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映画:感想『劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>』(※ネタバレあり)

※この感想はネタバレを含みますので、ネタバレが嫌な方はお読みにならないでください。


小学生のころ、夕方の日テレの帯アニメ時間帯は欠かさず観ていた。
私のオタク気質はそこに端を発すると言って間違いない、自分のベースとなる部分にあるもので、その中でも故郷的アニメは、ルパン三世と、このシティーハンターである。

ちなみに、今は、十分すぎるくらい歳をとったので「もっこり」「一発」が、何を指すのかはっきりスッキリ明確に十二分にわかっているが、当時の私には当然わからなかったので、一緒に観ていた親はハラハラしていたことだろう(笑)。

しかし、小学生時代は控えめな少女だったので、幸か不幸か(?)あっちこっちでもっこり発言したり、親に「もっこりって何?」など聞きまくって困らせるようなことはなかった…はずである。いや、一回聞いたことがあったかも…(笑)。

さて、閑話休題。本題に移ります。

映画化が発表になってから向こう、それはそれは公開が楽しみだった。主要CVが当時演じられていた皆さんがそのままされるということも歓迎だったし、世の中が、シティーハンターという名作を知り、思い出し、盛り上がること自体がそれはそれは嬉しかった。

さまざまな時代的な背景等で、いつの頃からか再放送がなくなり、獠ちゃん達に会えるのは、カラオケのアニメ映像だけになっていた。
まさか大人になって、新宿という街にも、映画館にも1人で行けるようになってから、獠ちゃんと再会できるなんて…。

とにかく新鮮な気持ちで見たくて、なるべくSNSやレビューなどを意識的に避けて、前知識を入れずに、観に行きました。

なお、個人的都合でやっと今日行ったのですが、近隣の劇場がたまたま4DXやってたのでそれで観ちゃいました…が、4DXだと、ストーリーとかセリフに集中しきれないので( 揺れるから(笑))、これから初めていく人は、1回目は座席が揺れないタイプの見方をした方が良いと思います(笑)。

まずは映像の話。
最初に1つ思ったのは、呆れた時とかの表現で、背後にトンボやカラスが飛ぶアレ。これだけは、あれ?さすがに表現古いかしら…と思ったのだが、シティーハンターの持ち味の1つだし、じゃあ他の表現あるかと言われると、何をしてもシティーハンターらしくなくなるし、最終的には「アンティーク表現」という形で腹落ちさせることに成功しました。
笑点やサザエさん的な表現というか、ドリフのカミナリ様の最後の高木ブーさんの落ち部分というか。その作品の要素として定番、ベタ、安定感、大切なもの…とだんだん表現が大げさになるが(笑)、ともかく、シティーハンターの中ではあの表現じゃないとダメだな、うん、というところ。そしてそれも含めてもう懐かしさでジーンとしちゃう。

キャラデザインは、時代にも合わせてスタイリッシュな感じに起こされていて、まあ、今の時代にバブル感あるのは流石に合わないし…というわけで、作中、時たま引き絵でキャラが雑(省略ではなく雑)になる感じの部分もちょいちょいあったけども、全体として格好良くまとめられててよかったです。そもそも北条さんのハートボイルドタッチの絵はとても好きなので、TVシリーズよりも原作寄りな感じがあったこともとても歓迎。
来生三姉妹の怪盗スーツも、原作とアニメ版ではちょっと違いますが、アニメ版よりも原作寄りなことも良かった。少し瞳の顔に違和感がなくもなかったのですが、いやいやそれよりも来生三姉妹が、大好きな瞳姉にまた会えたことが、もう…。cat's-eyeファンとしても非常に嬉しかった。

次に音楽の話。
いやーーーー、劇中歌が歴代テーマソングなんて聞いてませんよ奥さん!往年のファンほいほい(多分アラフォーあたりはホームランかと)っすよあれは!なんてニクい演出!まんまとiTunesでDLしちゃいましたよ!今、聴きながらこれ書いてますよ!(笑)
テーマソングがGET WILDということだけでも、そもそも嬉しかったのに…!てっちゃんの数少ないボーカル曲「RUNNING TO HORIZON」がかかった瞬間の、ハッとした私をお見せしたかった(笑)。あぁ…日本の音楽界に小室さんを返してくれ…世が世なら、この映画の音楽スタッフに小室さんが入っていても良かったはず…沢山のTMNetworkや小室さんの曲が入ったこの映画は、日本の音楽界が大切な財産である小室さんを失ったことに改めて気付かされる気もした。これはあくまでTMファンとしての個人的見解ですが。

