見出し画像

Do It Yourself!!:秋アニメ覇権争い・噂の第4勢力

秋のアニメが始まって、そろそろ1ヶ月。豪華EDと映画のチェンソーマン、きららカウンターと演出のぼっちざろっく、そして学園百合ガンダムの水星の魔女、今期の覇権争いは早くも過熱。日本は3つの勢力に分断されていた…。そんな中、第4勢力としてのポテンシャルを持つアニメ、Do It Yourself!!があらわれた!

DIY!!って、どう、いう、やつ?

Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-」通称 DIY!! は、PINE JAMによるオリジナルアニメ作品。DIY(≒日曜大工)部に所属する、超マイペースな主人公・せるふと、環境の変化で主人公とギクシャクしている幼なじみ・未来の二人を中心に、キャラクター達がモノづくりを通して成長していく物語。

ゆるゆる&ぬるぬるな上質アニメーションとほんわかストーリーで、いつもの趣味×日常モノとは一味違った丁寧アニメ。とりあえずOPだけでも観てから帰って欲しい。

テーマ:モノづくりの魅力

本作は、DIYのアニメであると共に、モノづくりのアニメでもあります。DIY!!において、DIYという趣味は人と人をくっつける接着剤として描かれています。それは、一緒に作ることでもあり、自己表現としてでもあり、誰かのために作るということでもあります。上手い下手は関係ない、純粋なモノづくりの楽しさと、それが伝搬して生まれるコミュニケーション、これはDIYに限らない、モノづくりの根源的な魅力だと思います。

本作はDIYのアニメなのに、近未来を感じる描写が多数見られます。例えば、ヒロインは最先端の科学技術学校に通っており、自宅では自立AIロボットと暮らしています。ホコリをかぶった、カビの生えたDIYとは対極の存在として描かれていますが、現代科学も決して否定されることはありません。むしろDIYとデジタル、どちらもモノづくりとしては一緒であり、この二つが融合したらもっと面白いものが生まれるよね、なんて作っている人が考えているような気がして、今後の展開がますます楽しみです。

大クリエイター時代、承認欲求に振り回され、世界とのコミュニケーションに疲弊する時代。そんな時代でも、モノづくりの楽しさ、身近な人と作る良さ、そんなことを再確認させてくれるアニメです。

素敵:アニメーションの魅力

モノづくりの楽しさを感じさせるのは作品だけではなく、作り手も同じものを感じているように思います。それが分かるのが所謂作画です。最近の描き込まれたアニメとは違った、いい意味の抜けのあるゆるい画に、それが生き生きと動く映像。これこそが根源的なアニメーションの楽しさだと思います。挑戦的なカットとかもあって、作っている人もきっと楽しんでいるはず。(泣きながら描いていたらごめんなさい)

「作画がいい」というと、綺麗な画ばかり取り上げられがちですが、こういった観ていて楽しいアニメーションもまた「作画がいい」よね、ということは何回でも言いたいです。こういったアニメを作ってくれるスタジオがいて、こういったアニメを観られることは本当に幸せだなあと思います。

おわり

この記事が参加している募集

アニメ感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?