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【不完全版】中華人民共和国棒球員名単2023

2023/7/8 書き上がる気がしないため、IF/OFが途中ながらリリースすることにした。内容は時間がある時に適宜アップデート予定。

注意

22年錦標賽・23年経典賽・23年錦標賽・23年CBLでプレーをした人材に、MLBDCや国外環境でプレーする人材を加えた形でリストアップ。これらのいずれにも該当しない場合はリタイアしたか否かを問わず、このリストからは除いているため、ご了承頂きたい。

リスト外の主な人材

  • 楊燕勇

  • 羅夏

  • 馮少傑

  • 冉松

  • 李鑫

  • 王洋

  • 陸毅

  • 馮強

  • 楊順意

  • 高強

また、経典賽メンバーには★を付けている。

宮海成ゴンハイチェン
MLBDCでプレー時の17年に経典賽メンバー入り。90マイルを投げ下ろす18歳として注目を集めると、直後PIT入りを果たした。マイナーではあえなく撃沈したが、上海隊に加入するとパワー・コントロール両面で一回り成長。クリーンなデリバリーから88~92マイルのストレートとカーブ、チェンジアップ主体のパワー型SPとして高い評価を得ている。23年経典賽のパフォーマンスも加味すると、目下国家隊のエース最有力候補だ。

王唯一ワンウェイイー
21年までは陝西隊でプレーと無名な人材だったが、23年に経典賽メンバー入りまで上り詰めた超新星。恵まれた体格から89マイルのストレートとスライダー、カーブ、チェンジアップ主体と、パワーと技術を両立。ストレートをツーシーム気味に動かす術も心得ており、若いながらも落ち着いてゾーンにボールを集められる人材。経典賽では痛打を浴びながらも、村上宗隆をK斬りにする得難い成功体験も手に入れ、直後の錦標賽でも江蘇隊の主力として堂々たるパフォーマンス。宮海成と並ぶ国家隊エース候補として注目。

伊健イージェン
北京大成からMLBDC入り、U-18でも国家隊エースを全うした後、MILともサインとエリート街道を駆け抜ける俊才。23年経典賽ではカウントコントロールに失敗し不甲斐無いパフォーマンスに終始し株を大きく下げたが、本来は86~88マイルのストレートとスライダー、ツーシームを交えた横の揺さぶりで打者を翻弄するクレバーな人材。広東隊でも孟偉強が抜けたエースの座を圧巻のパフォーマンスで埋めており、国内での評価は高い。年齢的にも宮海成王唯一と並ぶ次世代エース候補生だが、U-18期からボールパワーやプレースタイル面で成長に乏しい上、体格でも2人に劣っている。

斉鑫チーシン
19年CNBLでは北京隊のエースとして大車輪の活躍、チームの優勝に大きく貢献した。クリーンなデリバリーから85~90マイルのストレートとカーブ、チェンジアップを交える本格派。ここ2~3年はコンディション不良からかリリーフ主体のプレーが長く、19年と比べるとデリバリーもダイナミックさを失った様に見えると、かつての輝きはまだ取り戻しきれていないイメージが拭えない。最盛期を迎えたタイミングでパンデミックに見舞われた点でも運が無かった。パワー・技術を両立した好投手な点は間違い無いだけに、さらなるパフォーマンスを期待してしまう。

趙富陽ジャオフーヤン
押し出す様なデリバリーからコンスタントに87マイルオーバーをマークするストレートにカーブも上手く交えられる実力派。コントロールへの不安も無く完成度は高いが、国内外含め特に目立ったパフォーマンスを見せることが少ない点は不思議。リリースポイントの問題か、球質面で劣る物があるかとの分析をしたいところ。

鄭超群ジェンチャオクン
Josh Collmenterの様なオーバーハンドから84~87マイルのストレートとカーブ、チェンジアップ主体に縦のコンビネーションで勝負するベテラン。経典賽ではストレートも力強く、ベテランらしい落ち着きも両立したパフォーマンスで落ち着かせ役を全う。江蘇隊でも勝ちパターン・ロングリリーフとあらゆる起用で常勝軍団を下支えしている。蘇長龍の存在から大ベテラン感は無いが、彼もまた球史に残る存在感溢れるベテランになりそうな予感。

