【読了】経理のExcelベーシックスキル

はじめに

経理業務にExcelは必須
チームでExcelを使う方法

第1章 経理に必要な5つのExcelベーシックスキル

Excelは、会計システムなどの業務システムの分析機能を補完する
ユーザが多いので抵抗感が低い

日次業務・月次業務

・小口現金管理:出納帳
・切手や印紙の受払簿
・経費の振込表
・月次予実管理表
・借入金管理表
・資金繰り表

四半期次業務・年次業務

・各種の引当金計上額を算出する資料
・棚卸資産の期末評価資料
・有価証券の期末評価資料
・税金計算データ:法人税、住民税、消費税
・連結パッケージ
・取締役会向けの決算分析資料

よくある問題

・値の参照関係が分かりにくい
・関数が複雑で正しいかどうか検証できない
・最新データがどれか分かりにくい:ファイル名などの工夫が必要

経理に必要なベーシックスキル

・見やすくする
・ミスを防ぐ
・使いやすくする
・管理する
・作業を早くする

第2章 決算報告書の作成に必須! Excelを見やすくするスキル

一番重要なのは「報告書としての見やすさ」

決算報告書は会計システムで自動作成できる
しかし、実際は報告書のユーザは様々なので、会計システムだけでは多くのニーズに答えられない

決算報告書の種類

すべての会社
・月次報告書
・セグメント別月次予実報告

上場企業
・短信(四半期ごと)&有報(年次)

子会社
・連結パッケージ

・使ってよい色を限定する
・決まった意味で色を使う
 ・手入力する値
 ・自動計算される値

フォント

・既定フォントをメイリオに設定しておく

書式設定

・カンマ
・単位:千円、百万円
・負値:赤色よりも▲の方が白黒でも分かりやすい

文字揃え

・見出しは中央揃え
・文字列は左揃え
・数値は右揃え

表記ゆれのクレンジング

・環境依存文字は使わない:「㈱」→「株式会社」
・英数字は半角、それ以外は全角

※本来であれば、会計システムのマスタ統制でクレンジングしておくべき

第3章 決算業務で超重要! Excelのミスを防ぐスキル

・非表示にしたまま共有しない(代わりにグループ化を使う)
・直接入力セルに色付けする
・計算式をシンプルにする(複雑にすると保守が困難になる)
・計算式を修正する場合は、修正欄を作成する

第4章 経理関係者に感謝される! Excelを使いやすくするスキル

・金額単位を統一する
・重いファイルにしない(エラー、外部ファイルへのリンクなど削除する)
・シート名は短く、シート数は少なく
・生データはセル結合しない(集計したい場合は、元データの見出しをセル結合するのではなく、なるべくピボットテーブルを作成する)
・印刷範囲を指定しておく(FIX版の報告書はPDF化することが多いため、A4)

他人に共有するなら、目次シートはあったほうが良い
(金額単位などの共通ルールや、シートを閲覧すべき順序などを記載できる)

決算作業で推奨するシート構成
①説明:ファイルの目的、作業概要、作業手順などを記載
②データ:生データをコピペ
③計算:関数やピボットテーブルを使う
④報告:見栄えを整えて、計算シートを参照して値を表示する

第5章 経理チームでルール化すべき! Excelを管理するスキル

ルールは、チームとしての作業効率化と属人性の排除に必要不可欠
・ルールブックでは、ルールを守らないとどんな問題が起きるかも併記する
・ルールの切り替えは必ず期首から適用する、期中に変わると混乱するため
・過去にあったルールの履歴も残しておく

ファイル操作ルール

・ファイルを開いた直後に確認すること:フォントや色のルール
・作業中にやってはいけないこと:計算セルの直接修正(修正したい場合は修正欄を作って行う)
・作業後にやるべきこと(他人に共有する前にやるべきこと):印刷範囲の設定、など

ファイル保存ルール

・チーム共有用フォルダ(他人に見せる用)と個人用フォルダ(自分だけが理解できればOK)は分ける
・フォルダ名はソート順を含める
・フォルダ整理保守の担当者を決めておくと尚良い

⓪ルート
└①対象期:202403(2024年3月期決算用)、など
 └②業務区分:日次業務、決算業務、など
  └③作業区分:計画、単体決算、連結決算、監査法人対応、社内報告、開示、など
   └④勘定科目:固定資産、など
    └⑤資料:固定資産増減明細、固定資産除売却明細、減価償却費明細、仮勘定台帳、減損方針、減損兆候判定、など
      ※「元データ」「過去バージョン」フォルダを作成しておくと尚よい

ファイル名ルール

◎_202403_[管理コード]_固定資産増減明細_[作成者]_2.0.xlsx

ファイル名と、ファイルを開いたときのシート上に表示する名前は一致させる

ファイル作成状況は、ステータス管理表上で管理してもよいが、ファイル名に含めておくのも便利
・◎:承認済み
・◯:作成完了(未レビュー)
・▲:作成中

管理コードがあると、WBS上のアクションIDと対応づけられてよい

ファイル作成者は、不明点を誰に質問すればよいかを識別するため

バージョン番号のルール例
・数値修正:1.0→2.0→3.0
・文言修正:1.1→1.2→1.3

拠点名は3文字略称にする

拠点名略称をマスタ管理しておくと財務報告プロセスで使い回せるので便利

第6章 日次業務~年次決算で使える! Excelの作業を早くするスキル

作業が遅いメンバーにはExcelの使い方を教えて、チーム作業のボトルネックを解消する
道具の使い方を教える

ピボットテーブル

カメラ

VBAを使うかどうかは、チームメンバの技術リテラシーに応じて決める
リテラシーが低い(特定メンバしか使いこなせない)場合は、VBAを導入しても引き継ぎができなくなる(属人化する)ので、使わないほうがよい
VBAを導入するか否かに関わらず、チームとして技術リテラシーを上げる計画は必要

第7章 経理の仕事に役立つ! 使いやすいExcelの表を作成する方法<実践編>

・テーブル機能を使う(レイアウトの自動適用、自動集計、スライサーとの連動など、便利機能がたくさん)
・ウインドウ枠を固定する
・A列目1行目は空白にする(このセルを使うと罫線が見えなくなるため)
・列の合計は見出し行の上で計算する(スクロール不要で見れる):SUBTOTALでフィルタ後の値のみを表示できる
・セルは最低限に色分けする:見出し、合計値、手入力
・グループ化する

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