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カーコーティングってなんの為?

おはようございます、こんにちわ、こんばんわ

前回のラストで予告した通り、今回はカーコーティングについてお話したいと思います。

私の歴代愛車は基本的に「KeePer」さんのコーティングを施行しています。
現愛車のスイスポとロードスターには「クリスタルキーパー」、インテグラには「ピュアキーパー」を施行していました。
320iは例外的にメーカー純正の「Innovection®」というコーティングを行っていました。
『カーコーティング』よく聞くけどって何のためにやるの?って方もいらっしゃると思います。
また、昔はコーティングと言えば「撥水コート」でしたが、「親水コート」や「疎水コート」なども増え、何がどうイイの?という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのあたりもまとめていきたいと思います。

コーティングしないとどうなるの?

コーティングの種類なんかのお話の前に、コーティングをしないとどういうことが起こるのかをご紹介しましょう。

自動車は地金(鉄板)を守るため、錆止めとして塗装を施してあります。

単色(ソリッド)塗装の例

ボディカラーによっては更に、パール、クリアの層が塗装面の上に乗る場合もあります。車の使用環境は野外ですので、紫外線、花粉、鉄粉、鳥の糞、水垢などの影響でこの塗装面は経年劣化していきます。

劣化した塗装面

塗装面が劣化すると見た目だけではなく、地金との接着が弱くなって剥がれてしまう場合もあります。そうすると地金がむき出しになってしまい、腐食(錆など)が進行してしまいます。こういった腐食が進行すると最終的にはこうなります。

腐食が進行して穴の開いたボンネット

綺麗な状態で車に乗り続けるには「塗装面を保護する」ことが重要です。

では、どうすれば「塗装面を保護できる」でしょうか?
ココで登場するのがコーティングです。

コーティングの意味

塗装面の上からコーティング層を重ねることで、塗装面へ直接ダメージを与えない様に保護するのがコーティングの役割です。

コーティング施行後の一例

このように塗装面の上にコーティング被膜を形成することで、紫外線、花粉、鉄粉、鳥の糞、水垢などを直接塗装面に触れない様にして、塗装面を保護しています。

加えて、施行するコーティングの種類によっては、深い艶が得られたり、高い撥水性があったり、小傷が自己修復する効果があったり、各商品で特色があります。

コーティングの種類

コーティングにも種類がありますが、どのコーティングも
・車をキレイにしたい
・美しい状態を手軽に長時間維持したい
・汚れや傷から車を保護したい
・洗車の回数を減らしたい
といったオーナーの声を汲んで進化してきました。

現在は主に5種類のコーティングがあります。
油脂系コーティング
樹脂系コーティング
ガラス系コーティング
ガラスコーティング
セラミックコーティング

ここからはそれぞれを簡単にご紹介していきます。

油脂系コーティング

油脂系コーティングとは、いわゆるワックスのことです。
「固形」、「半練り」、「スプレー」という3種類がありますが、どのタイプもオーナー自身でDIY施行が可能です。また、淡色専用、濃色専用といった形で、ボディカラーに合わせた商品があります。

こちらが「固形」タイプです。今の40代オーバーの方には洗車後にワックスを塗るまでがセットという方もいらっしゃったと思います。ワックス自体が硬いので、施行しづらいという面があるので、時間と体力が必要ですが、ヌメッと濡れているような深い艶が出るので今でも固形ワックスを支持する方が一定数います。
固形ワックスには研磨剤を含まないモノが多いので、黒や濃紺などの色の濃い車にも小傷をつける心配が無く、安心して使用することが出来ます。価格帯としては安価ですが、施行の難しさに加え、熱に弱い点、汚れが付着しやすい点、効果の持続期間が2週間~1か月程度という面もあるので、こまめに洗車できる環境にある方に向いているかもしれません。

『艶出し+塗り易さ+拭き取り易さ+耐久性』を持っているのが「半練り」タイプのワックスです。このタイプは研磨剤を含んでいる商品もあり、塗装面の汚れや浅い小傷を消すことも出来ます。その反面、塗装面を薄く削っているので、使用頻度や施工時の力加減は注意が必要です。
効果の持続期間については「4か月耐久!」を謳った商品もあるなど、固形に比べると耐久性があります。

艶や撥水性は固形や半練りと比べると劣るものもありますが、『洗車後の濡れたボディ面に吹き付けて拭き上げと同時に施工できる』といった手軽さは他のワックスでは出来ないので、手軽さでは「スプレー」タイプのワックスが一番と思います。耐久性は基本的に低く作られていますが、『代謝型コーティング』というニュアンスを取っており、あえて一定期間で流れ落ちることで水ジミ(水垢)の固着予防を狙ったワックスです。

