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サマーソニック2023 リアム・ギャラガー見る為に1人で参戦するレポ 2


(前回の続き) 


『オアシス:スーパーソニック』をアマゾンプライムで家で観た。
すごく面白かった。

結成から5年足らずでロック界の頂点へ駆け上がるバンドの疾走感や、言わずもがなの兄弟喧嘩、ライヴシーン、ドラッグ、2人がまだちょけ合っていた頃の映像など、周囲の証言をアニメーションも交えて構成されており、オアシスという存在を余すことなくエンターテイメントとして楽しめる映画だった。
それで観終わって「あー面白かったなー」と思って改めて聞き出したのが2020年、私にとってのリアムの始まりである。
絶頂期からは約25年、バンド解散から11年を経て、マイ・オアシスブーム、ないしマイ・リアムブームが私の中で静かに巻き起こっていた。ちなみに今回、マイ・ノエルブームは起こらなかった。

そこから、現在ソロ名義の「リアム・ギャラガー」を聴き始めた訳だが、御歳50歳を迎えたリアムの声質はしゃがれまくっており、ライヴではオアシス時代の曲もかなりやっているのだが高音のとこは出ていないし、例えば楽曲『Live Forever』で、「リブフォレ、ヴアァァーー」と以前は音を伸ばしていたところ現在は「リブフォレ、ヴァッ」とフレーズを切るように終わらせることが多い。
しかしそんなことはどうでも良い。

今のリアムの声が好きだ。若い頃のネッチリとした歌い方より、今の方がかっこいい。なので昔のオアシス曲も現・リアムが歌ってるダミ声バージョンで聞く。全盛期の声を聞き込んでいたわけでもないので、その頃と比較して出なくなっちゃったなぁという残念感もない。 むしろ能動的に捨てているかの如く、潔く現在の声で成立させている。あと、オアシスの曲じゃない今の新しい曲も良い。
たまにダサい感じの「ロッック!!」みたいな曲もあるがそれもそれで、いい。ルックスは年齢に関係なく波がある。個人的には2020年頃の短髪ヒゲありスタイルが好きだった。

リアムの独特な歌い方


ちなみにリアムの象徴と言える独特な歌い方(両手を後ろに組み、マイクの下からしゃくり上げるように歌うスタイル)は、年代やその時々で変化しており、最近はマイクの角度がほぼ水平の時もあるし手は後ろで組まずに両尻脇に軽く添える感じだったりポケットに手を入れて歌ったり。

ウィキペディアの情報によると[2005年の7月あたりから手を後ろで組むことはほぼなくなっていった]とある。結構前からだった。
あと、最近はほぼずっとマラカスを持っている。

確実におじさん、しかしステージに立つ輪郭は過去も現在も圧倒的リアムギャラガーであり、唯一無二の存在感を放っていることに変わりはない。
おじさんのロックンロールがカッコいいという感覚。
私が歳をとったせいだろうか、それも大いに関係あるだろう。

若い頃は周りに音楽好きも多く、何となく一通り色んな音楽を聞いて、時に体をユラつかせたり、ソワソワしたり、ブンブンしたりしてみたけど結局のところ私は〝サビがあって〟、〝歌える音楽〟が好きなんだ。
どこか演歌っぽい、歌い上げるような要素の混じるロックが好きだ。

音楽を聞いて、なーんかいい感じになるなーとか、ノれるとか、熱くなるとか感傷的になったりすることはあったけど、「何だかわからないけど明るい気持ちになる」というシンプル且つ明朗な感覚になったのは、もしかしたら初めての経験かもしれない。
特にオアシス曲と現在のリアムの声の掛け合わせは気持ちよく乾いており、アップテンポの曲とかじゃなくても何だかんだ最後明るい気持ちになれる。ノエル、ありがとう。
私にとってリアム・ギャラガーは、過去の思い出大物ロックスターではなく、現在進行形で気になるアーティストだ。

(続く)

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