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生理を持つ人の選択肢を優しく照らす – 生理用品セレクトショップilluminateメンバーの想い

生理といえば、隠すもの。学校でこっそりナプキンをポケットに忍ばせトイレに行った人も多いだろう。おおっぴらに生理について語ることははしたないとされてきた。

その一方で、ドラッグストアに並ぶ生理用品は、ピンクや花の嵐。これでもかというほどに"女性性"を前面に押し出した商品ばかり。

そんな状況に一石を投じるアクションが、今年2019年相次いで起こった。その大きなきっかけになったのは間違いなく「illuminate(イルミネート)」のプロジェクト開始だろう。


ハヤカワ五味minaあいね。この3人が中心となって始められたilluminateは、SNSでの情報発信、青山や梅田でのポップアップストアなどを経て、9月12日公式サイトと公式LINEサービスをリリースした。登録者は瞬く間に増え、リリース1ヶ月ほどで1万人を突破したという。

それだけ多くの人が、生理に関する価値観のアップデートを欲しているのだ、と感じる。そしてSNSを中心に、生理について想いを語る人も増えた。今や生理は、ただ受け入れるもの・隠すものではなく、ジェンダーに関係なく、共に生きるために自らアプローチしていくものになってきているのかもしれない。

生理を巡って大きな社会的変化を迎えつつあると感じる2019年、そのきっかけを作った3人に、サービスに込めた想いを聞きたい。そう思い、手作り生理用品クッキーを手土産に、パレットーク編集長と2人、illuminateのオフィスにお邪魔することにした。

(文章:伊藤まり

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まり:リリースおめでとうございます!実は私、今日の座談会のために(?)、illuminateのLINE登録するの我慢してきました。まず、LINEで「イルミネート」って調べて友達追加するんでしたよね?

mina:そう。で、前回2回分の生理日を登録したらそれで大丈夫!

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五味:そうすると、生理の5日前・前日・当日にお知らせの通知がくるの。5日前に通知がきたときにそのままECサイトで生理用品を注文すれば、生理日に届く、というようになってます。

まり:すごい〜!LINEアプリでできるから、わざわざ新しくアプリをダウンロードしないでもいいんですね。しかもそのままECサイトに行けるって便利。

あや:ところでこれはタンポン?

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まり:そうです(笑)。こないだ久々にタンポン使ったら、あらためてその良さに感激して…。みなさんタンポン使ってます?

一同:使ってる!

あや:めっちゃいいよね!

mina:私は去年初めて使ったけど、今まで使ってこなかったことをすごく後悔した。タンポンって、親や友達が使ってないと使うハードル高いよね。使い方も、実際に触ってみないとなかなか想像つかないし。

あや:私が初めて使ったときは、お母さんに入れてもらったもんな…。

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五味:わからなくて、パートナーに入れてもらったって話も聞いたことある。ナプキンに比べて全然使っている人少ないから。

mina:そういう人もきっと多いと思う。だからilluminateの商品には、使い方やサイズ感のわかる動画や使い心地のレビュー記事も載せているの。

あいねタンポンだけじゃなくて、月経カップや、ナプキンも。ほぼ全ての商品に説明動画がついてます!種類も多いので動画で見比べて欲しいな。そして、それに加え、デリケートゾーンのケアについてとか、いろいろ情報を載せてます。

まり性教育YouTuberのシオリーヌさんも出てるんだ!すごく安心感がありますね。時々こういう記事で余計なお世話で鬱陶しいのあるじゃないですか。「デリケートゾーンの臭いで彼氏に引かれないためには…」みたいな。

あいね:わかります。他の生理アプリでも、生理が終わって「終了日」ボタンを押した瞬間に「さあ痩せよう!」とか出てきて、イラっとする(笑)。

五味:"キラキラ日"みたいな表記もあったりするけど、「いや私、常にキラキラよ?」って思う(笑)。

あや:お強い。

五味:"女子=痩せたい=モテたい"みたいな構図にもずっと違和感を感じてきたから、設計の段階でその原体験は大切にしているよね。

mina:身体の状態と向き合いたくてアプリを開くのに、「モテるためには」とか「痩せるためには」っていうのが出てくる。それって、他者と比べられて、自分が社会のなかでどの立ち位置なのかを勝手に押し付けてくるものでしょ?

あいね:そういうの、いらない。

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五味、mina:それな。

mina:illuminateは基本的に、自分と向き合うためのサービスだから、シオリーヌさんもそうだけど、その価値観を理解してもらってる方に頼むようにしてる。

まり:押し付けをしてこない記事や動画で、いろんな生理用品の使い方やレビューを教えてくれるサイト、かなりありがたいです。月経カップなんかは、タンポン以上に使うハードルが高いと思うけど、生理前にお知らせがきたら、「ちょっと試してみよう!」っていうのも増える気がしますね。

mina:五味ちゃんにもらって使ってみたけど、使い方はちょっと難しいよね。うまくいかなくて、危うく大惨事だった(笑)。

あや:あ、あのお風呂場に置いてあったやつ?あれ、トイレの上の棚にしまっておいたよ〜。

mina:あ、はい。ありがとう(笑)。

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五味:確かにハードルは高いけど、慣れたらとても便利だよね。月経カップだと自分の経血の量を目で見ることができるから、自分の経血が多いのか少ないのかも知ることができるし。自分以外の人の経血の量って見たことないじゃない?だから自分の量が婦人科に行くべきレベルなのか、とかも知る機会って早々ないから。

