これはパーマカルチャーデザインコース（以下、PDC）を修了したパーマカルチャーデザイナーたちのリレーコラムです。

※パーマカルチャーとは
"Permaculture is a dance with nature, in which nature leads."
パーマカルチャーとは自然に導かれる自然とのダンスのようなもの。
Bill Mollison
ビル・モリソン

#62 Chiaki Harper

天真爛漫なちあきちゃんの空気感はとても心地がいい。
ありのままの気持ちを伝えてくれるやりとりは肩肘張らずにいる彼女そのままで、和らいだ空気感をもつチャーミングな人。

Q1.あなたについておしえてください

約２０年ほど住んでいたカナダから新天地を探しに、家族３人で日本へやってきました。

日本で生まれ育ったのですが、２０年という年月がすっかり日本人であったことを塗り替えてしまいました。かと言ってカナダ人でもなく、強いて言えば地球人ですと言った感じです（笑）

コロナが始まって世界があっという間に変わり、旅行や移動もできなくなり、大事な友達や近所の人たちとさえ会えなくなり、国の政策や人々や私たちの生活も変わり、混乱し、困惑し、絶望し。。。
そして最後に希望を与えてくれました。

何が起きても自分たちが大切にしているもの
家族や仲間たち・食べ物・空気・水・土・大いなる自然、、、
そうしたものを大切に丁寧に生きていきたいと思わせてくれたのが、コロナからの沢山のメッセージの中の一つでした。

今は新天地に無事着陸し、私たちの生活のベースを心地よいものにしようと毎日掃除や片付け。家や庭のプランニングに情報収集、、、と奮闘中！
頭も体もフル回転です。

カナダでは、指圧セラピストとして働いていました。

カナダに移住してすぐに今までかかったことのない病気にかかり、そこから身体・心・精神に興味を持つようになりました。

それらはすべて繋がっていて、うまい事バランスをとりあったりとりあわなかったり。
私がマッサージさせていただいている私たちの”身体”は、物凄く精密で複雑で美しくて小さな小さな細胞一つ一つの中に宇宙を見たりと、とにかく面白い。

手を使う事が好き。
そして、他の人の手仕事を見るのも味わうのも大好きです。

Q2.パーマカルチャー デザインコースを通して

まずPDCを見つけたのは、日本に着いて１週間後くらいかな。

ソーヤー海君のPDCをお薦めしている動画を見て、「これ行きたい！これから日本に滞在するのに何か良いヒントがある！」っていう直感。

そんな事から開催直前に申し込みをして、家族を連れて参加できることに！

娘と夫は、毎日歩いてカフェに行ったり、海に行ったり、キッチンチームのジュニア＆シニアヘルパーとして手伝える機会をもらっていました。

ロケットストーブを上手に使いこなす事が出来るようになり、新鮮な食材や美しい盛り付けも見ることが出来ました。

新しい事・場所・新しい人々に会う緊張と、流暢に日本語を話す多国籍の３人の先生たち。そして、平和道場。

都会の喧騒から異次元に場を移して、いざPDC！

このPDCを通して、この世には私が忘れてしまっていた世界・考え方・やり方を実践している仲間たちが世界中にいて、楽しく生きていくために失敗から沢山の学びをもらいそれをシェアしてくれる場があるっていう事を教えてもらった。

一緒に学んだ仲間たちや先生、そして携わってくれている人たちが持っている共通の優しい世界観がとても心地よかった。

お金を稼いで買って消費してゴミを出す生活から、生活のクリエイターになることができる力があったことも思い出させてくれた。

買う前に「今あるもので作れないかな？」とか「代用できないかな？」とか、一呼吸置いて考えている自分がいる。

今までずっと周りにあったのに気づいていなかった自然、季節の移り変わり、太陽の動き、方角・空・星・虫・花・草・木などなど、すごく身近に感じられるようになった。

「人（自分自身も含めて）を大切にする」という事もパーマカルチャーで大事にしていること。

自分とつながる・相手を理解する・共感するというNVCの講義もあった。
それ以上にこの平和道場の場自体が自分を素直に表現しても安全なNVCの実践の場だったのは、とても大きかった。

Q3.あなたにとってパーマカルチャー って

生きていく上で大切な事を教えてくれている、ガイドのような存在。

希望のツール。

この地球を未来の私たちの子どもたちも、感動して楽しんで遊んで大事にして、また次の世代の子どもたちに繋げていける智恵やアイディアがいっぱい詰まっている。

今は新しい生活のベース作りに没頭しているので、何か行き詰った時は「パーマカルチャー的にはどうする？」と、３つの心がけと１２の考え方を読み返したりして自問自答しています。

そしてこの新しい場が、地球上のゴマ粒くらいの小さな場所だけど、それが世界中に繋がっていると信じているからパーマカルチャーをベースにした場にして次に繋げていきたいと思っています。

Q4.PDCの中で次にバトンをつなぎたい人とその人の印象

井上太智

PDC中、美味しいコーヒーを入れてくれた（笑）

その時の所作がとにかく美しい。
ゆっくり、じっくり。
そこには今が流れていて透明な爽やかな空気感と、何かをやり遂げる力強さと家族愛（うちの奥さんがー、っていう話し方が印象的）自分らしさを知っている。

先生と呼ばれないけど、子どもたちに本当に大切な事を教えている、素敵な太智にバトンを渡します！

2023/10/8 寒露