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太陽みたいな女性

大学2年生、3年生のとき、私は性に合わない早起き生活を送っていた。理由としては1つはインターンシップのため。もう1つは意識高い系を拗らせていたから。そられに加えて何故か「風呂は朝に入る」という謎の拘りをもっていたこともあり、朝型どころか超朝型の生活スタイルだった。

起きてすぐに風呂に入る。出てきてテレビをつける。5時45分頃。Newsモーニングサテライトの時間だ。メインキャスターは佐々木明子さん。あの年この歌でお顔は存じ上げていたが、お名前までは。あの年この歌を見ていたときから、落ち着いていて大人っぽくて素敵な方だなと思っていた。

朝の6時前後なんてよっぽどのことがない限り起きていることがなかったから、その時間のテレビ番組はまさに未知の領域。とりあえずザッピング。

テレビ東京をかけたら、あの年この歌の司会の綺麗なお姉さんが出ている。なるほど、佐々木明子さんというのか。専門家相手にバリバリ切り込んで、且つご自身のお考えもぶつける。キャピキャピしてなくて落ち着いてて素敵だ。といった“下心”が一丁目一番地。もうこれはモーサテ一択だよ、佐々木明子さんを毎日見れる贅沢を味わおう、ということで「朝はモーサテ」が当時の私のルーティンになった。

モーサテは内容が難しい。横文字の専門用語や略語が次々と飛び交う。しかしそこは“下心”のおかげか、徐々にではあるが内容を理解できるようになっていった。

モーサテに限らずテレビ東京の報道番組はニュースをただ伝えるのではなく、そのニュースを「経済」という独自の切り口で報じる。このニュースが経済に与える影響は。マーケットの動きは。などなど。政局を報じる場合でも、あくまで切り口は経済。ブレない独自路線。

2010年代後半の或る日、北朝鮮のミサイルが我が国上空を通過し、全国各地でJアラートのけたたましい音が鳴り響いた。モーサテは放送時間を延長、臨時の報道特番へ。そのときの佐々木さんの安定感と安心感といったらもう筆舌に尽くし難い。ベテランの妙、いぶし銀、そんな月並みな言葉では言い表せない。まさにテレビ東京の生き字引。テレビ東京=佐々木明子、佐々木明子=テレビ東京だ。そのときの佐々木さんは珍しく髪を後ろに結んでいた。その姿がやけに色っぽくて、テロップの速報はチラ見程度で佐々木さんに釘付けで早朝からドキドキしていたことを思い出す。

佐々木明子という人はとにかく“粋”だと思う。話し方や表情、振る舞い、所作、写真に収まるときのポーズブログコラムツイートでの文章など全てにおいて。「ぬおおおおおおおお」や「うへえ」など。文章から“あっこさん感”が滲み出ている。

大人っぽくて落ち着いてるのにつっけんどんしてるわけではない。思わず「あっこさん」と呼んでしまう親しみやすい雰囲気。モーサテ放送後にSNSにアップされる、佐々木さんと後輩アナウンサーとのやりとり、いわゆる“おまけ”のファンは私だけではないだろう。

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