、そのメリットをフルに活かしましょう。大学生というのは、割とガチで特権階級です。
 ウェイウェイできるのも大学生の特権です。バカな無茶をしても許されるし、学割もある。
 中学生・高校生だと「未成年」という縛りがあるけれど、「成人してるけど学生です」というモラトリアムは、ものすごい特権なんですよ。
 メシのために働き始めると、ガチで勉強の時間とかなくなります。「学びたい」と切実に思ったときには、大抵の場合手遅れです。

 ただね、大学出たかどうかは関係なく、何歳になっても、棺桶に両足突っ込んで(ryまで学び続けようって意識がない人は、今後かなり高確率でしんどい思いをすることになると思います。学校出ても、勉強は終わりません。

【進学をしない場合】

 進学をしないという選択を取った(取れなかった)場合は、可能な限り早い段階で、「自力でメシを食うにはどうしたらいいか」を全力で考え始める必要があります。

・大卒じゃなくても入れる会社を探して就職する(ただしブラック率高し)
・職人的な職業を目指す(業種によっては機械化の波に飲まれる可能性有)
・自分のパラメータを精査して、よりマシなスキルを全力で研鑽する
 (本当に才能のある上位者には、正攻法では絶対に勝てないので、戦略を立てることも必要)
・プログラマー等、需要があって学歴よりスキルが重要視される仕事に就く
 (新卒での就職という正攻法でははねられる可能性があるので、アプリなりwebサービスなりを自分で作成してみて、まず個人で実績を作るのが早道かも)
・仕事を得やすい非正規雇用+自営業というスタイルを模索してみる
 (キャリアから転げ落ちてしまったヲッチャンが、今考えているスタイルです。実際にそうやって奥様とお子さんと家族を持って生活している方もいらっしゃいます)
・ワンチャンYouTuberとかやってみる
・お金がなくても(すくなくても)生きられる手段を考える

 等々。
 大卒が絶対正しい道だとは言いませんが、大卒でさえ厳しい時代である、というのは間違いではないと思いますし、大卒がかつての高卒程度の感覚なのであれば、高卒は、かつての中卒くらいの感覚になっているとも言えると思います。
 本当につまんねー上に身も蓋も夢も希望もない話ですけど、それだけは頭の隅においたうえで行動したほうが、後々のダメージは軽減されると思います。
 超絶有能なスーパーマンは、ほんとごくわずかしかいないので、「自分がそうである」という前提で生きるのは、やめといたほうがいいです。

【面白おかしく生きることを目指しゃいんじゃね?】

 どのルートを行くにしても、目指すところは「自分が面白おかしく生きられるかどうか」だと思うんですよ。
 踏ん張るか逃げるかの判断も、最終的にはそこに落ち着くんじゃないかと思うんです。
 ブッダっていう人……というか、悟りを開いて御仏になった「元ヒト」の人が言ってたらしいんですが、この世界って、「一切皆苦」らしくて、全部が「苦」らしいです。
「苦」っていっても、「ねぇめっちゃ苦しいマジヤベぇ!」みたいな死にそうレベルのものから、「背中かいーけど手ェ届かねぇぇぇぇぇ(;´Д`)」みたいなものまで、要は「ままならないもの」だってことなんですよね。
 実際ヲッチャンも、40年以上生きてみて、物事が思い通りになったことって、ほっとんどないです。
 で、世の中今こんなじゃないですか?
 もうね、個々人が「どうやったらより楽しく生きられるか?」みたいな軸で動くしかないと思うんですよ。
 ただね、「楽しい」って、わりと「ラク」じゃなかったりします。「自由」な状態で、なんも縛りがないと、わりと簡単に「楽しい」より「ラク」にいっちゃいがちです。わりと大変なんですよ、「楽しむ」って。

 そんでも、これからの時代って、「楽しむスキル」がわりとガチで必要になってくると思うんですよ。で、そのためには、心身が健康であることが大前提になるんですね。
 だから、月並みな話になっちゃうけど、まず自分の身心の安全を、第一に考えてください。ヤバくなりそうな時は「うわヤベェェェwww」って、余裕ぶっこいていられるレベルで逃げて、ちゃんと冷えた頭で戦略練り直しましょう。ちゃんと自分の頭で考えて、自分の意思で選択して生きることができれば、絶対に幸せになれるとは言えませんが、少なくとも納得した生き方はできます。

 理不尽にブッ潰されるのって、なんか嫌じゃないですか。
 せめて自分のことを自分で決める自由くらいは、ゲットしましょう♪

サポート頂けましたら、泣いて喜んで、あなたの住まう方角へ、1日3回の礼拝を行います!