脳震盪について整理

2022/09/26
2022/10/02🔄

脳震盪について整理したいと思い、以下ツラツラーっと書いてみました

きっかけは2022/9/24(土)のJ2リーグ、横浜FCvs Vファーレン長崎での横浜FCのゴールキーパーのブローダーセン選手の怪我から脳震盪について再整理してみました。
動画は
↓↓↓↓



脳振盪は、頭同士や肘や膝が頭とぶつかった時に起こるだけでなく、直接頭部を打たなくても、体への強い刺激によって脳が強く揺すられることによって生じる事がある

そういった現場に立ち会った際に、どう行動していくのが良いか、時系列で整理したいと思います


★1つ目の行動
頭部打撲した時に
「ただの頭部打撲なのか」or「脳震盪なのか」
を判断するには、以下の「3つの確認」を行う
以下の事が起こる時には脳震盪の疑いあるので、プレーを中止させる
声をかけた際、「大丈夫です」「やれます」という本人の返事だけでプレーを続行するのは危険

① 自覚症状の確認
呼びかけに応答出来ない
頭痛、めまい、耳鳴り、吐き気などがある
② 記憶や現状認識の確認
今日の日付、場所、何の試合、対戦相手、スコアを回答出来ない
③ バランスの確認
利き足を前にし、踵に他方の足のつま先が付くように一直線に立つ(直列立ち)
目を閉じて、両手を腰に当てて20秒間立たせ、目が開く、手が腰から離れる、よろける、倒れるなど頻繁に起こるかCHECK
※合計6回以上起これば異常と判断する

※上記の3つの確認を文面にまとめたものが、簡易的な脳振盪診断ツールと言われている「ポケットSCAT2」
↓↓↓↓
 PDFhttps://www.rugby-japan.jp>about>safe>guideline>Pocket_SCAT2ポケット

※ポケットSCAT2とSCAT5の使い分け
事故直後など、グランドレベルでの評価には簡便に評価する、できることが、その後の対応に迅速に繋げるためにも大事、その意味からも「ポケットSCAT2」を使用し、脳震盪の詳細な評価として「SCAT5」を用いる。
SCAT5はシーズン前に事前に行っておけば、実際起きた際に、ベースラインと比較出来、より詳細に変化を見ることが出来る

SCAT5↓↓↓↓
https://www.jfa.jp/football_family/pdf/medical/b08_02.pdf


★2つ目の行動
意識がなかったり、かなり強度の脳振盪であると判断された場合は、まずは頭部を手で固定し、頭頸部をねじったり、動かさないようにする
担架(orバックボード)に乗せたあとは、ヘッドイモビライザー(頭部固定具)で固定する
※日本サッカー協会では、熟練している方による処置を除いては、頸椎カラーの使用は推奨していません。
理由↓↓↓↓
医学的エビデンス:頸椎カラー使用の功罪について、一般社団法人日本蘇生協議会(JRC)ガイドライン 2015で述べており、頸椎カラーの使用によって合併症がかえって増加するという科学的なエビデンスが増えつつ ある。頸椎カラーを装着しようとする間の首の動きによって起こる二次的損傷の可能性を懸念し、ファーストエイドプロバイダーは頸椎カラーを使用しないことを提案する

また、意識があり頭痛や吐き気などがある場合は専門医(脳外科)に受診し、CTやMRIを撮り、微小な出血がないか確認する事が安心
もし、頭痛も吐き気もなくても、以下の事項は必ず選出だけでなく、近くにいる同居人に伝える
* 当日はプレー復帰禁止(身体の安静)
* 受傷した選手を一人にせず、必ず誰かが付き添いをする
* 24時間程度は急変する事もある為、その時は救急でも受診する事
* 自転車や自動車などの運転は禁止する
* インターネットやスマホ画面の閲覧、パソコン作業なども禁止、勉強もやめた方が良い(精神の安静と脳を過剰に刺激しない)

★3つ目の行動
症状が残ったまま競技復帰した場合、再度脳振盪を起こすリスクが上昇する
受傷後24〜48時間の安静状態(身体的安静と精神的安静)を保ち、症状が消失すれば、復帰プログラムに沿って段階的に活動度をあげ、約1週間のプロセスを経て競技復帰が許可する

JFAホームページより引用させていただきました





「スポーツ現場で起こる頭部外傷にどのように対応すればよいか」
について書かれた小冊子
2015年3月31日 日本臨床スポーツ医学会 学術委員会 脳神経外科部会
より刊行されていて、とても分かりやすいです

↓↓↓↓

https://concussionjapan.jimdofree.com
日本臨床スポーツ医学会「頭部外傷10か条の提言(第2版)」

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