そしてそして!ED曲がGET WILDということだけは知っていたが…そういえば映画って大体ED曲が2曲流れるけど、EDロールの長さ的にGET WILDの尺だけじゃ足りないけど、この後何が流れるんだ…?と思っていた私の涙腺を全力でぶっ叩きに来た「STILL LOVE HER(失われた風景)」。わわわわわーーーー!!!
私が、シティーハンターシリーズの中でも、TMの曲でも最も好きな、なんなら人生で最も大切な曲の一曲が…またシティーハンターのEDとして聴けるなんて…なんて幸せ。なんて耳福。EDに関わった構成スタッフさんは天才っすか?!こんなにもファン心を鷲掴みにしてくるとか…。

シティーハンター独特の、アニメ終わりからGET WILDのイントロシンセがINしてくる感じも懐かしいし大好きだし、「STILL LOVE HER(失われた風景)」流れるし、そして、GET WILDもSTILL LOVE HERも、当時のED映像をオマージュした現代風だけど懐かしみのある映像と、TVシリーズの名シーンダイジェストと…なんだこれ幸せか!EDもう一回見せて!という素晴らしい構成。

最後はストーリーの話。
…と言っても、ストーリー内容の評価のような話をするつもりはないんですよ。だってちゃんとシティーハンターだったもの。とても満足。もっこりパートもアクションも、めっちゃ現代テイストになってもちゃんとシティーハンターだった。見慣れた新宿が気持ち良いほどぶっ壊されていくのも(笑)、今、大人になって、新宿歌舞伎町の街の風景を知っていると楽しく観れた。

私がしたい話は、獠と香の、あの2人の空気感の話ですよ。

いやー…私、あの空気感が昔から、本当に憧れで。
獠は、香の扱いだけが他の女性と違う。もっこらない。
最初の最初は、相棒槇村から託された忘れ形見の妹、から始まっているけれども、そこから先、信頼が深まっていって、の今作くらいの関係性。もっと進んで〜エンジェルハートに繋がっていくところまで行ってしまうとやっぱりちょっと私としては違ってて…ちょっと踏み込みすぎ感を感じちゃう。
一番好きなのは、パンフレットに北条先生も書いていらっしゃったが、獠は自分の気持ちに気付きながらも戸惑っているような、ヤキモチなのか違うのかも微妙なライン。香は、父のように兄のように慕いながら、相棒として信頼しながら、それが恋とか愛とかに紙一重以上に寄ってきている感じ。

うわー、もう、萌え萌えっす。その感じ、萌えまくりっす。(笑)

そして最後の最後のセリフ。
ウェディングドレスの香を見ても「いつもと同じ」としか言わない獠に香はむくれますが、…みんな獠ちゃんの気持ちわかってるよ!もうもうこのこの!という気持ちがちゃんと最後にちゃんと昇華される。

綺麗なのも、大切なのも、いつも変わらない。だからいつもと同じ。

ダメだキュン死ぬ。もうだめだ…。
ただね、一度しか見てなのと、座席が揺れるのと(笑)、期待通りのセリフがきてキュン死んでたお陰で、正しいセリフとして記憶してないことが悔やまれます。ここをなんと言ったのか一言一句ちゃんと確認するためにもう一度観たい…。

香への想いを言葉や形にしないし、したら獠らしくないとも思うんだけど、でも時たま、ちゃんと、ぽろっと言ったり想ったりしてる、そんな獠が本当に好きなんですよね。TVシリーズがやっていた頃は、本当に理想と憧れだった。その気持ちをそれはそれは思い出しました。やっぱ獠ちゃん、サイコーだわ!

そして映画の最後に「復活」する伝言板。今や都会の駅ではほぼ消滅していますが、シティーハンターの世界の新宿駅には復活した…ということは、これは、劇場版2もしくはTVシリーズを期待していいんですよね…ですよね?!

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