樹脂系コーティング

ワックスよりも耐久性のあるコーティングとして樹脂系コーティングが登場しました。原料はシリコン・フッ素・テフロンなどのポリマー(重合体)なので、ポリマーコーティングとも呼ばれています。ワックスと同じくオーナーのDIY施行が可能です。コーティングの持続性は3か月~半年となっていますが、熱や紫外線、摩擦に弱いので、天候や駐車環境によっては持続期間が大きく異なります。効果を持続させたい場合はコーティング面のメンテナンスとして、専用のトリートメントを使用する必要があります。

コーティングで有名なKeePerさんにも「ピュアキーパー」というポリマーコーティングのメニューがあります。こちらのコーティングの耐久性は約3か月となっています。ポリマーコーティングの特徴として何度も繰り返し施行することでポリマーコートの層を重ねる(厚くなる)ので、施行する毎に艶や水はじきが蘇り、汚れが定着しにくいボディ面になります。

ガラス系コーティング

ガラス系コーティングとは、原料のポリマーに加えてガラス成分(ガラス繊維)が含まれたコーティングです。このガラス成分が一定の耐久性を持っている為、ワックスや樹脂系コーティングよりも効果の持続性が高いです。
オーナー自身のDIY施行が可能な製品もありますが、耐久性の高いガラス系コーティングはDIY施行が難しい場合もあります。コーティング専門店にもガラス系コーティングのメニューがあり、こちらは一般的に半年~1年程耐久があるものが多いですが、主成分はポリマーなので、熱や紫外線、摩擦などに弱いのはポリマーコーティングと同じ為、費用対効果としてはあまり期待できない場合もあります。

そんなガラス系コーティングですが、私が使っているシュアラスターのコーティング剤は比較的手軽で、施行ムラの心配も少ないガラス系コーティングを謳っている商品です。私はゼロドロップという高撥水タイプのものを使用しています。スプレータイプとなっており、耐久性は約2か月と短めですが、私の様に月1は洗車をする人間には、洗車後の濡れた車体に吹きかけて拭き上げと同時に施工が出来る手軽さが良く、前愛車(320i)の時から使用しています。

ガラスコーティング

上記のガラス“系”コーティングとガラスコーティングの違いに明確な定義は無いそうです。ただ、ガラス成分の含有率や表面が完全硬化するかどうかなどで定義されていることが多く、わずかでもガラス成分が入っていれば「ガラス系コーティング」を名乗れるのに対して、ガラス成分の含有量が多く、塗装面の上に硬化したガラス(2酸化ケイ素)被膜を作ることで艶やかに塗装面を保護するコーティングを「ガラスコーティング」と呼びます。
ガラスコーティングの主な役割はガラス特有の艶感や新車以上の光沢を与え、汚れによるダメージを防ぎ、塗装面のコンディションを良好に保つことで美しさを保つことができます。また、汚れにくいことで洗車を楽にしたり、時間短縮を図ることができます。補助的な効果として、キズの予防であったり、ポリマー系と比較して耐紫外線効果が高いです。
ガラスコーティングはオーナー自身のDIY施行は難しいので、専門店へ施行を依頼するケースがほとんどです。施工店や使用する溶剤によっても耐久年数が異なり、1年~3年、長いものでは10年保障期間を設定しているショップもあります。

KeePerさんでは主力がガラスコーティングのメニューとなっており、その中で一番手頃なものがクリスタルキーパーです。クリスタルキーパーでは洗車機洗車だけでも、1年間透明感のある艶や強い水弾きを発揮することを謳った商品です。クリスタルキーパーでは年1回の施行でポリマーコートの様にガラス被膜が厚くなり、艶や水はじきの効果が持続するだけでなく、塗装面の保護効果が増して、車の価値を保つことが出来ます。この他、高密度ガラス被膜で耐久年数が3年~のダイヤモンドキーパー、ガラス被膜を2層にしたWダイヤモンドキーパー、新車を超える艶で6年耐久を謳うEXキーパーがあります。
Keeperさん以外にもガラスコーティングを行っているショップが多数ありますので、ご興味があればお近くのコーティング専門店を調べてみてください。

