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数年後の私は、自分が今ここにいることを思い出して、何を思うんだろう。

「ハノイに住んでるの?」タクシー運転手のおじさんに聞かれた。「うん、もう1年住んでるよ。」「ベトナムはいいところでしょう?」ミラー越しにニタニタ笑うおじさんの笑顔が、いいなあ、とおもった。

窓の外を見ながら話していた。伝えていた目的地より先に、綺麗な場所を通ったから、「やっぱりここで降ろして」と伝えた。さよならを言ってお金を払うと、タクシーの外で待つフランス人らしき女性が、私に微笑んで「このタクシー乗るわ。ありがとう。」と、言った。


そう、朝起きたら今日は天気がとても良かったから、カメラを持って外に出た。ハノイの「春」がすごく綺麗だったから、写真に残そうとおもった。タクシーの窓から見えた綺麗なものを写真に残した。



下の写真の、バイクに座っているおじちゃんが可愛かったから、「ポストカードにしたいぞ」という衝動で近寄ってみた。

「シンチャオ!おじさんの写真撮っていい?」と聞くと、恥ずかしそうに笑って、「ノーノー!!花を撮った方が綺麗だよ!!」と言って慌ててバイクから降りてしまったおじさん。

ふふふ

照れるおじさん。


ハノイには、お花を売っている人が沢山いる。みんなバイクを止めて、買っている。誰にあげるのかなあ、という素敵な妄想が広がる。


ああ、本当にいい天気。

基本的に釣りをしているか、何もしていない人たちで溢れる西湖の周り。


まあ、そんな私も、とくに何もしていない。

眺めがいいカフェを見つけたから、入ってみた。大好きなヨーグルトコーヒーを頼んだ。1年前にハノイに来たばかりの頃は、甘くて濃いベトナムコーヒーが苦手だったのに、今じゃどこのカフェに入っても飲んでいる。


*


昨夜は、お世話になった人が日本に帰国になったので、最後にお別れ会をした。プレゼントを渡して、「また会いましょうね」と言った。「ベトナムにいたことを忘れないでくださいね」と伝えた。

きっと、日本に帰ったら、最初は少し、戸惑うかもしれない。最初は少し、ドキドキするかもしれない。ベトナムを懐かしく思うかもしれない。でも多分、きっと、すぐに日本の生活に慣れてしまう。そうおもう。


その人は、言っていた。

「ベトナムにいたこと、きっと夢の中にいたみたいに思うんだろうなあ」


数年後の私は、自分が今ここにいることを思い出して、何を思うんだろう。



いつも見てくださっている方、どうもありがとうございます!こうして繋がれる今の時代ってすごい