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松魚つぶ(高知県高知市)

原材料: 水飴(国内製造)、砂糖、桂皮末、桂油、植物油脂
製造・販売: 株式会社山西金陵堂
http://www.kinryodo.jp/

松魚つぶ(読み: かつおつぶ)。
「松魚」とは土佐名産のカツオのこと。
「つぶ」とは土佐の方言で飴のこと。
魚の絵が描かれたパッケージの中身は肉桂(シナモン)の飴。削る前のカツオ節の形をしている。この見た目で実は飴だなんて、魚介系のおつまみと間違えてビールと一緒に買ってしまうお父さんもいるんじゃないだろうか。

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しかもこの松魚つぶ、小槌が同梱されている。このかわいい小槌で飴を小さく割って食べるのだ。
どこからどう見てもカツオ節にしか見えない飴をコツンコツンと叩いてみると、これがなかなか楽しい。そして、飴が固いのでなかなか割れない。
やっと細かくなったので袋を開けると、ぱあっと花が咲いたような甘くてスパイシーな、芳醇なシナモンの香りがまわりに漂った。

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この愉快な菓子は、いったいどうしてできたのだろう?

山西金陵堂の初代・山西房次郎は、明治20年(1887年)高知市に菓子屋として創業する際に、看板菓子として「松魚つぶ」を発案した。当時は高知にそれといった土産菓子は存在せず、高知土産の代名詞的な目玉商品として世に出された。

独特なカツオ節の形は木で作った型枠に飴を流し込んで作るのだそう。木枠はそれぞれ手作り。決まった分量の飴を片面の枠に注ぐので内容量は同等でも、1つ1つ型によって微妙に形状が違う、ユニークな飴ができあがる。

カチンコチンと小槌で割ったかけらを口に入れ、コーヒーを一口飲む。いつものコーヒーがシナモンの香りで包まれる。紅茶や緑茶にも合いそう。また、親しい人たちとワイワイ飴を叩いて割りながら、ウイスキーと一緒に楽しむのもよさそうだ。砂糖とウイスキーは互いを引き立て合い、飲みやすくまろやかになる。

なんとも豪快で面白い菓子が生まれるのは土佐の土地柄のせいなのか。それを確かめに高知に行ってみたくなった。


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