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【23年亜運会】中華人民共和国国家隊名単

注意
代替人材は触れていないため、メンバー変更があった場合は都度加筆をする予定。


索旭迪スォシューディ
経典賽メンバーの斉鑫や国内随一のパワーボールを売りにする李乾と比べて地味な存在だったが、錦標賽からCBLにまたがりソリッドなパフォーマンスで強豪の北京隊を牽引。一昔前に比べてデリバリーの力みが抜け、アウトローへのコマンドを軸にクレバーな組み立てが出来る様になった。83~85マイルのストレートとスライダーが主体で左打者には攻め手にやや欠けるイメージ。メンバー構成を見る限りはSPでの起用が濃厚だろう。

崔恩庭ツォイエンティン
近年パフォーマンスダウンが著しい天津隊に残る数少ない有力タレント。数年間にまたがるデリバリー調整の末、高めのサイドハンドからシンカーとスライダー、チェンジアップを操るスタイルを確立。好調時は重いシンカーが低めに集まり凡打を量産出来るが、コントロールのアバウトさから国内環境でもアップダウンは大きめ。積極的にボールを動かすスタイルが亜運会の環境にハマるか。

鄭超群ジェンチャオクン
経典賽での落ち着いたリリーフぶりは記憶に新しいベテランリリーバー。国内での存在感は強烈で、勝ちパターンでの起用からゲームエンドを防ぐための僅差ビハインドでのロングリリーフまで、勝利の可能性が匂う場面にはほぼ必ず登場する。変則オーバーハンドから85マイルのストレートとカーブ、チェンジアップ主体に縦のコンビネーションで駆け引き。経典賽でのプレーを見るとストレートのギアも85マイルより上に存在しそう。亜運会でもリリーフエースの一角を担うだろう。

王唯一ワンウェイイー
2年前まで陝西隊でプレーの無名な人材だったが、今や国内最強格の江蘇隊でエース級の扱い。若くして経典賽メンバー入りした実力とポテンシャルは誰もが認めるところで、88マイルを上回るストレートとスライダー、カーブ、チェンジアップを交える器用さも搭載。成熟度も急激に増しており、デリバリーコントロールとコマンドも2年前の粗々しさが完全に抜けている。国内人材ではエース筆頭格のエンジンを積んだ人材だが、江蘇隊での起用がリリーフ主体気味と安定しない点が歯痒いところ。メンバーを見る限りは亜運会もSP起用でおかしく無いとは思うが、どうなるか。

伊健イージェン
北京大成学校からMLBDC、マイナーでプレーのエリート街道を突き進んでいるが、ここ最近は広東隊でも存在感が薄く、亜運会は再起のきっかけにしたい。アンダーサイズの体躯をフルに活かしたデリバリーからキレの良いストレートとスライダーを投げ下ろすが、広東隊でもリリーフ起用が主な上、ストレートをあっさり弾き返される場面も多い。U-18での評価をピークにスペック面で伸び悩み気味な節は否めず、国家隊エース候補の座も王唯一に譲ったと見るべきだろう。正念場として奮起に期待。

甘泉ガンクァン
伸び上がる軌道の高めのストレートをアウトピッチに、スライダーとカーブも交える。アップダウンは大きいが17年は経典賽メンバー入りと実力は申し分無く、技巧派が大半の四川隊でも貴重な本格派として存在感を示している。好調時はあらゆるコースにボールが散らばりながら打者を翻弄するが、高めを狙ったストレートが甘く入る場面も散見。今回のメンバーの中ではいくらか異質なプレースタイルだけに命運を握りそうだが、調子の良し悪しはいかに。

蘇長龍スージャンロン
コーチ兼任でのメンバー入り。天津隊ではほぼ隠居状態だが、LHPとして彼程パワーとコマンドを両立した人材は国内に皆無と、その実力は依然トップクラス。変則デリバリーも打者を惑わす材料となり、徹底的に捉えにくさに拘った様なプレースタイルをしている。プレーヤーとしての側面よりも、ベテランならではの落ち着き、そして経典賽で世界を相手に戦った経験をメンバーに伝授していくメンター的役割が主となるだろう。

王翔ワンシャン
経典賽では日本戦のSPに抜擢。BBを連発して早々にマウンドを降りたが、経典賽の経験を機に著しい進歩を辿っている。層が厚い上海隊では既に主力格に成長、87マイルのストレートとカーブを投げ下ろすパワープレーで主に終盤を締める役割を担っている。錦標賽ではSPとしても十二分のパフォーマンスとスタミナ面も心配が無く、体力・技術両面で充実のシーズンを送っていると言えよう。年齢を見ると経験値狙いのメンバー入りの様に見えるが、今や上海隊を代表する立派な国内最高級のLHPである。

