見出し画像

【随時更新】2024年中華人民共和国棒球員名単:一塁手編

注意

錦標賽やCBL等で観測した人材に絞って記載。中華人民共和国棒球の中継は全チームを網羅している訳では無いため、どうしても主要隊人材の紹介がメインになることは了承されたし。


江蘇隊

曹傑ツァオジエ
変化球主体の攻めにやや脆さが見られるが、国内の右のスラッガータイプとしては筆頭候補。経典賽でも1Bレギュラーを掴むと尻上がりに調子を上げ、オーストラリア戦では痛烈なツーベース、韓国戦でもタイムリーと活躍した。アーチストタイプな打球と言うよりは痛烈なライナーでOFの頭を超える様な打球が多いイメージ。体格にも恵まれ今後も国家隊を牽引してもらわなければ困る人材。1Bディフェンスの精度がさらに上がれば敵無しだろう。

広東隊

羅錦駿ルォジンジュン
19年亜州賽で韓国を下し3位入賞の立役者。経典賽ではキャプテンを務め、広東隊でも依然主力として存在感を発揮している。広角に打ち分けられるミドルヒッタータイプで一定のパワーもあるバッティングが最大の売り。ディフェンスもIF全ポジションとOFをプレー出来るユーティリティ性は魅力だが、どこを守らせても特別上手く無い点がネック。ボディコントロールが不得手で2B/SSでは体勢の切り替えに苦戦。コーナーIFが最適解な一方、1B/3Bとしてはもう少し力強さが欲しいところ。

上海隊

王斌ワンビン
23年亜州賽では当初クリーンナップを任された若き大砲。バットスピードが速くプルサイドに強烈な打球を放てる上、広角への打ち分けも可能とプル一辺倒でも無い完成度の高さが魅力。亜州賽ではハイレベルなストレートと変化球のコンビネーションの前に惨敗を喫したが、まだまだ若く経験値として吸収してくれれば良い段階。3BやコーナーOFもプレー出来るユーティリティさも搭載と使い勝手も良し。

四川隊

李雨洋リユヤン
亜州賽にも召集された好打者。亜州賽前は1Bでのプレーが主だったが亜州賽の登録はOF、24年に入ると四川隊でもCFでプレー等ポリバレントさが増している。卓越したスイングスピードを誇り、特にストレート系を広角かつ強烈に打ち分けられるプレーぶりはさながら吉田正尚。一方で変化球主体の攻めに脆く、アウトコースへ逃げるスライダーに苦慮気味。ワンランク上の打者になる上では避けられない課題だが、素質は間違い無く国家隊のクリーンナップを担えるレベル。

李浩リハオ
李雨洋がOFにプレー機会を広げる中で1Bとしてチャンスを掴んでいる人材。プレースタイル的には李雨洋と同様なミドルヒッタータイプ。オープンスタンス気味の構えからライナーを打ち分けるスタイルで四川隊でもクリーンナップを任されている。

天津隊

尚帥シャンシュアイ
ノーステップでシャープなライナーを打ち分けるミドルヒッタータイプ。バットコントロールは一定レベルだがパワーレスで、同世代の王斌と比べるとオフェンス面での見劣り感は拭えない。

北京隊

李一凡リイーファン
捕手編で紹介したため割愛。バッティングに関しては1Bの要件を満たした人材なことに疑う余地は無い。

山東隊

陳博文チェンボーウェン
山東隊の上位打線を任されるヒットメーカー。パワーが無くバレル性の打球も一切無いショートヒッターだが、あらゆるコース、あらゆる球種に対して柔軟に対応出来るバットコントロールは天才的。アウトコースのスライダーを逆方向に弾き返しつつ、インコースの甘いボールは痛烈にプルすると打ち分けが上手い。抜きん出た俊足では無いもののベースランニング面でも貢献。ポジションとプレースタイルが壊滅的にマッチしていない点が最大のネックだが、持っている実力は非常に興味深い。

総評

目下は曹傑李一凡の一騎打ち様相、大穴で王斌が食い込むか、と言った状況だろう。国家隊で堂々たるパフォーマンスを示した曹傑がリードしている様に見えるが、全体的な完成度では李一凡の方が高いイメージもあり、個人的にも左のスラッガータイプの供給が寇永康止まりな国家隊事情を加味すると李一凡がイチ押しだったりする。

王斌李雨洋はハイレベルな変化球主体の攻めに対してどれだけ対処が出来るかの成長次第でチャンスを掴めるだろう。現在はどちらもストレート系に強さを示す一方、特に国際大会にて格上国の変化球に脆い場面が目立つと穴も大きい。2人共OFもプレー出来る点は曹傑李一凡には無い良さであり、オフェンス面の課題解消で一気に立場を塗り替える可能性もある。

このポジション争いに割って入れるかは他ポジションで工面出来る人材やパラメータ次第だが、強烈なオリジナリティがある陳博文の存在も面白い。他ポジションでパワー面を供給出来るのであれば、パワーこそ無いものの国内でも随一のヒットメーカーである彼を起用する線も見えてくる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?