王宇宸ワンユーチェン
投打でポテンシャルを示すアスリートだが、国内環境ではRHPとしての評価が高い。ダイナミックなデリバリーからMAX90マイルのストレートとカーブ主体のプレースタイル。米カレッジサマーリーグでも経験を積み上げた上で上海隊入り、リリーフとして上々のパフォーマンスを示している。コマンドが甘く北米では苦戦したが、ゾーンに集めるコントロールは一定レベル。パワー面がより上がってくると面白い。

張昊ジャンハオ
5歳からプレーを開始すると、各カテゴリの中で常に存在感を発揮してきた。背丈は高いがスキニーな人材が多い国内で、縦にも横にも大きい規格外の恵体を誇る。力みのあるデリバリーから87マイルのストレートを投げ下ろし、カーブの落差も十分とポテンシャルは上々。将来への投資枠として召集された23年経典賽でもDean Treanorから高い評価を得ており、これからが楽しみな人材。ただし現状はコントロール難で国内環境でもバタバタしている状態。プレー歴を加味すると技術面の進歩が遅い点は不安材料。

孫海龍スンハイロン
ショートアームなデリバリーから独特な落ち方をするチェンジアップを軸に組み立てる。若い人材ながらも尖った方向に自身のプレースタイルを伸ばしている変わり種で、良くも悪くもインパクトが大きいタイプ。経典賽でもプレーしたが、上位国に対しては球種を狙い打たれて攻略されたイメージ。今後の飛躍にストレートのパワーアップは必須だろう。

李富龍リフーロン
22年に錦標賽を制した四川隊を強烈に牽引した若きエース。サイドハンドから80マイルのシンカーとスライダー、チェンジアップでアグレッシブにゾーンを攻めるプレースタイル。非常に強気にゾーン内を攻め込める上、コマンドの質も高く、国内で最も洗練されたSPだろう。パワー自体は無いため、コマンドが甘くなった際は痛打を浴びがち。疲労がはっきりとコマンドに表れるタイプでもあり、継投タイミングには特に気を遣う必要がある。

周鴻亮ジョウホンリャン
四川隊では李富龍と並ぶ右のエース格。サイドハンドの李富龍に対して、こちらは真逆にオーバーハンドからカーブやチェンジアップを落としにかかる縦のコンビネーションで勝負。クレバーに組み立てが出来る上、SP・リリーフいずれもOKなポリバレントさも光るが、ストレートは82マイル程とパワー無し。

甘泉ガンクァン
17年経典賽では日本戦に先発。ストレートは85マイル程だが、カット気味に伸びる球質は唯一無二。好調時はキレの良いスライダーも交えてKマシーンとして君臨する。技巧派が大半な四川隊では張昊と並んで本格派仕込みのプレーが出来る貴重な存在だが、パフォーマンスの上下振れが大きい不安定さが難点。フライボーラーで堅牢な四川隊のIFディフェンスをフルに活かせない点でもミスマッチ気味。

蒋博涵ジャンボーハン
クリーンなデリバリーからキレの良いストレートを投げ下ろす。ストレートはギリギリ80マイルとパワー面は未熟。カーブの扱い含めてこれからの人材だろう。

呉安俊ウアンジュン
21年に全運会決賽で好投、江蘇隊の優勝を支えた技巧派。オーバーハンドからストレートとスライダー、カーブを交えながら打者のバランスを崩す。軌道修正のスキルが高く、スライダーとカーブの比率を上手く調整しながら打者に的を絞らせない。パワーが無い上プレースタイルにも特筆すべき尖りが無いため、国外環境向けには厳しいタイプだが、安定感のある人材として屈指の人材と言えそう。

唐政佳タンジェンジア
上海隊の右のエース。ストライド・バックスイングいずれも大きなデリバリーから85マイルのストレートとカーブを投げ下ろすオーソドックスなプレースタイル。好調時はキレの良さで打者を翻弄するが、デリバリーコントロールへの課題からか突発的にコントロールを失いがち。近年はLHP人材の台頭が目覚ましい上海隊にて存在感を失い気味。

