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CADとCG

おはようございます、こんにちわ、こんばんわ

以前、こちらの記事で3D-CADのお話をしました。

その中で簡単に触れたCGについて、もう少し掘り下げると共に、CADとCGの違いなんかも簡単にまとめていきたいと思います。

【おさらい】CADソフトについて

CAD(computer-aided design)は、コンピュータを用いて設計をすること、あるいはコンピュータによる設計支援ツールのことを指します(CADソフト)。また、CADをコンピューターによる製図支援ツールとして解釈する場合もあります(computer-assisted/aided drafting)。

今回のお話では『設計支援ツール』としてのCADとしてお話を進めていきます。

CADの場合、数値制御によってモデリングを進めていく為、簡単な立方体を作る場合も基本的には寸法を入力して作ります。その為、出来上がる3Dモデルは実際に製作する製品等と同じサイズとなります。そのため、業種によって扱うモデルの大きさは異なります。機械系の場合だと大型工作機の筐体カバーであれば1000mm(1m)サイズがありますが、ほとんどが300mm以下、場合によっては10mm以下の微細な部品の設計も行います。
建築や土木関連の場合、建材のサイズは1mを超えるものが多い為、扱うモデルのサイズも必然的に大きくなります。

CADではモデリングで使用するモデル形式はソリッドモデルと言われる内部が詰まった状態のデータを使用します。ミッドレンジの一部やハイエンドではサーフェスモデルと言われる面情報だけのハリボテのデータも扱うことができますが、基本はソリッドモデルでモデリングを行います。
CADで作ったモデルデータは、解析や加工パス用のデータへ変換が出来る為、ものづくりを行う場合はCADデータが必要となります。

CADではデータ内でモデルの色分けは可能ですが、CGの様に質感を持たせた表現は基本的に出来ない為、CADで作ったデータを変換し、レンダリングソフトへ読み込んで質感の表現は行われます。

CADでのモデリングは図面(2D)から立体(3D)を作る。もしくは過去に作った元データを加工して作るということが多いです。
完全に0からモデリングを行う場合でも、簡単にイメージスケッチを作成し、その時点で大まかな寸法も決める必要があり、(なんとなくこんな感じで)というのがCADでは難しいです。

CGソフトについて

CG(computer graphics)はコンピュータの演算によって3次元空間の仮想的な立体物を2次元である平面上の情報に変換することで、奥行き感(立体感)のある画像や映像を作る手法です。3DCGと表記されることも多いです。20世紀末からの急速なコンピュータ技術の発展と性能向上によって、従来なら大企業や規模の大きい研究所でしか製作・再生が難しかった高精細で高品質な3DCGが一般家庭で購入できるPCやゲーム機、スマートフォンでも可能になりました。

モデリングでは基本がサーフェスモデルとなっており、ハリボテに上から画像を張り付けることで色味や質感を表現するため、CGデータをそのままモノづくり用のデータへ変換することはできません。

CGでのモデリングでも元となる図面やスケッチを元に立体を作っていくのはCADと同じですが、寸法は重要ではありません。その為、カタチのイメージさえあればサイズ感は度外視で作ることが出来ます。デザイン的なイメージをそのまま表現するならCGでのモデリングの方が向いている場合が多いです。

また、細かなディテールも画像を張り付けて誤魔化すことが出来る為、CADの様に製造することを前提にしたモデリングでは出来ない形状や滑らかな凹凸の表現が可能になっています。

そのため、CGソフトはモノづくりというよりもデザインや映像分野での利用が多く、見た目を重視したデータ作りに特化しています。

実際にCGソフトを触ってみて

CADのお話は前回の記事に任せるとして、今回は実際にCGソフトを触ってみての思いというか、感じたことをまとめたいと思います。

blenderという無料のCGソフトを今月に入ってから勉強を兼ねて触っています。それでは、その中で作った画像たちをご覧ください。

トランペット風
目覚まし時計
灯篭
ガラスコップ

モデリングの感覚としては、CADと比べてかなり直感的だと思いました。
CADでのモデリングだと大きな塊を削っていくか、部分ごとに作ってそれを組み立てる/くっ付ける感覚で進めますが、CGでのモデリングはキーとなる形を構成する点の位置を変えたり、面を分割して点を増やして形状を変えていくので、粘土をこねている感じで作っていく感覚でした。

まずは半月ほど触りましたが、モデリングの感覚は慣れました。
操作性がCADとは大きく違うので、最初は戸惑いましたが、基本となる「押出し」を上手く使うことで、欲しい形状に近づけていき、最後は表面を滑らかにすることで『ソレっぽさ』を出すことが出来るので、CADで作るよりも直感的でリアリティがあるなと思いました。

ただ、モデリングよりも画像として見せる為の処理の方が奥が深く、技量やセンスが問われると感じました。
最後に出しているガラスコップの画像もモデリング自体は15分もかかりませんでしたが、ガラスの質感を表現したり、背景の映り込みを考えてレイアウトを考えたり、ライトの当て方を工夫したりという部分が何倍も時間がかかりました。現物ではないところの難しさがそこにはあるように感じました。データをデータとして見せるなら簡単ですが、データを『本物の様に見せる』には光の当たり方や周囲の映り込み等をしっかり考える必要があり、そのあたりの技術は一朝一夕では身に付かないと思いました。だからこそ面白みもありますし、楽しさに繋がる部分だなと思います。

今後も何となく作った画像とかnoteやツイッターでお見せできたらいいなと思います。

今回は短いですが、この辺りで終わりたいと思います。
最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。


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