まり:このところ生理について発信する人も本当に増えてきたけど、まだまだ話しづらい雰囲気もありますよね。だからこそ、こうやって情報を知れるっていうのは、自分の身体を守るためにもすごくありがたいことです。

あや:私がilluminateの好きなところは「全ての女性のために」とか上手いこと言おうとしていなくて、「子宮がある→生理がある→生理がある人のためのサービス」ってところ。

五味:ありがとう。

まり:他の余計な言葉が削ぎ落とされている感じですよね。

あや:そうそう。

五味とにかくilluminateは一番間口を広くしたいって思ってる。従来の「妊娠のしやすさ」「危険日」みたいな情報って、基本的に異性のパートナーがいる人だけを対象としているでしょ。

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mina:生理がくる人でも、そもそもパートナーが同性だったり、妊娠したくない人やできない人もいるわけで、「子宮がある=妊娠できる/したい」みたいなのって違うよねって思って。とにかくシンプルに、自分の身体と向き合う上で必要な情報だけに絞って、「彼を振り向かせる」みたいな情報を摂取しないですむようにしてます。

あや:そもそも日本って性教育がまだまだというところもあるから、生理になりたての10代の子とかが「安全日」みたいな言葉を見たら、「避妊しなくていいんだ」って間違った理解に繋がっちゃいそうだよね。

あいね:最近はアプリとかでも「安全日」や「危険日」っていう表示は少なくなってるみたいですけどね!

mina:そういう意味もあって、早い段階でilluminateを使って欲しいなって思います。初めて生理がきたら、お赤飯を炊くかわりにilluminateを登録する。自分の身体を知り、自分に合った対処法を知るために‥.。社会や他者から眼差されるより前に、自分の身体と向き合う機会を得るためにね。

まり:いや〜お赤飯文化は本当になくしていきたいですよね。プライベートなことを家族に勝手に公開されて、「子どもを産めるようになっておめでとう!」なんて…。気持ち悪すぎますし、私も本当にいやでした。

あいね:わかります!私、お赤飯、5年くらい嫌いでしたもん。

あや:引きずったね。

あいね:他の家族に「なんでお赤飯なの?」って言われても私だってわからないし、とにかく恥ずかしいし、すごく嫌だったな〜。

あや:トランスジェンダーの男の子で、生理はくるけど自分の身体に違和感を感じているという人が赤飯で祝われたら、本当にトラウマレベルで辛い出来事になるんじゃないかな。

mina:自分が自分の身体と向き合う前に、社会のなかで自分の身体や子宮がどういう立ち位置にいるかを向き合わさせるって、どうなのだろうね。それよりもまず、自分に向き合うための知識と、生理と付き合う上での選択肢を知れる方がずっといいと思う。お赤飯は必要な情報は教えてくれないし。

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五味:生理始まったときに「これで選びな〜」ってできる"生理スターターキット"みたいなのがあったらいいよね!

まり:生理をもつ子どもを育ててる人でも、なかなか教えるのが気まずい人も多いと思うから、さっとilluminateを見せて「こんなのあるよ〜」ってできたらすごく助かりますよね。逆に私も、母親に「ナプキン足りないから買いたして」っていうのが恥ずかしかったから、ECサイトで自分で選べたらすごくよかったな〜って思います。

あや:最後に。"illuminate your choice"にはどんな意味を込めたの?

minaあなたの選んだ選択肢を照らす。あなたに選択肢を与えましょうでもないし、これをやりなさい、でもない。あなたがこれかなって思った先にあるものを、見つけやすいように、選び取りやすいように、光で照らすという意味の言葉です。スポットライトのように。

まり:すでにあったけど、暗くて見えなかったものに光を当てるっていうのがいいですよね。

あいね:やっぱり生理って月のイメージもあって、隠される意味合いが強かったと思うんです。だから、むしろ照らす。そこを意識しました。


生理に関する不必要な情報や価値観を削ぎ落とし、世の中にある選択肢や身体との向き合い方に光を当てる、illuminate。

その特徴は、何と言っても過剰に女性性を飾りたてることのないシンプルなデザイン。年齢やセクシュアリティ、生理との付き合い方によって、誰も排除されていないと感じる。

世の中にあるサービスは、ある種の「大前提」を振りかざしてくることが多い。

ー 女性は、異性と結婚して子どもを産みたいはずだ。
ー 女性は、異性からモテるために痩せたいはずだ。

私たちがあらゆるレベルでその大前提から漏れ出てしまうとき、「ああ、私はこの社会ではないことにされているんだ」と痛感させられる。

illuminateは生理という切り口から、そうした社会の大前提に問いをふす。
話を聞きながら一番に感じたことは、余計な価値観から解放される自由さ、そして、ただ自分の身体と向き合うときに感じるエンパワーメント。

illuminateでは今後さらに、生理を持つ人の選択肢を優しく照らすサービスが展開されるという。同時代的に起きている生理の革新に注目していきたい。

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