胡鋆フーユン
ベビーフェイスだがプレー歴は10年を上回るベテラン。ストレートとスライダー、チェンジアップ主体の本格派。ボールのクオリティで打者を押し込める。アンダーサイズの体を目一杯利用するデリバリーゆえか、バラつき多めで安定感に欠くシーンもちらほら。

凡子恒ファンズーヘン
ストライド狭く、直立した形からオーバーハンドで投げ下ろす。ゴーグルを付けた姿に似合わずプレースタイルはパワータイプで、揺れはあるものの88マイルも計測。低めに集めるスキルもあるが、全般的にやや単調な配球になりがちか。

楊一涵ヤンイーハン
Aaron Harangを彷彿とさせるデリバリーの技巧派。コマンド良くストレートとカーブをコーナーに散らす。ボールパワーが無く、キレも特筆すべきレベルで無いため、国内環境でも苦戦気味。

崔恩庭ツォイエンティン
かつてはRHP/Cを兼任していたが、現在はRHP専任。23年はサイドハンドのデリバリーからややリリースポイントを上げる形にデリバリー修正を施した様子。キレの良いシンカーとカーブ、チェンジアップを主体にゾーンを攻める。沈むボールが主流の国内でも一際ハードに沈む軌道を持ち味としている。好調時はキレ・コマンドを両立した内容で付け入る隙が無いが、コマンドがバラつく時に苦しい内容に終始しがちと安定感はいまひとつ。

孫建増スンジェンゼン
パワーとキレ、コマンドを搭載したバランスの良い本格派。88マイルオーバーのストレートとスライダー主体に王道なパワーピッチングが出来る点が魅力。完成度の割に国内環境を含めて痛打される場面が多いのはあまりのオーソドックスさゆえか。比較的パワー面を重視したと思われる23年錦標賽でも、国内随一のストレートを持ちながらメンバーからは漏れた。

周傑ジョウジエ
18年のU-18ではIFとしてメンバー入りも、現在は天津のリリーフエースとして台頭。ストライドが大きいデリバリーから86~90マイルのストレートと抜けが良いチェンジアップ主体。体を倒しきれず全体的に高めに浮きがちだが、力で押せるストレートの存在から大怪我には至らず。

李乾リガン
国内環境では珍しく、85~90マイルのストレートとカッター気味のスライダー主体のモダンなパワーピッチを展開する。ここ数年は斉鑫に代わり北京隊のエースを任されており、力で打者を押し込むプレーぶりで評価を高めてきた。やや力みがあるデリバリーでコマンド・コントロールは不安が残る。失点時の崩れ方が脆く軌道修正に難がある点で安定感も低いタイプか。緩急や他球種に逃げる余地を作れず、その意味では本来はリリーフタイプの様にも思う。

張涛ジャンタオ
クリーンなデリバリーからシュート気味に伸びあがるストレートを主体に組み立てる。斉鑫と似たタイプだが、彼よりもストレート主体に力で押していくタイプで、リリーフとの現在の持ち場にも適性は高い様に見える。ただし、ストレートは85マイルとパワー面では見劣り。

索旭迪スォシューディ
コンパクトなデリバリーから85マイルのストレートとスライダー主体に組み立て。近年デリバリー面で大きく成長しエフォートレスに。コマンドも安定し、コーナーワークで勝負が出来る人材になった。コーナーワーク依存でBBや球数がかさみがちな点がネック。レパートリーがスライダーのみで、左打者に対して苦慮するシーンも目立つ。

張胤梵ジャンインファン
錦標賽では江蘇隊メンバー。その時はプレーチャンスが少なかったが、23年CBLで新設された山東隊に移ると、クリーンなデリバリーから88マイルを上回るストレートを投げ下ろし株を上げている。スピンが効いた球質で高めで空振りを奪える点に加え、カーブとチェンジアップを含めてコントロールも落ち着いていると完成度も高い。江蘇隊ないし国家隊にとっては王唯一に次ぐブレイク候補筆頭。

叶子傑イェズージエ
アンダーハンドに近いサイドハンドから83マイルのシンカーとスライダー主体。李富龍と近いプレースタイルだが、こちらの方がコントロールがアバウトな分、ボールパワーで押せる点が持ち味。山東隊では張胤梵と共に主力Pとして躍動。変則デリバリー枠として国家隊入りの動向にも注目したい人材。

