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酷評の嵐? 映画『CATS』をみる

U-NEXTで映画『CATS』が配信されていた。

この映画、幕を開ければ(いや、開ける前からか)聞こえてくる酷評、悪評の嵐。「0〜5点で採点すると、玉ねぎ」「猫にとって、犬登場以来最悪となるできごと」etc....

映画館で見たかったけれど公開日あたりはすでにコロナが騒がれはじめ、気づけば映画館は閉鎖していて見に行けず終いだったので、前評判を気にしつつも「やっとみれる!!」と早速購入しました。そして吹き替え版をみて、字幕版もみた。

全く悪くないといえば嘘になるけれど、酷評を意識しすぎたせいか

普通に楽しめた.....!......よかった......。

そう、何を隠そう(何も隠す気はないですがw)学生のころにキャッツを観て以来、何回観ても機会があればまた観に行きたいなと思うくらい好きな舞台なので、映画版とはいえ自分の好きなキャッツがやれ「評価するならたまねぎだ」の「ラズベリー賞最多受賞だ」の「恐怖に慄く」だの「失神した」だの言われていて切なかった。あぁ切なかった。好きなものが酷評されるというのは自分のことのように切ないものです。

確かに舞台メイクとは違う人面猫?人猫?毛並みふわふわの猫顔人間風猫は猫感と人感 妙にリアルでちょっと気持ち悪い。それに加えて小さな耳がピコピコと動き、尻尾がふにゃりと動き、猫と物や街並みの対比は明らかにオカシイく、ジェニエニドッツのナンバーも......うーん何故ゴキブリを食べたのか、猫ってゴキブリ食べるんだろうか、それすらわからないけれど、リアルさを求めているのだとしたら、それは必要??と頭にはてなマークが浮かび気持ち悪さや違和感を感じ得ずにはいられない箇所はちらほらとありました。それは認めざるを得ない事実なので、そこを批判されたなら「ごもっともです。」としか言いようがない。

ただ、ALWの音楽は言わずもがな素晴らしく、ジェニファーハドソンが歌うメモリーも、映画用に追加さたテイラースウィフトと共同制作した曲もよかった。ダンスも実に魅力的でジェリクルソングの群舞にも圧倒されたし、ロンドンの街並みも美しく、ロンドンのシンボルと猫たちの絡みが見れたのも映画ならではの良さだった。

キャッツは猫メイクにタイツ1枚の猫(役者)たちがひたすら歌い、踊り、群舞をみせ、ストーリーはあってないようなもので「猫たちの自己紹介をみていたら1匹がメモリーを歌いだし、1匹が天上にのぼっていった。気づいたら終わっていた」そういうものだと思っているので(ある意味ツッコミどころ満載)、そこらへんのキャラクターを深堀しない坦々と進んでいく感じも忠実に再現されていて良いなぁと。

 舞台版の良さの1つに、『役者と観客の距離感』がある。客席降りが多く、舞台と客席の距離も近いので、生の演技を間近に感じられ舞台と客席、役者と観客の間に一体感が生まれる(と思っている)。でも映画では当たり前ながらスクリーン越しになるのでそれは難しく、舞台を映画で忠実に再現しようとし、舞台だからこそ生まれた良さは映画では伝わらない部分があり、そして映画ならではの良さをつけ加えようとして出来上がったのがこの映画版『CATS』なのではないのかなぁと思った。
エンターテインメントに更にエンターテインメントをかぶせたような映画で、悪く言えば、エンタメ過剰。やりすぎが気味悪さにつながっている......のかもしれない。

受け取り方はもちろん人それぞれで正解も不正解もない。けれど、それが今回は......うーん、少し思っていたのと違う方向に転がってしまっての悪評酷評の嵐に繋がってしまったのかな......とキャッツ好きは思う。

でも、ラストにジェリクルキャッツたちは言う

猫は求めるのだ、大いなる心を。」

もしご覧になるならば是非
大いなる心でみることをおすすめしたい映画版『CATS』でした。

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エンターテインメントは心に必要不可欠。
舞台も無事に安心して再開出来ますように、と日々思っています。





















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