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2人だけの誓い CELEBRATION WEEK for all

従来の結婚式の型にはまらないカップルそれぞれの想いを形にするCRAZY WEDDINGと私たちPaletteの主催で行われたCELEBRATION WEEK for all。その特別イベントとして6月17日、ハワイ在住の人気YouTubeチャンネル「わがしChannel」を運営するKanaさんとMikiさんは、多くのゲストが見守るなかで誓いを立てた。

その日、表参道にひっそりと佇むIWAIには、様々なしがらみから解放された"祝い"の空間があった。

(文章:伊藤まり

式が始まると、白い衣装に包まれたKanaさんとMikiさんの2人が入場する。
2人は少し緊張した面持ちで向かい合い、お互いへの想いを綴った手紙を読み上げた。

「これからは私がいるよ、ひとりぼっちじゃないよ、ふたりぼっちだねってそばで笑ってくれてどれだけ救われたことか」「これからは私がたくさんKanaちゃんを支える番。」

「それまで(亡くなるまで)の道はMikiと2人きりでも楽しいし、お互いの家族と一緒でも楽しいし、新しい家族が増えてもいい。新しい家族は、あなたに似た子どもでもいいし、私に似た子どもでもいい。2人にまるっきり似てなくてもいい。大切なのはMikiが一緒にいてくれることだから。」

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その瞬間には、2人しかいなかった。
2人を大切に思う大勢の人々に囲まれ心から祝福されていたけれど、この2人の誓いの場は、ただ2人のこれまでの人生と、これからの人生への選択のためだけに執り行われたのだ。

この誓いの場を迎える前に、2人はウェディングプロデューサーの渡部恵理さんから丁寧なヒアリングを受けたそう。2人の人生を振り返り、お互いのことを語る作業。MikiさんとKanaさんは日頃から、夜通し話したり、誕生日のときなどにも想いを綴った手紙を交換していた。そんな密なコミュニケーションをとっている2人だけど、第三者とともにあらためて語り合い、さらに深い層の言葉、相手への想いがスルスルと出てきたという。

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そうして作り上げられた2人の祝いの式。

筆者は今まで、結婚式というものがどうしても苦手だった。両家の結婚という概念のもと、父親に連れられた花嫁がヴァージンロードを歩き、そして花婿に手渡される。「一生食べるものに困らせないよ、これから美味しいご飯を作ります」と説明されるファーストバイト。

それと同時に私は、結婚式はしたくないと思う権利を持っていることにもあらためて気がつく。なぜなら異性愛者だから。当然に結婚というものが、良くも悪くも周りから期待され、自分自身にもその期待を投影する瞬間もあった。だからこそ、結婚式はしたくない、と思っていたのだ。

しかし、今回のKanaさんとMikiさんの式に参列し、私は結婚式へのイメージを大きく変えることができた。

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しがらみとなった伝統や家父長制からも距離を置いて、ただ2人のこれまでの人生とこれからの選択を喜ぶことができる。そしてその幸せを多くの人と共有することができる。
結婚式のいらない部分をそいでいった最後に残るそのシンプルな意味は、これほどまでに素晴らしいのか、と。そしてそのような空間では、祝われる2人が同性か異性かということが微塵も意味をなさない。ただ、2人が2人であるだけだった。

イベントでは、同性婚にまつわるトークライブも開催された。
セクシュアリティをオープンにして広く活躍するfairの松岡宗嗣さんですら、夜道恋人と手をつないで歩いている時に物音が聞こえると、とっさにその手を離してしまうという。
それくらい、今の日本では異性愛を当たり前として、そうではないパートナーシップを築く人の生きづらさが残っているのだ。

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この日そこにあったのは、互いを愛し尊敬し、あまりに素敵でそしてあまりに普通なカップルの姿。KanaさんとMikiさんが女性同士のカップルであるかどうかということは何の意味も持たなかった。でも、社会では違う。

日本では法律上の結婚ができないということもあってハワイに移住を決めた2人は、現在「わがしchannel」というYouTubeチャンネルを運営している。2人で楽しく思い出作りをしたいと始めたチャンネルだったが、暖かいコメントが届くようになって嬉しい反面、複雑な想いも抱くという。異性カップルならば、ただ「ラブラブだね」と受け止められるだけなのに、同性のカップルであるだけで社会的な意味が付与されてしまうから。

今回、2人の姿を目の当たりにした私たちの多くが「こんな素敵な2人が同性であるというだけで法的な結婚制度を利用できないのはどう考えても変だ」と、シンプルに感じたのではないだろうか。

同性婚訴訟が始まって4ヶ月がたった。国会でも、同性婚ができるよう民法の一部改正を求める法案が野党の議員によって提出された。CRAZY WEDDINGのブランドマネジャー山川咲さんは、同性婚が実現されるまで、このイベントを続けていくという。

この日私は、結婚や結婚式というものについて考え直すとともに、"すべて"の人が結婚するのかしないのかを自由に選べる社会への想いをあらためて深めることになった。

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(写真の提供:CRAZY WEDDING)

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