丁樹桐ディンシュートン
天津体育学院でプレーの新鋭。Logan Gilbertに似たデリバリーからストレートとカーブ。全般的に未熟で天津隊入りの道はまだまだ遠そうだ。

肖子然シャオズーラン
MLBDCで一番のコントロールアーティスト。安定したコマンドでストレートと大きなカーブ、チェンジアップを交えるプレーぶりは完成度が高い。一時はOrlando Hernandezを彷彿とさせる程の大きなレッグキックを採用したデリバリーから投げ下ろし、その時は83~85マイルをマークしていたが、現在はセットポジションからクイック気味にリリース。82マイル程に落ち着いており、スケール面ではやや物足りなさが拭えない。高い素養を開花させる上でも、MLBDCの後にプレーする環境選びは非常に重要になってくるだろう。

林梓強リンズーチャン
国内最高のプロスペクト。アンダーサイズながらRHPとSSを兼任するプラスのアスリートで、投打に非凡なポテンシャルを発揮。RHPとしては15歳にして89マイルをマークの上、カーブとチェンジアップもバランス良く交える。やや投げ急ぎがちになる傾向があるが、コントロールや修正能力自体も高い。パンチ力のあるバッティング、難しい体勢からも走者を刺せるSSディフェンスと、SS人材としても魅力的。MLB側からも注目を集めるが、体格面のディスアドバンテージがどう響くかは気になるポイント。

何敬軒フージンシュアン
林梓強と並ぶ国内トッププロスペクトの一角。Roberto Osunaに似たデリバリーから89マイルのストレートとカーブを投げ下ろす。林梓強と比べるとチェンジアップが無い点で劣るが、デリバリーキープの面で上。

張赫ジャンフー
テンポが良くクリーンなデリバリーからMAX87マイルのストレートとカーブ主体のオーソドックスなプレースタイル。パワーとスキルの配分バランスが良く、実践的な人材として注目。MLBDCでのエリート教育を受けた上、米CCへチャレンジをしたが撃沈。22~23年シーズンは大学のロースターページから名前も消えている。

蘇長龍スージャンロン
40歳オーバーの大ベテランだが、実力はLHPとして未だ国内最高峰をキープ。85マイルのストレートとスライダー、カーブ、チェンジアップをコーナーに散らすコマンドが絶品。変則的なデリバリーを維持するスキルにも長け、非常に嫌らしさが溢れる。目下国内のLHP目線では、彼を超えられるか、との点がひとつの基準になっていると言えるだろう。

王翔ワンシャン
成長著しい国内環境のホープ。将来への投資枠として経典賽メンバーに選ばれると、87マイルのストレートとカーブを投げ下ろすプレーでポテンシャルを証明。経典賽ではコントロールが定まらずに苦しんだが、上海隊に戻ってからは終盤の重要な場面でリリーフとしてプレーを重ねている。23年錦標賽決賽ではSPとしても好投。デリバリーやフィジカル等が未成熟な中で国内基準で爆発的なパワーを発揮した点は大きな魅力。近年はボールを動かすタイプの人材が台頭しているが、王道のレパートリーで勝負する彼はプレースタイルの面でも期待値が高い。

林強リンチャン
河南隊から23年経典賽メンバー入りし、謎多き存在だった点から注目を集めた。変則デリバリーからストレートとスライダー、カーブを投げ下ろす。集訓ではリリーバーとして使える目処が立ったと高い評価を集めていたが、経典賽ではあまり目立ったパフォーマンスは無し。

趙偉ジャオウェイ
80マイルのストレートと大きなスローカーブ主体のクラシックな人材。四川隊では左のエース格で、安定したコマンドでカーブを出し入れするスタイルが生命線。一見攻略は容易なタイプに見えるが、国内の打者たちは大きなカーブを捉えることに苦戦中。ストレートが沈むタイプなこともあり、ゴロの山を築き上げる。

陽序春ヤンシューチュン
ストライドを大きく取らないデリバリーからストレートとカーブ。コマンド、ボールパワーいずれも未熟。

黎凝佶リニンジー
錦標賽ではメンバー外だったが、CBLでマウンドに上がると84マイルのストレートとキレの良いカーブ主体に堂々のパフォーマンス。両手を早々に割るデリバリーが特徴で、コマンドも安定。