セラミックコーティング

ガラスコーティングよりも更に硬い被膜と耐熱性、耐久性を実現し、高級車ユーザーを中心に最近注目されているのがセラミックコーティングです。
セラミックは非常に頑丈で耐熱性のある素材で、フライパンや包丁などでも使われていま。最近ではスポーツカーや高級車の一部モデルでも耐熱性の高さから”セラミックカーボンブレーキ”を採用しています。
セラミックコーティングの特徴は最大でガラスコーティングの48倍以上の被膜の厚みを有し、コーティング効果の持続性が高く、耐久性、耐紫外線性能、耐薬品性、擦り傷への耐性など、ガラスコーティングの上位互換ともいえる性能を有したコーティングです。

国内ではセラミックコーティングを施行できるショップは少ないそうですが、セラミックプロ(Ceramic Pro)というコーティング剤を使用したプロショップ。正直、私もセラミックコーティングの存在を今回の記事を書く中で知ったので、私自身も今後勉強したいと思います。

結局どれがいいの論

今ご紹介した5種類のコーティングですが、結局どれがいいの?言われると『目指す車の状態とご予算』とご相談になると思います。
DIY施行が可能な油脂系(ワックス)や樹脂系(ポリマー)、最近はガラス系コーティングの一部は、御自身でやればかかる費用としてはコーティング剤と専用クロスの購入費だけなので比較的安価に施行ができます。しかし、耐久性は2週間~、長くても半年と短いものが多いので、こまめに繰り返し施行する必要があります。また、DIYなので、仕上がりもご自身の腕次第となります。
ガラスコーティングやセラミックコーティングはDIY施行は難しく、施工を専門業者に依頼するため費用は高額になりますが、年単位の耐久性を持ち、DIYでは出来ない仕上がりになります。汚れが付きづらく、洗車の頻度も下がりますし、日ごろのお手入れは水洗い洗車だけで良いといった手軽さがあります。
人によって良いと思うことは違うので、『自分で手軽に出来る』のが良いか、『日頃の洗車が楽になる』のが良いのかなど、その人の求めるレベルで選ぶと良いと思います。

「撥水」、「親水」、「疎水」って何?

先ほどから『水弾き』という形で紹介していますが、コーティングの意味にある「汚れを付着しにくくする」という点で、水や汚れをはじく性質の違いが「撥水」、「親水」、「疎水」という3つがあります。

各コーティングの違い

撥水コーティング

撥水コーティングを行った場合、コーティング面で水滴が球状になり、表面を転がるようになります。洗車した際や雨粒がそのままボディ上を転がって落ちていくので『コーティングしてる!』感が強いです。また、洗車時の汚れ落ちが良かったり、光沢感が一番あるといったメリットもあります。
デメリットは水を弾きますが、球状の水滴が残留しやすいです。また、残った水滴に直射日光が当たると水滴がレンズの役割をはたしてウォータースポットが付着しやすかったり、他の2つに比べてシミが付着しやすいといった面もあります。

疎水コーティング

疎水コーティングは撥水と親水の中間的な水弾きをします。雨粒が当たった際、撥水だと細かな雨粒のまま流れ落ちるのに対し、疎水は小さな雨粒が大きな塊になって流れ落ちていきます。撥水と比べてウォータースポットなどのシミが付着しづらいですが、小雨ぐらいの雨では水滴が残留してしまうため、撥水同様にシミの原因となります。

親水コーティング

親水コーティングの特徴は水玉ができないことです。なので、水が塗装面に広がって見える為、パッと見はコーティングしてないように見えます。しかし、広がった水がしっかりと流れ落ちていくのでウォータースポットなどのシミが付きにくいです。また、雨が降ると塗装面に広がって流れていくので、汚れが落ちやすく、洗車頻度が下げられることもメリットです。
デメリットは水を弾かないのでコーティングしている実感が薄いという点です。

ココでも登場する結局どれがいいの論

「撥水」、「疎水」、「親水」の違いを見て、じゃあどれがいいの?となりますが、これについてもオーナーの好みなります。
一般的には「親水」タイプは雨と一緒に汚れが落ちるので洗車頻度が低い青空駐車の方にオススメされます。「疎水」タイプはある程度の水弾きがあるので、月に複数回洗車を行う青空駐車の方や月に1回洗車するぐらいの屋内駐車の方にオススメされます。屋内駐車で月に複数回洗車をする方は「撥水」がオススメとされます。
が、そんな私は青空駐車で月に複数回洗車するので上記からいくと「疎水」タイプがオススメとなりますが、強い水弾きと光沢・艶感が好みなので、高撥水タイプのコーティングを行っています。
結局はオーナーの好みや御自身の洗車頻度に合わせて選ぶと良いと思います。

コーティングの重ね施行って意味あるの?

