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伊右衛門に見る、ブランド進化によるバリエーションデザイン手法

こんにちはpackagecollection(以後パケコレ)です。

食品続きだったので、今回は方向を少し変えて「飲料」にフォーカスし、パッケージを見ていきたいと思います。

▼この記事の元サイトはこちら
https://pake-tra.com/package/4041/

みなさまはドリンクをどのような基準で購入されていますか?誰しも1回は買ったことがあってもいいのではないかと思う「お茶」市場。緑茶市場は「おーいお茶」「綾鷹」「伊右衛門」がざっとヒーロー商品として思い浮かぶのですが、その中でも最近、「伊右衛門」がいろんな意味で頭角をかなり出し始めております。

え?本当?そうかな?・・・と思ったかたもいらっしゃるかもしれませんが、蓋を開けてみるとびっくり!今や「伊右衛門」商品は少なくとも5カテゴリほどあります。(正式にはもっとあると思います。)今回はやっと見つけ出せた5つのパッケージを個々に見ていきたいと思います。

そもそも、かれこれ10年前から「伊右衛門」好きな筆者
竹のようなボトルのシルエットに、小ぶりな「茶」のロゴが凛として上品で、味も渋くてすっきりでおいし〜!と思いながら高校生の時から好んで飲んでいたのを覚えています。

参考までに:伊右衛門のパッケージ変革
https://www.walkerplus.com/article/102570/

しかし最近、伊右衛門のブレっぷり(進化?!)がすごくて、もう特集を組まずにはいられない!ということで、定番のフレーバーをベースに伊右衛門の進化をパッケージから見ていきます。

伊右衛門 2019年春頃リニューアルパッケージ

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Photo:伊右衛門2019年春頃リニューアルパッケージ

今年の春から大幅にデザインがリニューアル。

「男前でかっこよくて、凛とした伊右衛門」が、「なんかおねえになって帰ってきた」みたいな神妙な気分になったのを覚えています。ちょっと書体のフォルムが女性向けなのよね〜。なんて。

伊右衛門 濃いめ 2019年パッケージ

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Photo:伊右衛門 濃いめ 2019年パッケージ

伊右衛門の濃いめが・・・・

「凛」とした中に深い渋みがあって、とても大好きだったんですが。レイアウトとか、トンマナとか・・一体なにがあった!?と思ったパッケージ。

振り切りましたね。むしろ私は「伊右衛門の何か新しい感じの奴」と思って購入しました。これぞブランド買いですね!まさか「濃いめ」とは思いませんでしたよ。ちなみに私が大好きだった過去の「濃いめ」パッケージも見てください。渋くて男前ですから。

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Photo:サントリー公式ホームページ ニュースリリースNo.SBF0402(2016/3/7)よりお借りしました。(https://www.suntory.co.jp/softdrink/news/pr/article/SBF0402.html?_ga=2.62904556.1796062187.1560926630-2039953023.1543542825)

まあそんな私のパッケージ失恋話はおいといて、次にいきましょう。

伊右衛門 特茶

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Photo:伊右衛門 特茶

伊右衛門のバリエーションの進化の原点はここ!と言っても過言ではないと筆者は考えております。

「特茶」という「脂肪を分解する」などの機能性をつけたお茶がブームし、今までの「伝統」「凛とした」パッケージから、機能性を訴求するために少し「サプリ」系の表現が入ってきたな、と感じました。縦に入ったラインや、上部のコピーライン、トクホのロゴなどが「サプリ」らしさに紐づくと考察しています。

この「機能性」商品、前回までのお菓子市場でもそうですが、もちろん飲料にも浸透しています。

伊右衛門 特茶 ジャスミン

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Photo:伊右衛門 特茶 ジャスミン

そしてもっとびっくりなのが、「ジャスミン」系のフレーバーも出してきたこと。もう、上品。女性性らしさの表現は実はここから・・?!

しかし、お花のあしらい方ブルーグリーンの入れ方、ホワイトバランス、さし色のゴールド・・・とても素敵ですね。やっぱり好き。いいですね、ジャスミンティーのパッケージ。素敵です。

伊右衛門 いえもんプラス コレステロール対策

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Photo:伊右衛門 いえもんプラス コレステロール対策

<悪玉コレステロールを下げる>

最後に、最近、「本当に、本当に、え!?これも伊右衛門!?」と思った商品で締めくくろうと思います。

伊右衛門も今年の春のリニューアル前に、一回ちょっとスケルトンのパッケージに変わったんです(生茶のパッケージに近いイメージと筆者は考察)。でも春のリニューアルでは昔に戻ったなあと思ったら、こっちに応用してきたようです。

しかし、パッケージというよりも機能の説明がいっぱいで、かつての伊右衛門の情緒とは異なり、まるでPOPですね。薬のパッケージのようになっています。

「コレステロールとか気にしていないけどなんか体に良さそうなお茶だぞ・・」と買いました。ここまで「コレステロールを下げる」と書かれていると、ターゲットがおのずと絞られてくると思うのですが、どうなんでしょうか?

若い女の子なんかは特に、「これを買ったら私はコレステロールを気にしていると思われてしまう・・・」と思って躊躇する人もいると思うのですが、それでもこちらのパッケージに振り切ったのはおそらく理由があり、コンビニのメインユーザーと言われている40代男性をターゲットにしたかったから・・とかなのでしょうか。

まとめ

今回は「伊右衛門」というロングセラー商品にみるパッケージの進化でしたが、本当はもっともっと、パッケージが必要でしたね。

しかし、最近のラインナップをかき集めてもこれだけのパッケージの変容です。かつての「スタイリッシュ」さ、「伊右衛門」というイメージ・トンマナを維持しつつ、どこまで訴求するのか、リニューアルしていくのか。毎回葛藤と、チャレンジがあるように見受けられました。

特に特茶のラインは、かつての「凛」としたトンマナをキープして今の「機能性緑茶」のシェア上位に君臨をしているように思えます。逆に、特茶でもなんでもない「伊右衛門」の方がマイナーチェンジの変革を求められた。そんな不思議なパッケージの現象でした。

みなさまはここまで緑茶のパッケージが、市場が、機能が進化していることに気付いていましたか?筆者もとりまとめていて発見が沢山あり、うかうか飲んでたら見逃してしまうなぁと改めて思ったのでした。

こういったパッケージの変容にも私たちの文化の変化が色濃く反映されていると私は日々感じており、伊右衛門が少し「女性っぽい」トンマナになってきたのも選ばれやすいパッケージがそういった女性的・女性が好みやすい傾向に変化しつつあるからなのかもしれませんね。ジャスミンティーのフレーバーが出てきたのも、お茶が単なる「水分補給」ではなく、「リフレッシュしたい」という機能を求められるようになってきたからでしょう。

もっと詳しく見たい方はこちらからどうぞ。

サントリー「伊右衛門」公式ホームページ
https://www.suntory.co.jp/softdrink/iyemon/green_tea/

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