屠佳倫トゥジャルン
上海隊の左のエース。近年はストレートのパワーダウンが顕著で80マイル程に止まりがちだが、ストレートと変化球を自在にコマンドしながらカウントを整えられる点は貴重。外角の出し入れが生命線だが、パワーダウン前はクロスファイヤーも大きな武器で、一層難攻不落だった。かつての姿に戻れば国家隊の目線でも左のエース筆頭候補だろう。

顧炎卿グーヤンチン
18年CBLではリーグのベストLHPに選出。サイドハンド気味なリリースからシュートするストレートとスライダーを交えて横の揺さぶりで勝負。コントロールも安定しており、上海では屠佳倫王翔と並ぶLHP3本柱の一角を形成。2ピッチタイプで右打者にはやや苦戦するタイプか。MLB側のワンポイント規制の影響もあり、ワンポイントとしての国際大会でのプレーチャンスも狭まりつつある。

李建業リジェンイェ
伊健と同期で、北京大成からMLBDCでプレーしたキャリアも一緒。ストレートは80~83マイルとパワーは無いが、スライダーとカーブ、チェンジアップを安定したコマンドで操る技巧派。右打者に対してチェンジアップの出し入れで翻弄が出来る上、カーブもパワーカーブ気味に落とせると、柔剛を兼ねたプレーぶりが光る。23年の錦標賽ではリリーフで大車輪のパフォーマンスと、国内環境での株も急上昇中。

華但才譲ファーダンカイラン
チベット出身のトッププロスペクト。MLBDC時から期待値が高く、国内環境に加えて王洋と一緒にオーストラリアのリーグへの派遣、米短大でもプレーと、国外環境も交えたエリート教育を施されてきた。恵まれた体格からオーバーハンド気味のリリースでMAX90マイル。スライダーとカーブ、ツーシームを交えながらカウントをコントロール出来る技術も搭載している。北米では全く通用しなかったが、コマンドのアバウトさが一番の要因か。ただし、国内最上位層でのデビューとなった23年錦標賽では広東隊メンバーとして堂々のパフォーマンスを示しており、しばらくは広東隊を伊健と共に牽引することになるだろう。

米嘉弘ミージアホン
兵庫・育英高校でプレーした後、北米のNAIAメンバー校でも目覚ましいパフォーマンスを披露。87マイルを計測するパワフルなストレートの持ち主だが、曲がりの大きいカーブに本人は自信を滲ませている様子。シャープに曲がり左右に通用するアウトピッチだ。

司馬宇傑シーマーユージエ
変則的なサイドハンドデリバリーからストレートとスライダー主体。コントロールが安定している時は独特のリリースと球筋から打者を惑わせることが出来るが、デリバリー維持に大きな課題を残す。オンリーワン枠として面白い人材な点は疑う余地が無いが、現状は完成度不足か。

周熙然ジョウシーラン
思い切りの良い投げぶりから85マイルを計測するパワータイプ。カーブもキレが良く、山東隊でも期待値は高い。

秦子墨チンズーモ
MLBDCから北米に渡り、MLBドラフトリーグやPGショーケースでアピールを続けた末、SD入りを果たした。クリーンなデリバリーから90マイルのストレートとスライダー、カーブを投げ下ろすプレーは同世代のプロスペクトたちにも十分に通用した。年齢の割にコマンドに長けている点でも、中華人民共和国で一番のLHPと言えるだろう。本人はClayton Kershawを尊敬している様だが、ワインドアップするデリバリーはCole Hamelsの方が似ている。

欒臣臣ルァンチェンチェン
フィジカルに恵まれた国内ベストC。MLBDCを経由して米アメリカン・アソシエーション派遣でも打率.255をマークと国外でも一定の結果を出している。パワーがあるバッティングとどっしりと安定感があるディフェンスを両立し、王偉がいなくなった後の国家隊C事情を強烈に牽引している。スピードツール以外は基本的に平均以上の物を持っていると言える。ただし、経典賽では李寧が目立ったパフォーマンスを残し、本人は張彦倫のストレートに対応出来ず無惨なディフェンスを連発と不本意な内容だった。

