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良い治療院の選び方②

なぜ「診断」が最も重要なのかというと、診断能力の高さよりも、「雰囲気の良さ」「人がよさそう」「明るくてきれい」だという主観的な評価で、

「ここは良い治療院に違いない」

と思ってしまうと、大ハズレになるおそれがあることを先ず知っておいて欲しいのです。

良い雰囲気は主観的なイメージであって、能力の高さとは関係ありません。能力を反映したものではないからです。

良い雰囲気というのは、情熱を注ぐ異性と行く場所として選ぶのは正解です。良い雰囲気自体が、自分の能力以上のものを発揮してくれるはずです。

技術の良さを求められる業種、治療院などはそれとは別の条件がいります。

当然、雰囲気は良い方がいいし、よさそうな人に診てもらう方が安心ですし、現代的できれいな方が良いにきまっていますが、良い治療院を選ぶ条件としては弱いのです。
職場を想像してもらえればわかるように、
外ズラのいい人が、良い人であるとはいえません。
愛想がいい人だからといって、仕事も出来るということもありません。関係がないのです。
会社の雰囲気を良く見せるのはお客様へのマーケティングであって、内容を反映するものでもありません。
もちろん、治療院は不潔で暗い雰囲気でも構わないという意味ではありません。怖そうな顔をした人がいいということでもありません。
自分の印象だけを判断材料にすることは、良い治療院選びをすることは出来ないように思うのです。
きれいな形をした可愛らしいキノコを美味しそう、という印象だけで食べてしまうようなものです。

仕事ができる人というのは、少なからずその仕事に人生を捧げている人のことです。
「生活のため」
「家族のため」
「税金を払う義務を遂行するため」
とかの理由ではなく、
「人生を賭けるに値する仕事のため」
「仕事に没頭しても苦痛を感じない」
といった理由で働く人です。

ぼくは、何人もの患者さんに、
「職場に人生を賭けてるような仕事してる人っていますか?」
と尋ねました。その答えは、
「そんなん一人もおるかいな!」
という断言でした。
「お客様の笑顔が見たくて、とか言うじゃないですか?」
と訊くと、
「聞いたことないわ、悪口ならしょっちゅう聞くけど」
(こわっ)
でも、こんな話はここだけでなく、どこにでもある話でしょう。
営業トーク、営業マナーで仕事をしているのがほとんどです。
そんな中から
「良い店」「良い治療院」
を探すのは至難の技です。既成の商品をお試しで買うならどこの店でも構いません。
しかし、技術が要求される業種を選ぶのは簡単ではないはずです。

「職場で、一番仕事が出来ると思う人はいますか?」
と尋ねると、やや間があってから、
「います」
とは、答えてくれます。
しかし、職場のナンバーワンに出会える確率はそんなに高くないはずです。
この知識を元にして、ぼくは、
「一番仕事出来る人に頼みたいんです」
と、正直に言います。または、
「あなたは仕事ができますか?」
と、正直に尋ねます。出来る人は嫌な顔をせずに、
「任せて下さい!」
た、胸を張って答えてくれるのです。
出来そうにない人、自信のない人は、
「はは…」
と、わかりやすく曖昧に微笑んでくれるので、別のところを探しに移動してもぼくの心は傷みません。

どんな仕事でも、誰もが出来がいいわけじゃありません。

こんなことは、働いている人なら誰でもわかっていることのはずなのに、自分が客の側になった途端に忘れるようです。

「俺は客だぞ!」
「何でこれが出来ないんだ!」
「私がここでいくら払ってると思ってんの!」
(実際に街で聞いたセリフです…)

人にやられて嫌なことを人にやってしまう。

モンスターペアレントの対応している人が、子供の通う学校ではモンスターだというのも聞いたことがあるでしょう。(実際にあるらしい)

話が脱線してしまいました。
どの分野であっても仕事が出来る人の割合はほんのわずかだということが言いたかったのです。
③に続きます。