黎凝佶リニンジー
CBLで開花した国内LHP界のニュースター。早々にグラブを割る独特なデリバリーからキレの良い83~85マイルのストレートとカーブ、チェンジアップを投げ下ろす。CBLではKとERAで2冠、キレをベースにしたパフォーマンスに打者は圧倒されるばかりであった。独特なデリバリーの維持に苦しむ場面があり、コントロールを失うことは少ないがコマンドがバラける時がある。ボールパワーも特筆すべきでは無いだけに、継投タイミングにはやや気を遣うタイプか。

華但才譲ファーダンカイラン
チベット出身。MLBDC時から大物プロスペクトとして騒がれ、当時からオーストラリアへの派遣等アカデミーが熱心な英才教育を施してきた俊才だ。米NJCAAでプレーした後に広東隊に加入すると、左のSPの柱として君臨。アメリカで磨いたツーシーム、チェンジアップ系のボールに加え、ストレートもMAXで90マイルをマークと力強さも両立。高さを間違えることも少ないが、左右のコマンドがズレがちで思わぬ失投も目立つ。広東隊と言う環境の中で酷使されがちだった側面も拭えず、ここ最近はスケール感も色褪せていたところ。亜運会での経験が刺激になれば。

李寧リニン
経典賽での獅子奮迅のパフォーマンスは記憶に新しく、群雄割拠な国家隊レギュラーマスクのレースから1歩抜けた存在になったと言えよう。献身的なプレースタイルでオフェンス・ディフェンスに小回りが効く点が最大のストロングポイント。経典賽では専ら下位に座ったがバットコントロールの良さは国内ナンバーワン、ディフェンスもソツの無いプレーぶりで常勝軍団の上海隊を強烈に牽引している。CBLで盗塁王のベースランニングも地味ながら武器。どちらかと言えばユーティリティ性に注目される場面も多かったが、脂が乗った年齢を迎えて疑問の余地の無いレギュラーへと変貌を遂げた。

王帥ワンシュアイ
CBLではナイスパフォーマンスだったが、人材がひしめくポジションなだけに李一凡欒臣臣盧斌斌を差し置いてのメンバー入りはサプライズだった(欒臣臣は当初メンバー入りも8月に王斌と入れ替わり)。ノーステップで広角に打ち分けるタイプの右打者で、やや前傾するバッティングフォームが特徴。天津隊でも下位のオフェンスに加えて、ディフェンスも特筆すべきポイントが無く、良くも悪くも地味なタイプ。亜運会も恐らくはバックアップに専念するのでは。

曹傑ツァオジエ
経典賽終盤に覚醒の兆しを見せた国内随一のスラッガー。恵まれた体格からパワーを生み出し、シャープなスイングでストレートと変化球いずれにも対応が出来る姿も示した。投高環境の国内で打者のスケールが小さくなりがちな中で、彼の様なスラッガータイプの台頭は大きな希望である。ネックは1Bディフェンス。ルーティーンプレーもままならず、レンジやハンドリングにも不安が残ると課題が山積み。

羅錦駿ルォジンジュン
経典賽で国家隊のキャプテンを襲名。実力よりもキャプテンとして得た経験・視野をチームに伝授する役割が求められているだろう。広角に打ち分けられるミドルヒッタータイプで、パワー面もソリッドとオフェンス面の完成度は高い。IF全ポジションにOFもプレー可とポリバレントさも高いが、どこをプレーしてもディフェンスがイマイチな点がネック。経典賽では2Bをプレーもレンジ・スローイングいずれも不安定なプレー。広東隊でも専ら1Bをプレーと、アスレチックさで言えばもはや国内環境でも選択肢は限られているのかもしれない。

張文韜ジャンウェンタオ
SSも視野に入れられる程のディフェンス力の一方でオフェンス力に難有り、との評価が一般的であったが、CBLでは最多安打をマーク。強豪の上海隊でもリードオフを任されることも多くなり、楊晋王斌と共に強力なIFを形成した。MLBDCでプレー、U-18で国家隊メンバー歴もあると経験豊富でスキルフルな人材だが、パワーの無さは拭えない。ワンプレーのインパクトよりも堅実なプレーぶりでチームを下支えしたい。

陸昀ルーユン
底抜けに明るいキャラクターと高校・大学を日本で揉まれた確かな実力を両立。経典賽でもメンバー入りしたが、その際は故障でプレーが無く、亜運会はリベンジに燃えているのでは無いか。日本仕込みの堅実なIFディフェンスに、パンチ力のあるバッティングでもゲームを変えられる若き実力派。経典賽中、故障にも腐らずベンチで率先して声を出していたハートの強さも魅力で、個人的には次期国家隊キャプテン候補の最有力と見ている。北京隊と同じく、梁培とチームを牽引するパフォーマンスに期待。

