【NOAH】今こそ稲村愛輝から目を離してはいけない理由

2022年8月11日、プロレスリング・ノア最強を決めるリーグ戦であるN-1 VICTORY 2022は開幕した
そこにその男の姿はなかった

その男とはプロレスリング・ノア稲村愛輝だ
稲村はその恵まれた身体とスタイルからデビューから直ぐに注目され、対戦した団体内外の選手からの評価も高く、この夏ゼロワンの火祭り準優勝という結果も手に入れ期待値は最高潮にあった
ティモシー・サッチャーの来日が難しくなり空いたN-1の枠、ノアは稲村愛輝と岡田欣也の勝者にその権利を与えると発表した

岡田は稲村と同期であるが明らかに後塵を拝していた
稲村とは対照的にこれといった実績も無く、直接対決で稲村が負けた事もない
誰もが稲村の勝ちを疑わなかったし、稲村本人も自分が出るものと思っていただろう

しかし、現実はそうはいかなかった
試合は稲村が押していた
稲村が試合を決めに行った刹那、岡田は狙っていた
ローリングバッククラッチで丸め込まれた稲村はそのまま3カウントを聞く事になる
目頭をおさえ喜びを爆発させる岡田、呆然と見つめる稲村、勝負とはとても残酷で美しい
岡田から差し出された手を稲村は力無く握り返した
二人の物語は次のステージへと進んだ事を強く感じた場面だ
(二人のライバル関係については主題から大きく外れる上、長くなるので機会があればまたそこで)

SNS上では結果を受け、岡田への期待感は一気に膨れ上がったし、期待感の裏返しからか稲村への手の平返しも目にした
兎にも角にも岡田は稲村に追い付き一躍N-1における注目の的になった

しかし、私は敢えて言いたい
注目すべきは敗者となり後ろに居たと思ってた岡田に追い付かれ、この夏追い抜かれるかもしれない稲村愛輝だと

ずっと順調に来ていて、ずっと上ばかり見てた彼がまだ後ろに居たと思ってた同期
その相手が実績こそ無いものの自分の足元をすくい自分が手にする筈だったチャンスを奪っていくだけの力を既に身に付けていた
この事実は彼の感情を揺さぶるには十分すぎるのではないか?
それは彼が感情的な部分を表に出すきっかけになるのではないか?

確かに彼はこれまで対戦した数々の選手から認められ私達ファンもその将来性に期待したが、その一方で彼の感情的な部分にスポットが当たる事は少なかった
レスラーとして期待されてたものに彼の人間的な魅力が上乗せされた時、彼は今以上の期待感と存在感を持ったとんでもないレスラーとなって私達に夢を見せてくれる気がしている
なので、その起点となるかもしれない今という時、私は稲村愛輝から目を離さない

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