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【社員インタビュー】薬剤師 古田聖尊さん

薬局事業、福祉事業、まちづくり事業…と複数の事業を展開するパナドームには、様々なバックボーンを持つ社員が在籍しています。日々、それぞれの現場で奮闘する社員たちが大切にしたい思いとはー。
この【社員インタビュー】では、パナドームをつくる人にスポットをあてて、その"人となり"や"仕事への思い"をお届けします。


今回、登場するのは、パナプラス薬局第2むつな店で管理薬剤師を務める古田聖尊さん。

古田先生がパナプラス薬局で働くのは、残りわずか。10月からは生まれ育った岡崎市を離れ、ご家族の薬局で働くことが決まっています。これまでを振り返り、「自分としては満足のいく3年半だった」と語る古田先生に、パナプラス薬局と歩んできた日々についてお話を伺いました。

パナプラス薬局 第2むつな店
管理薬剤師 古田聖尊さん

愛知県岡崎市出身。父親が東洋医学に基づいた接骨院を営んでいた影響で東洋医学や漢方医学に興味を持ち、名城大学薬学部に進学。2020年に(株)パナドームに入社し、現在は第2むつな店に勤務。管理薬剤師として薬剤師業務のほか、売上管理など店舗運営全般を担当する。2021年〜2022年はまちづくり事業部の立ち上げに参画するなど、他事業部の業務も経験。

ーーパナプラス薬局で働くのもあとわずか。率直に今の気持ちを聞かせてください。
いや〜、もう単純に寂しいですね。
僕、生まれも育ちも岡崎で生粋の岡崎っ子なんです。ここには家族も友達もいるし、仕事を通じて出会った仲間や、お世話になった病院の先生、良くしてくれた患者様など、大切な人の顔がたくさん浮かんで。もっとここで働きたかったな…と、最近は感傷的になることも多いです(笑)。

ーーそれくらい、古田先生にとっては思い入れの強い場所だったんですね。そもそも、入社を決めたきっかけは?
薬学部って5年生のときに薬局研修があって配属先は大学が決めるんですけど、そのときに配属されたのがパナプラス薬局能見店だったんです。そこで、当時から管理薬剤師をされていた笹岡先生に出会って、僕の中での薬剤師像が180度ひっくり返ったというか…。笹岡先生の“薬剤師としての在り方”に感銘を受けて、自分のやりたいことはここにあると確信しました。

ーー「“薬剤師としての在り方”に感銘を受けた」というと?
能見店は在宅の患者様の割合が多く、中には終末期医療を受けている方もいらっしゃいます。そうなると、治療の論点は「治る・治らない」ではなく、「どう生きるか・どう死ぬか」という話になるんです。治療には、患者様本人をはじめ、ご家族、医師、看護師、そして薬剤師…とたくさんの人が関わっているんですが、目線や足並みを揃えるのって実はすごく難しくて。

例えば、患者様はもう薬は飲みたくないと言っているけど、医師は飲んでほしいと思っている。一方で、家族は手術を受けてほしいと思っていたり……。終末期医療には正解がないからこそ、みんなそれぞれの立場で「今、何をするべきか」考えを巡らせるんですよね。

正解がない状況の中でも、笹岡先生は常に患者様に真摯に寄り添っていらっしゃって。それは、どう生きてどう死にたいかという話だけでなく、その人が今まで何を大切に生きてこられたか、家族や友人とはどんな時間を過ごしてきたのか、残された時間で果たしたい役割は何か…など、患者様の人生そのものと向き合っているように見えました。

その姿を近くで見て、薬剤師の役割は薬を届けるだけでなく患者様と周りの人たちを繋ぐことなのだと知ることができましたし、学生時代に仕事の本質に触れられたのは本当に貴重な経験だったと思います。

ーー笹岡先生との出会いもありパナプラス薬局でのキャリアをスタートさせるわけですが、これまで担当された患者様の中で、特に印象に残っている方はいらっしゃいますか?
初めて担当させていただいた在宅患者様のことは強く印象に残っています。僕が幼少期から家族で通っていた鰻屋の店主で、「職人として人生をまっとうしたい」という強い思いを持ってらっしゃいました。嚥下力が低下してからも、息子さんが焼く鰻の味のチェックは欠かさなかったし、「それが自分の役割である」という気概のような、一種の執念のようなものを感じて。まだ薬剤師としては未熟だけど、それでも自分の精一杯を尽くして、この患者様と向き合おうと強く思ったんです。

ご家族との関係は今も続いていて、先日もお店に鰻を食べに行きました。僕たち薬剤師は、患者様から学ぶことばかりですよ。

ーー患者様との関わりの中で大切にしてきたことは?
ひとつは、患者様へのお声がけですね。
薬局に来られる方は、大なり小なり身体や健康に不安を感じていて、薬も医師に言われたから仕方なく飲むという方が多いんです。それでもいいかもしれないけど、僕はやっぱり前向きな気持ちで薬を飲んでほしくて。おこがましいかもしれないですけど、不安や緊張は会話の中で解いてあげたいし、嬉しいことは一緒になって喜びたい。それは僕だけじゃなく、スタッフ全員が同じ気持ちだと思います。

もうひとつは、僕が好きな東洋医学の考えを取り入れることです。
「中庸(ちゅうよう)」って聞いたことありますか?儒教の用語のひとつで、偏りがなく調和がとれている状態を指す言葉です。東洋医学では、健康とは心身の中庸を守ることとされていて、それは他人と比較することではなく、ちょうどいい状態は人それぞれ違うと説いているんです。

身体って不思議で、例えば或る箇所に不調を感じて治そうと頑張りすぎると、今度は別の箇所に不調を感じたり。患者様の中にも、そういった症状に悩まれている方は多くいて、そういうときには「病と闘うのでなく、受け入れて少しずつちょうどいい状態に戻していきましょう」とお伝えしているんです。健康は身体の一部分ではなく、心も含めた"心身全体”で考える必要があると思うから。

体を軸とした西洋医学と、心を軸とした東洋医学。どちらか一方ではなく、両方の良さをかけ合わせることで、理想の医療が実現すると思っています。

ーー3年半で薬局業務だけでなく、まちづくり事業の立ち上げなど、幅広い経験をされてきましたが、今後挑戦したいことはありますか?
まちづくり事業部の立ち上げに携わったことで、薬局運営もまちづくりのひとつなのだと思えるようになりました。

私たちは薬剤師であり、医療従事者であり、同時に地域を支えるひとつのピースでもある。それは、働く場所が変わっても同じだと思うので、患者様や地域のために何ができるか問いを繰り返しながら、そのときにできる精一杯を尽くしていきたいです。
……と、最後に格好つけたことを言いましたが、まずはこれまでと変わらず、患者様にたくさん話しかけることからですね。やってみたいことはたくさんあるのでひとつひとつ頑張ります!


パナドームからのおしらせ

最後まで、インタビューをご覧いただきありがとうございました。「この記事いいな!」と思った方は、記事に「スキ」を押していただけるととっても励みになります。

そして、パナドームでは現在、薬剤師の採用を積極的に行っております。ご興味がある方は、下記の専用ページよりお気軽にお問い合わせください。

採用を含め、会社への問い合わせは下記のアドレスまでお願いいたします。
info@panadome.com

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