李一凡リイーファン
北京隊のレギュラーマスク。元々は安定感が高いディフェンスで評価を集めていた人材だが、かつては下位に座っていたバッティングも急成長。近年はクリーンナップに座ることが主になり、23年経典賽でも唯一の代打の機会で凡退こそしたが内容は非常に良い物を示した。実力は国内トップを走る一人で、ディフェンスを重んじるのであれば欒臣臣李寧よりも有力な選択肢になるだろう。

李寧リニン
層の厚い上海隊でレギュラーを掴む程のCとしてのたしかな実力に加えて、2BとOFもプレー可なポリバレントさ、高いバッティング技術、リードオフマンとして及第点のベースランニングスキルと、非常に多芸な点が一番の持ち味。バックアップを怠らない献身的な姿勢、ユニフォームを泥だらけにするハッスルプレーでもチームを鼓舞する。経典賽ではCの中で最も存在感を発揮し、9番を任されたバッティングでも結果を残し、バリューをさらに上げる場になった。

陳晨(小)チェンチェン
巨体のパワーヒッタータイプ。江蘇隊では欒臣臣の存在から専ら1BかDHでプレー。ツボにハマった時の打球は凄まじいが、現状はパワーのみのワンツールタイプに近く、起用法にはやや頭を悩ませる人材。23年経典賽でもメンバー入りしたが、出場は代打1回だけ。

李旭弘リシューホン
オフェンス力に長ける四川隊のレギュラーマスク。アンダーサイズながらもシャープなスイングで広角に鋭い打球を打ち分ける。ベテランらしい成熟したアプローチも良し。ディフェンスは国家隊レベルのメンバーと比べると見劣りが否めない。

金利民ジンリミン
37歳のベテランだが、未だ四川隊メンバーに名を連ねる。国家隊メンバー入り歴もある実力派で、ミドルヒッティングとソリッドなディフェンスで鳴らしたオールラウンダータイプ。

盧斌斌ルービンビン
北京隊がオフェンス力が向上した李一凡を1Bに回し、レギュラーマスクの座を与えた人材。オフェンス・ディフェンスでバランス良く貢献が出来るオールラウンダータイプ。李一凡と比べると一回りスケールダウンした感は拭えないが、優秀な人材なことは間違い無い。

曹傑ツァオジエ
経典賽で覚醒した国内最高のスラッガー。恵まれた体格から発揮するパンチ力が最大の持ち味で、経典賽ではアプローチ面でも良い内容を示した。オーストラリア戦でフェンス直撃のツーベースを放つと、韓国戦でも初回にタイムリー。長らくパワーヒッター型の人材不在に苦しんでいた国家隊にとって待望の存在がついに現れた。1Bディフェンスは全般的にお粗末と言わざるを得ず、早急に修正が求められるポイント。

羅錦駿ルォジンジュン
23年経典賽ではキャプテンを任された。国内環境では随一の右打者で、シャープなスイングでギャップを抜くミドルヒッタータイプ。フィールド全体に打ち分けるバットコントロールとパンチ力も両立と、オフェンス面はバランスが良い。ポジションを転々とするディフェンスが難点で、経典賽では2Bとしても厳しいと評価せざるを得ないスローイングを連発。直後の錦標賽でも広東隊で1Bをプレーしていた。良くも悪くも現在の国内環境の基準になる様なプレーぶりで、彼を上回る人材がどれだけ生まれるかがカギになるだろう。

楊晋ヤンジン
経典賽監督のDean Treanor曰く「中華人民共和国で最高の人材」。平均以上のアスリート性を活かしたSSディフェンスは国内に止まらず、トップリーグ相当でも十分に通用するクオリティ。広大なレンジとやわらかいハンドリングを両立し、国内外不問でファインプレーを連発する。フルスイング気質が強かったバッティングも経典賽で劇的に修正され、シャープなスイングでギャップを抜く形になった。大谷翔平のストレートをジャストミートしたレフト前ヒットは中華人民共和国の棒球史で永遠に語り継がれていくだろう。

陳晨(大)チェンチェン
オフェンス・ディフェンスに思い切りの良いプレーが持ち味。勢い任せなプレーが多く、パフォーマンスの振れが大きい難点はあるが、上振れた時の存在感は圧倒的。パンチ力に溢れたバッティングに、3Bディフェンスも強烈なチャージで打者に圧をかけられる。経典賽でも4番を任されると評価は高いが、パフォーマンスは下振れと期待には応えられず。羅錦駿と同じく、ある意味で国家隊水準を測る上で基準になる人材。彼を超える3Bの台頭が待望される。

