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太陽光発電所で羊を飼う〔ソーラーファームと羊牧場のコラボ〕

今回は宮城県の太陽光発電所で羊を飼ってみようという試みです。この発電所では除草剤を使わずに人の手で草刈りをしていますが、45ヘクタールに及ぶ広大な面積で、かつパネルの下を腰をかがめて草を刈るのは人間にとってはかなりの重労働です。一方で羊にとっては餌の宝庫。太陽光パネルは日光や雨を避ける休憩所になるのだそうです。

以下見ていきましょう。

1.除草剤を使わない緑の絨毯広がる古川太陽光発電所

宮城県大崎市にある古川太陽光発電所は56.7MWの発電容量を備えた宮城県内最大の太陽光発電所です。2016年12月より運転を開始し、7年目を迎えています。これまで1万3千戸の家庭消費電力に相当する3.3億kWhのクリーンエネルギーを発電し、17万トン分の二酸化炭素排出削減に貢献しています。

古川太陽光発電所は大崎市の人里離れた山の中にひっそりと在ったゴルフ場を改変して造られました。ゴルフ場の平坦な地形形状を活用し、太陽光パネルを配置しています。また、除草剤や農薬を使用せず、草刈機または手作業の除草によって年間を通して低茎~高茎の草地環境が維持されています。プレーヤーとコースキーパーが行き来したゴルフ場時代とは異なり、今では除草や異常検査などのメンテナンスの作業員のみが出入りするようになっているため、静かな環境が維持されています。

除草剤散布や人の出入りが無くなったファーム内には多数の動植物が戻ってきて新たに独特の生態系が形成されています。当社では工事後の発電所内の自然環境の動態を調査するため定期的に専門家による調査を行っていますが、2021年度の調査では太陽光発電所内で1000種類を超える動植物種が発見されました

2.受け入れ準備

まずは数ヘクタールほどの区画を策で囲い、地下水をポンプで汲み上げて水飲み場を整備します。草はさまざまな種類が繁茂していてパネルの裏などはシダ類なども。硬そうな植物もありますが、羊は食べるのでしょうか。

区画をフェンスで囲む
井戸水をポンプで汲み上げて水飲み場を整備
パネル下の水飲み場

3.羊登場

近くで太陽光発電所での羊の肥育を行っている会社さんの協力を得て、25頭の羊に来てもらいました。

大迫力の羊登場シーン
羊たちは早速仕事に取り掛かります。
人懐っこい羊

羊たちは11月まで発電所に居る予定で除草の任務にあたります。どんな草を食べてどんな草を残すのかなど毎週モニターしていきたいと思います。

パシフィコ・エナジーは全国で多くの大型の太陽光発電所を建設・運営していますが、できるだけ多くの箇所で羊牧場を営み、地球にやさしい発電所の運営と食とエネルギー自給率の向上に貢献したいと考えています。

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