ここまで、コーティングの種類についてご紹介してきました。
『塗装面を保護することが大切』で『コーティング被膜が厚い方が良い』となると、複数のコーティングを重ねたらより効果があるのでは?と思う方もいらっしゃると思います。
確かに重ねることでコーティング被膜を厚くして、塗装面の保護を行うことは効果的です。が、やり方を間違うと思った効果を得られない場合もありますので、注意が必要です。

NGな重ね塗り

NGとなってしまうのは『油脂系コーティング(ワックス)とその他コーティングを併用する重ね塗り』です。
油脂系コーティングと言われるワックスですが、主成分は油です。基本的にワックス以外のコーティングには、油分は相性が悪いです。その為、ワックスの上からコーティングは出来ません。逆にコーティングの上からワックスを塗るとコーティングの効果が薄まってしまう可能性もあります。
その他には完全硬化するタイプのコーティングを完全硬化する前に重ね塗りしてしまうパターンもNGな重ね塗りです。完全硬化前に重ねてしまうと硬化にムラが出来てしまったり、重ね塗りしたコーティング剤が定着しないといった可能性があるので、ガラスコートの重ね塗りは注意が必要です。

OKな重ね塗り

重ね塗りすることで効果が上がるのは『同じコーティングを重ね塗りする事』です。ポリマーコーティングでご紹介した「ピュアキーパー」は3か月毎の施工で、ポリマー層が厚くなってより強固なコーティング被膜になります。また、ガラスコーティングも重ね塗りすることでガラス被膜を厚くすることが出来ます。ただし、”1回目に塗ったガラスコーティングが完全硬化していること”が大前提となります。

個人的な疑問

重ね塗りに関して、『ワックスとコーティングを併用してはいけない』、『重ねるなら同じ種類のコーティング』ということを知ったうえで、ガラスコートの上にポリマーコートをしたらどうなるんだ?という疑問が湧きました。
KeePerさんのQ&Aをみると「しても意味ないよ」と言う感じで書いてありました。
ここからは私の個人的な見解ですが、私はKeePerさんの『クリスタルキーパー』の上からシェアラスターさんの『ゼロドロップ』を施行していますが、塗装面の保護という観点から行くと、”おそらく”多少の効果はあると思います。クリスタルキーパーの施行イメージは塗装面の上にガラス被膜を乗せ、その上からレジン被膜を乗せるという2層のコーティングになっています。その上からゼロドロップのコーティングが乗るので、塗装面まで3層の保護被膜があると考えれば、ある程度の効果は得られると思っています。
ただし、水弾きの観点で見るとクリスタルキーパーの撥水効果をゼロドロップで上書きしているので、本来のクリスタルキーパーの撥水効果は無くなっている可能性はあります。実際、月1の施行をしていますが、水弾きはクリスタルキーパー施行直後に比べてかなり落ちました。ゼロドロップ施行しても2週間ぐらいで疎水かな?ぐらいの水弾きになっています。一度、ミネラルオフ洗車をしてポリマー成分含め綺麗に洗い流してから、改めてレジン被膜を乗せた方が撥水は効果出る様な気はしていますが、しばらくは様子見しようかなと思います。

塗装面を保護する方法

塗装面を保護することで、見た目を綺麗に保ち、車の価値を下げないようにできますよということで、コーティングについてご紹介してきました。

コーティング以外の『塗装面を保護する方法』もあります。
皆さん、スマホの画面を保護するために何をしてますか?
おそらく多くの方が保護フィルムを貼っていらっしゃると思います。
車も同様に保護フィルムが存在します。
それが「プロティションフィルム」と呼ばれる車用の保護フィルムです。

過去、ボディーカラーを変更するには元々の塗装を落として、新たに塗装するしかありませんでした。ですが、最近は車の色を変える為に塗装をするのではなく、カラーフィルムを貼る「ラッピング」という手法が定着しつつあります。ラッピングではベースの色を変えることなく、好きな色に変更出来きます。そんなラッピングの一種として車体表面に透明なフィルムを貼ることで、飛び石や汚れからボディを保護する「プロティションフィルム」という手法が広まっています。

終わりに

今回はカーコーティングって何のためにするの?というお話をまとめてみました。
車を買うときに手放す時のことまで考える人は少ないかもしれません。
ですが、安い買い物ではないので、売れるなら高く売って次の車の購入資金の足しにしたいですよね?
車の価値を下げないためには、見た目も大事!ということで、塗装面を保護して車の価値を保つためにもカーコーティングするという選択もありますよというご紹介でした。
最後に紹介したラッピングやプロティションフィルムについては、次回以降の記事でまとめたいと思いますので、お楽しみに!
それでは、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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