陸昀ルーユン
未来の国家隊キャプテン最有力。明るいキャラクターでベンチからも率先して声を出す姿に対して、経典賽監督のDean Treanorもチームのハート・アンド・ソウルと太鼓判。パフォーマンス面でも高校・大学は日本でプレーし、四日市大では18年にリーグMVPも得ている。パンチ力のある右打者で3B/SSをプレー可と魅力に溢れたステータスをしている。故障でプレー出来ずだった経典賽は本当に惜しまれる。

張宝樹レイモンド・チャン
本業はMLBDCのコーチだが、23年経典賽では衰え知らずのバッティングで存在感を発揮。カンザスシティ出身のチャイニーズ・アメリカンで、マイナーで12年間をプレーした実力は国内環境ではやはり規格外だ。バットコントロールに長け、広角にシャープな打球を打ち分ける技術はハイレベル。かつてはディフェンス面でも軽快なフットワークとスナップスローを持ち味に堅牢なプレーを示していた。英語と中国語が堪能で、国家隊でもMLB側から派遣されたベンチと国内人材の橋渡し役を買って出た。現役バリバリ時から伝説的な人材だったが、MLBとの連携が深まるこれからは、より一層存在感が増していきそうだ。

郝佳奇ハオジアチー
アンダーサイズだが投打でナイスパフォーマンスのアスリート。21年錦標賽ではクローザーに徹し胴上げ投手にもなったが、バットコントロールに加え近年向上したパワーも搭載した打者としての方がバリューは高いだろう。四川隊では中軸を任され、完成度の高いバッティングで確実に打者を返す。2Bを主にプレーしていたディフェンスも23年錦標賽ではSSにチャレンジ。ややアームツールの弱さを感じるものの、アジリティやレンジは十分と実力は証明。経典賽メンバーには選ばれなかったが、国家隊に必要な人材と個人的には思う。

王立子ワンリーズ
21年全運会では陝西隊メンバーとして王唯一と共に躍動。シャープなスイングで広角に打ち分けるバットコントロールが売りで、陝西隊では1番を任された好打者だ。経典賽までは陳晨(大)が座っていた3Bのポジションを錦標賽から奪取、安定したプレーぶりでレギュラーの座を掴んだと言っても良いだろう。江蘇隊へのプロモートタイミングも王唯一と一緒で、次代の江蘇隊を担うホープ。

李旗リチ
SSにしては大きめな体格で、深い位置から刺すことが出来るスローイングが大きな持ち味。ディフェンスアクション自体はややぎこちなく、ボールへの入り方はよりスムーズに出来る余地がある。バッティングはシンプルなスイングが好印象。

張文韜ジャンウェンタオ
北京大成学校からMLBDC入りのエリート。楊晋の存在から目立たないが、SSとしても上質なディフェンス力を誇る実力は経歴に負けないクオリティ。バッティングはパワーレスさが難点だが小回りが効く繋ぎ役タイプ。アンダーカテゴリからリードオフマンを任される。

楊勝奥ヤンシェンアオ
MLBDCでプレーし、U-18メンバー入りも果たしたエリート。低めを上手く捌くバットコントロールが光る人材で、ヒッティングセンスは世代でもトップクラスに高い。上海隊では3Bを主にプレーするが、ポジションに比してパワーが無い点がネック。チーム側も王斌を3Bに回すプランを模索と、絶対的なレギュラー獲得にはもう一押しが必要そうだ。

王斌ワンビン
張文韜
楊勝奥と共にU-18メンバーとして国家隊入りの経験がある。ディフェンスに長けた2人に対して、こちらはオフェンス型の人材としてバリューを築き上げてきた。バットコントロールに長けミスショット無くギャップを抜けるバッティングが光る。質の高い人材が集まる上海隊では若くして早くも4番を任されており、近く国家隊のクリーンナップでも存在感を示すだろう。

