3.18有明コロシアムで行われた、王者・坂崎ユカ選手 vs 挑戦者・瑞希選手のプリンセス オブ プリンセス選手権が行われた

その日、私は仕事があったのだが朝からソワソワして仕事に身が入らなかった(ちゃんと仕事しろ)
定時に帰る事、それだけを考えて仕事した(だから、ちゃんと仕事しろ)

仕事が終わり家に着き、直ぐに有明大会を確認する私
その時はセミ前のIP選手権だっただろうか？良く覚えていない。それくらい当日の私はメインに心を持っていかれていた
(ちゃんと後でアーカイブで全編視聴しました。名勝負でした)
セミも同様である

入場曲が鳴り花道を歩いてくる瑞希選手
今にも感情が崩壊しそうなその表情からも複雑な想いとこの試合にかける覚悟が見える
前回は耳を塞いだ坂崎選手の入場曲を聴き坂崎選手を見つめながら、複雑な表情で坂崎選手を待つ瑞希選手
それ以上に複雑な表情を見せながら入場した坂崎選手

ゴングが鳴ってもそれは変わらなかった
向き合う事を避けるような坂崎選手に少し苛立った表情を見せる瑞希選手

「ユカッチ！オラァ舐めんな！」
場外でそう叫び坂崎選手にドロップキックを打った瑞希選手だが私には
「ちゃんと私の話を聞いて」に聞こえた
この時点で私の涙腺崩壊である
その後、場外の床を叩きつける姿は、馬乗りでエルボーを打つその姿は全力で母親の気を引く子供のようですらある

そこからの坂崎選手は強烈だった
グラウンドでギブアップを迫り、エプロンでのティータイム、雪崩式のマジカルメリーゴーランド、場外ブレーンバスター、魔法少女スプラッシュと繰り出される強烈な返答
それはまるで貴方が進もうとする道はこれだけ険しい道なんだ。だから、その険しい道を歩むのを諦めてくれという願いのようだった
しかし、心折れてしまう訳にはいかない
どうしても背負いたいものがあるのだ
どうしても伝えたい想いもあるのだ
そして、その為の覚悟を決めてきのだ
なりふり構わず食らいつく姿、言葉にならない声を発しながら仕掛ける動きにいつもの華麗さは感じないがそこに込めた想いはいつも以上に伝わってくる
その真っ直ぐさはとても美しい

魔法少女ニワトリ野郎を躱し、起死回生の渦飴から連続のダイビングフットスタンプを決める瑞希選手、必死に肩をつける事を拒む坂崎選手
キューティーにいこうとする瑞希選手を強引に振り解きエルボーにいく坂崎選手へカウンターのエルボーからキューティー、そして2度目のキューティー…諦めたように3を聞く坂崎選手

遂に瑞希選手の想いは届いた
この瞬間瑞希選手は東京女子プロレスを背負う存在となったのだ

瑞希さん！！！

感無量である

瑞希選手が団体を背負う天使となったその時、坂崎選手が見せた表情、私には悔しいものというより「しょうがないな」というような表情に見えた
それはこんなに大きくなったんだねという喜びと、その道の先を知る者としての心配
それらが複雑に入り交じったものに見えた
そして、自らの手でベルトという東女を繋いで来たバトンを渡した
そのバトンを本当に大切そうに抱える瑞希選手
マイクを持ち最初に出た言葉
「大好きです」
これは前回の試合後の坂崎選手の
「大好きだ」
に対するアンサーだろう
2年4ヶ月前、戦いたくなかったと言い耳を塞いだあの日、向き合う事で強くなった想いと覚悟、それを伝える為にここに立ったのだろう

坂崎選手はとても大きかった
「そこは諦めてくれ」
試合前にそう口にした坂崎選手、試合中ギブアップを迫る姿は険しい道を選ぼうとする瑞希選手に対する苦労はして欲しくないという願いのようにも見えた
しかし瑞希選手のその強い覚悟を前にして、瑞希選手がその領域に足を踏み入れる事、それに折れたのは坂崎選手の方だったのかもしれない
試合後の彼女の姿から感じる成長を認めそれでもなお心配は尽きないというような笑顔と複雑な表情が入り交じった姿
それはもう子を想う母の愛だ

2人のキャラクターやエピソードから、その関係性を恋人に例えられる事が多いマジラビ
でも実はそこにあったのは親子のような繋がりだったのかもしれないとこの試合を通じて私は感じた
挑戦が決まった時の瑞希選手の言葉「瑞希が勝ったら褒めてな」は今にして思えば、まさに母に認めて欲しい子のそれだったのかもしれない
この試合は瑞希選手の想いと覚悟を伝える試合であり、坂崎選手の母性が爆発し2人の想いが交差した東京女子プロレス史に残る名場面だ

とまぁ、このnoteを書くにあたって何度も見返して色々思った事はあるのだが、当日の私にそんな余裕がある訳もなく、ただの瑞希さん信じてるbotだった事も記しておく

そして、当日も今も結論は

瑞希選手最高だな

坂崎選手最高だな

マジラビやっぱ最強だな

という事である

エンディングでの坂崎選手を抱き寄せる山下選手、2人に見えるバトンを託した者にしか分からない感情が見え隠れし、そこにもグッときた

そして、気付けば私は4.22大阪大会のチケットをポチってた
休みが取れる保証もないのに(後日、無事取れました)
私は自分自身と約束した通り、素晴らしい風景を見せてくれた天使に「ありがとう」を伝えに行けなければいけないのだ

そして、団体を背負う天使となった瑞希選手が描く東京女子プロレスの景色がどうなっていくのか？
瑞希選手の防衛戦がどうなっていくのかを楽しみにしようと思った
(数日後、私はその想いに苦しむ事になるのだが、それはまた別のお話)

瑞希さん！！！！！！！！！