陳晨(大)チェンチェン
蘇長龍羅錦駿と同じく、経典賽経験者枠でのメンバー入りだろう。オフェンス・ディフェンスに思い切りの良いプレーぶりが光る人材だが、アップダウンが大きく短期決戦では下振れが怖いところは経典賽でも悪い意味で露呈した。江蘇隊でも最近はバットコントロールに長けた王立子の台頭からベンチスタートになることも多い。本調子であればダイナミックなプレーでインパクトをもたらせるだけに、経典賽の雪辱も兼ねての躍動を期待。

王斌ワンビン
常勝の上海隊の若き4番。当初はディフェンスに長けた楊勝奥のバックアップに回る場面が多かったが、バットスピードと広角に打ち分けるスキル、プルサイドへのパワーを搭載した完成度の高いバッティングでレギュラーの座をもぎ取った。バットだけで言えば曹傑と並び既に国内トップクラスの実力派だろう。ディフェンスもIF/OFコーナーをプレー出来、亜運会でも周囲の人材のコンディションを見て柔軟にポジションを変えてのプレーになるか。

楊晋ヤンジン
23年で名実共に中華人民共和国最高の人材となったと言えよう。柔らかいハンドリングに支えられたSSディフェンスは世界レベルでも見劣りしない逸品。一時期はフルスイング偏重なバッティングで粗さが拭えなかったが、経典賽から一転してシャープに振り抜く完成度の高いミドルヒッターへと成長。経典賽では大谷翔平のストレートをレフト前に弾き返し、中華人民共和国棒球の新時代到来をプレーで示した。全体的にはバランスタイプだが、欲を言えばオフェンスは持ち味になるポイントがやや見え難く、何か強烈なストロングポイントがほしいところ。

陳嘉績チェンジァジー
錦標賽では天津体育学院のメンバーも、CBLでは天津隊にプロモート。3番に座る強打のSSとしてCBLでも目立つパフォーマンスを示し、オフェンスタイプのSSとして楊晋とは異なる存在感を放つ。SSとしてはややずんぐりとした体型でバッティングはパンチ力に溢れる上逆方向にも良く伸びると完成度が高い。ディフェンスもスローイング良し。ただしレンジを見ると最適解は3Bの様にも思う。亜運会メンバーを見ても陸昀とタイプが重なっており、使い分けは気になるところ。

梁培リャンペイ
日本生まれで高校は東海大菅生でプレー、当時からアスリートとして傑出した存在感を示した。スラリとした体躯ながらパンチ力に溢れたバッティングにスピード、アームツールも良しとダイナミックなプレーでチームに勢いをもたらす。経典賽では戸郷翔征のインコースストレートをレフトスタンドにホームラン、国内環境でも速い打球でIF/OFを抜きまくり国内随一の核弾道に。プレーがやや粗くなる場面があるが、ハマった時に生み出せるインパクトの大きさを考えると今後の国家隊含め欠かせない人材だ。

杜楠ドゥナン
天津隊のリードオフマン。10年代半ばから国家隊の有力候補として名前が上がった人材で、経典賽でも予備メンバーとして大会前のエキシビションでプレー。経典賽では朱旭東の後塵を拝したが、亜運会ではスポットをもぎ取った。典型的なパワーレスなリードオフタイプで、バッティングはバットを短く持ちコンタクトに徹するスタイル。CFをプレーするディフェンス力もソリッドで、今回のメンバー入りもCF人材としての側面が強いだろう。

寇永康コウヨンカン
MLBDCからMILマイナー、上海隊とエリートキャリアを歩む若手。マイナーではバットコントロールの良さに注目され、経典賽キャンプではベンチからパワーポテンシャルの高さを評価と、オフェンス型としての素材の良さは誰もが認めるところ。反面アプローチに粗さが拭えず、経典賽では陳晨共々大ブレーキ。OFディフェンスもお世辞にも良いとは言えないクオリティで、メンバー入りは国内のOF人材不足にも助けられている節はある。「自分たちが黄金世代になる」と声高らかに宣言する豪快な性格やプレーの随所に滲む華からか、CBLのファン投票では最も人気のあるプレーヤーに選出。

李雨洋リユヤン
四川では1Bとしてプレー。19年U-18では王唯一伊健張文韜等と共にプレーしたが、その際も登録はIFだったため、未知数のポジションでのメンバー入りに。体格は決して恵まれてはいないがシャープでスイングスピードも速いバッティングでボールを強烈にミート。インコースのストレートもしっかりと引っ張って長打に出来る技術がある。プレースタイル的には吉田正尚に近い。左右の違いはあれど、王斌と共にオフェンスタイプとしてチームを牽引出来るか。

予測スタメン

右 梁培
中 杜楠
遊 楊晋
一 王斌
指 曹傑
左 寇永康
三 陸昀
二 張文韜
捕 李寧

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