梁培リャンペイ
高校は東海大菅生でプレー。当時からアスレチックさに恵まれた人材だったが、北京隊入りをしてからネックだったバッティングで成長し、国内でも屈指の実力派として評価を集める様になった。思い切りが良いプレーぶりが光り、北京隊・国家隊いずれもリードオフマンを任される。経典賽では日本語を話せるバックグラウンドから中華人民共和国の広報的ポジションを担いつつ、フィールド上でも戸郷翔征からレフトスタンドにホームランを放つと印象的なパフォーマンス。北京隊では2Bとしてプレーとユーティリティさでもチームを下支え可。

韓嘯ハンシャオ
北京大成学校から日本へ留学、鹿島学園でプレーをした。大柄なOFでパンチ力のあるバッティングが出来、下位打線に置きながら小技を任せることも可と使い勝手が良い。アジリティもソリッドとオールラウンドさも光る。上海隊で実績を積み上げた上で23年経典賽メンバー入りも、コンディション不良かプレーはほぼ無し。本来であれば梁培と共に国内のOFをリードする人材だけに、まだまだ目一杯暴れて頂きたい。

寇永康コウヨンカン
バットコントロールに長けた左打者としてMILマイナーでもプレーした期待の新鋭。経典賽ではコーチたちからパワーポテンシャルにも注目が集まり、今後は柔剛を兼ねたハイレベルな打者になる可能性がある。現在はまだまだ若さゆえの粗さが目立ち、特に経典賽はパワーを意識しすぎて大振りを連発と不甲斐無いパフォーマンスだった。OFディフェンスも平凡で、本人が自信を滲ませるアームツールも個人的にはインパクト無し。上海隊で主に任されている1Bが最適なポジションだろう。

朱旭東ジュシュドン
江蘇隊の快速リードオフマン。爆発的な加速力があり、バントも織り交ぜながら相手ディフェンスを翻弄出来る点は唯一無二。反面バッティング・ディフェンスは技術が未熟な点が多く、メンバー入りを果たした経典賽でも不安なパフォーマンスは多々見られた。オンリーワンな素養がある点ではこれからに期待が出来る。

梁栄基リャンロンジー
MLBDC出身、一時はNPB・楽天の練習生として参加をしていたとの報道も。MLBDC卒業後は浙江省でリトルリーグのコーチを行っていたが、23年経典賽ではサプライズのメンバー入り。無所属ながらも想像以上に鋭いスイングを見せつけ、ポテンシャルの高さは証明。今後のプレーヤーとしてのキャリアは不透明だが、隠れた実力者と思われる。

凡徳雨ファンデユ
MLBDCでは強肩・強打を両立した随一のCプロスペクトとして注目、アンダーカテゴリ層を牽引する存在感を発揮した。層が厚い上海隊でもOFへのコンバートこそあったが、早々にプレーチャンスを得るとポテンシャルは本物だ。右打席から力強いスイングで打球を放つパワーバットタイプで、RFを守るOFもC上がりらしいスローイングで貢献。アジリティが高いタイプでは無く、どちらかと言えばバットで価値を出す必要がある人材なだけに、これからどれだけ継続して打ち続けられるかで価値は変わってくる。

丁宇澤ディンユゼ
MLBDCではLHP/OFを兼任。個人的にはPとして推したい人材だが、上海隊ではCBLでOFとして積極起用。Pとしてはアンダーサイズながらクリーンなオーバーハンドからストレートとカーブを投げ下ろす好素材。OFとしてもアジリティが高く、バッティングセンスも良しと、ポテンシャルの高さが光る人材。P/OFどちらにしてもパワー不足さは拭えず、今後スターダムにのし上がる上での課題になるだろう。

周奕ジョウイー
広東隊のCFをプレーするU-20の新鋭。体格に恵まれた人材で、バットを長く利用するダイナミックなスイングとセーフティも狙えるスピードを搭載した5ツールタイプ。

索南達傑スオナンダージエ
国内環境でU-18メンバー入りした後に渡米。カリフォルニア州の短大で結果を残した後、D2カレッジにトランスファーし腕を磨いている。リードオフマンタイプの人材で、スピードツールをベースにしたOFディフェンスにも定評。落ち着いたアプローチでBBを生み出せる点もナイス。ただし、パワーの無さからD2環境では弾き返され気味。

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