会社辞めて起業する~本店所在地探し③

【起業までの道】~本店所在地探し③
(前回の内容)東京での起業を決め、本店所在地のオフィス探しをしていたら第一希望の下北沢のスタートアップ向けシェアオフィスを発見

問合せ先の信用金庫にメールをすると、早速担当の方から募集要項が送付された 読んでみると…3年契約、定期的に面談、所定のセミナー参加などが義務付けられている そして最大の関心事💨家賃の欄を見ると…下北とは思えないほど非常にリーズナブル さらに個室でなく、コワーキングスペースの家賃は敷金無し!月額も目を疑うような値段!😆 これは神様の思し召し、と小躍り🎶👍

幾つかわかりづらいことがあったので、勇気を出して電話すると、担当者が丁寧に教えてくれた せっかくなので、元々下北沢でオフィスを探していたことや、テレビ局の事業に勤務していて、イベントのプロデュースやエンターテイメントに関わる仕事をやっていきたいと考えている、御社は母校の通学路にあり、名前も同じで親近感がある、とひたすら熱意を話した こんないい条件のオフィスを逃すわけにはいかない、必死だった すると担当者の方が「下北沢という土地柄、演劇や音楽などのスタートアップ企業に応募してもらいたいと思っていたので今、お話聞いて大変嬉しい それに問合せ初めてなんです」と非常に好感触😂「書類ご提出頂いた後に、面接したいので日程いつ頃大丈夫でしょうか」とのお話 ちょうどゴールデンウィーク中の緊急事態宣言中のタイミングで、会社からは他府県移動制限されているので、明けたタイミングでよろしいでしょうか?と伝えると、「では5月中旬以降ですかね、また記入用の書類お送りしますのでご提出お願いします」と電話は終わった
小躍りならぬ大躍り😂🎶👍
「書類って、契約書?誓約書?これはもう内定だ!」✌とガッツポーズ!その時の私は、世の中そんな甘くはない、ということを数ミリも思わず「見つかったよー😃」と、のんきに浮き足だっていた
そしてもう一度募集要項の「入居まで」を読み直すと「書類審査の後、面接」と書いてある しかし人間、自分に都合のいいようにしか考えない「ま、内定だし」と

数日後、その浮かれモードが暗転する
提出用の書類が送られてきて、添付を開いて呆然😱
・創業動機、企業理念、入居希望理由
・創業者履歴書(細かく)
・創業準備(人材、資金、人脈)
・予定している事業内容、特徴、新規性、革新性、優位性
・事業の強み、弱み
・事業計画書
・3ヶ年の売上見込、業界の市場予測

(他にも何かまだありました)
起業してないのに、まだどんな仕事をやるかも漠然としてるのに、SWOT分析!市場予測、売上予測😣😣😣
経営企画部にいたとき、関連会社の資料や、中期経営計画の新設などで、うす~くかじったくらいの知識しかないのに、自ら書かないといけないのか!😭😭😭 茫然自失とはまさにこの事 新しく創出する仕事ばかりでビジネスになるかもわからないのに、3年の見込み数字とは!
入居できる!と浮かれていた自分が、どれだけのんきだったのかと呆れた😭

ちょうど6月に開催予定の、在職中最後の担当舞台のチケット売上が芳しくなく、またコロナの感染も収まらず、開催自体もどうなるかわからないという、会社の仕事で胃が痛くなっている時期に、新たな難題がやってきたのだった

そんなタイミングでまた事件…
母に下北沢に行くことがあったら、ビルの写真を撮ってきてほしいと頼んていたのだが、ある日の午後、電話がかかってきた 平日の日中にかけてくるのは珍しいなあと思いつつ出ると「中見せてもらったのよー」と
一瞬何が起こったのかわからず「え?😣😣😣」
「だから、写真撮ってきてほしいと言ったから、信用金庫の窓口に行って『娘がそちらの事務所お借りするらしいんですけど、見てきてと言われたんです』って言ったら、担当の人が出てきて『ぱるぞうさんですね』って案内してくれたのよー 親切でね、私も『下北沢は何してるんだかわかんないような人多いですけど、うちの娘はずっとサラリーマンなので、そういう人が借りた方が安心ですよね』って言ったのよー(笑)写真も撮ってくださいって言うから、撮ったから送るね😊ほんと、大変だったわよー」と
電話だけだが、いかにも金融機関という固い印象の担当者さんと、マイペースの母がどんな時間を共に過ごしたのか、血の気が引いた😖

説明すると、私の母は典型的な江戸っ子気質で「嘘や隠し事はしない、思ったことは言う、思ったらすぐ行動」
昔、ベトナムの民族衣装アオザイをテレビで見て、その美しさに感心し、ベトナム大使館に電話かけてどうしたら手に入れられるのか聞いたという人(結局断念したのだが) 
その他なかなかのエピソード多数あるのだが、そんな母を見て、私の周りに気を遣う性格が育成されたと、ご理解頂きたい

で、ミッションコンプリート✌という達成感に溢れた79歳の母に「遠くから、外観だけ撮ってきて欲しかった…😅」とはさすがに言えず「あ、ありがとう」と電話を切り、会社の机に突っ伏した私 同僚が「どうした?」と聞くので、顛末を話すと大爆笑された「かえって良かったんじゃない?😁」と慰めのような、半分おもしろがっている言葉をかけられる
ただでさえ書類が書けず毎日、白紙の用紙を見て唸っているのに、これで終わったかも、と目の前は暗雲に覆われたのだった😨

(続く)

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