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Q8 「再エネ」太陽光発電は不安定な電源だ

今回のシリーズではパシフィコ・エナジー株式会社の社長の松尾大樹が太陽光発電所に関する様々な疑問に回答します。

今回は太陽光発電は不安定ではないかという疑問に対してです。結論から言うと太陽光発電は出力を自在に制御できないという意味で不安定な電源です。

太陽光発電や風力発電は日射量や風速によって発電出力が変わるため、変動性再生可能エネルギー電源と呼ばれます。需要量と供給量が毎秒ピッタリ合致しなければならない電力市場において、出力を思ったように制御できないという意味では不安定な電源と言えます(正しくは直ぐに停止させることはできます)。
 
一般的に太陽光発電は電気の使用量が大きい日中に発電するので、ざっくりとしたところでは需要量と供給量がマッチした電源ではありますが、雨の日に出力が大きく落ちたり、最も電気使用量が大きくなる17時~19時には日没と共に貢献できなくなります。こうした急な出力変動を緩和したり、発電する時間を数時間後にシフトする役割を果たすのが、今大きく普及が望まれている蓄電池システムです。
 
蓄電池システムの役割には以下のようなものがあります。

1. エネルギーの貯蔵

 蓄電池は電力を貯めることができるため、電力需要が低いときや電力供給が一時的に不安定なときにエネルギーを貯蔵する役割を果たします。例えば、再生可能エネルギーソース(太陽光や風力など)から得られる電力を蓄電池に貯め、需要が高まったときに使用することができます。

2.電力需要の平準化:

電力需要が変動する場合、蓄電池は需要と供給のバランスを調整する役割を果たします。需要がピーク時に供給力が不足している場合、蓄電池は電力を供給し、需要が低いときには蓄電池を充電することで、電力の需給バランスを維持します。

3.緊急時の電力供給:

蓄電池システムは、停電や緊急事態の際にバックアップ電源として使用することができます。蓄電池に充電された電力は、電力網への供給が途絶えた場合に使用され、重要な機器や施設の動作を維持することができます。

4.電力品質の向上:

蓄電池は電力の安定供給にも役立ちます。電力網の電圧や周波数が不安定な場合、蓄電池はそれを補正することができます。また、蓄電池は短時間の電力停止をカバーするため、電力品質の向上にも寄与します。

また蓄電池システムは太陽光発電パネルと同様に技術革新と大量生産によって今後さらなるコスト削減が期待されている技術です。またこれまでは発電所毎に併設して蓄電システムが導入されてきましたが、今後は電力網(グリッド)に直接接続することで、複数の事業で共用化し蓄電システムの利用の効率化が進められています

出展:経済産業省資料

当社は2020年より蓄電システムの建設・運営を進めており、より安価な蓄電システムの導入と効率的かつ最適な運転の研究に着手しております。蓄電池システムの導入によって再生可能エネルギー由来の電気の安定的な供給を実現したいと思っています。

建設中の蓄電池(福岡)
建設中の蓄電池(北海道)

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