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スズキ スイフトスポーツZC33Sを1年所有してみて

おはようございます、こんにちわ、こんばんわ
お久しぶりです、私です。

今回はタイトル通り、昨年2月に私の手元に来た「スズキ スイフトスポーツ ZC33S」を1年所有してみて感じた事をレポートしていきたいと思います。

購入して4か月ぐらいのときに、スイフトスポーツ ZC33Sの紹介とレビューとして、こちらの記事も投稿しているので、よかったら合わせてご覧ください。

ぶっちゃけ乗ってみてどうなの?

いきなり結論から行きますが、

めっちゃ楽しいですよ

スイスポのいいところ

・純正でもスポーツしてる!って感じさせるエクステリア
・車両価格を考えれば十分なインテリア
・十分なホールド性を備えた純正フロントシート
・3ナンバー化はしたけど、手の内に収まるボディサイズ
・低回転からレスポンス良く反応するターボユニット
・踏み切れるパワーとトルク
・大人4人が普通に座れる車内空間
・4人乗車でも犠牲にならないラゲッジスペース
・アフターパーツの充実

この他にも、うまく言語化できない部分もあるので、上記はスイフトスポーツという車の魅力の一部でしかありません。

乗る前と乗った後の印象

正直、乗るまでは「スイスポは5ナンバー枠でFFスポーツの入門車」という印象が先行し、(コンパクトカーのスポーツ風でしょ?)と思っている節がありました。

ですが、実際乗ってみて思ったのは、
「和製ホットハッチの名に偽りなし!」
という、十分スポーツできる車だったんだなと驚かされました。

なので、「めっちゃ楽しいから乗ってみて?乗ったら分かるから!」というのが一つの結論です。

大きなメリット「価格が安い」

昨今は自動車の高性能化が著しく、カメラやセンサーなどの先進安全装備が増えたことで、車両価格がどんどん上がっています。軽自動車ですら、快適装備系を充実させると軽く250万を超えてくるような世の中になっています。そんな時代でも、200万円そこそこでスポーツMTに乗れるという価格設定はとても大きな魅力でしょう。

実際、ZC33Sの新車販売価格は先進安全装備やACCが使える標準装備となった通常パッケージはMTなら202万円~、ATなら209万円~。
更に車両の前後左右を上から見たような映像を見ることが出来る全方位カメラ付きパッケージは6MTなら207万円~、ATなら215万円~でランアップされています。
加えて、上記の安全装備や快適装備を付けないスズキセーフティサポート非装着車は6MTなら185万円~、6ATなら195万円~と200万円を切る価格で設定されています。

インテリアを見ると価格相応な部分はたくさんあります。その分、車両の運動性能や動力性能にコストを割いてる「走りにこだわった車」と思えば、納得できる仕上がりになっています。

欧州車はどんどん電動化を進めていくと宣言し、国内メーカーもEV化待ったなしとなっている昨今、ピュアなエンジン車を新車で買えるのはもう数年しかないでしょう。今のうちに楽しむにも、この価格ならセカンドカーとして持ってもいいなと思える方もいらっしゃるでしょうし、ファーストカーとして使う場合も実用性は高いので十分使うことが出来ます。

意外と維持費も安いのですよ?

もう少し、お金の話を付け加えます。
日本で新車を購入する際、諸経費として4種類の税金と自賠責保険の費用がかかります。
自動車税(年に1回、排気量に応じて課税)
自動車重量税(新車登録時と車検時に車重に応じて課税)
環境性能割(購入時に環境性能に応じて課税)
消費税(購入時に本体価格の10%を徴収)

消費税は説明不要でしょうからのこり3つを見ていきます。

毎年かかるのは自動車税(軽自動車税)です。
4月1日時点の所有者が支払います。
排気量に応じて、支払う税額が変わります。
ZC33Sは1.4Lなので、排気量1L超~1.5L以下に分類されるので、年間30,500円です。(尚、新車購入の時期によってその時払う額は変わります)

自動車重量税は購入時、車検時にかかる税金です。
新車であれば車両重量0.5トン毎に年間4100円で、車検証の有効期間分をまとめて支払います。(新車なら3年分、その後は2年分)
ZC33Sは約1tなので新車購入時は24,600円です。
(次回車検の際は16,400円です。)

2019年10月1日から『自動車取得税』に代わって導入されたのが環境性能割です。こちらは新車・中古車どちらでも車両を購入する際に支払います。
電気自動車・燃料電池車・クリーンディーゼル車は非課税ですが、それ以外の車には段階的な課税があります。
ZC33Sは495,00円です。

自賠責保険料は乗用車なら一律27,770円がかかるので、合計すると132,370円です。

同車格のスポーツのGRヤリスと比較すると
自動車税は、排気量1.5L超~2L以下の区分なので、39,500円
自動車重量税は、1.5tの区分なので、新車登録時は36,900円
環境性能割は、65,000円
自賠責保険料は27,770円
合計すると171,870円となります。
比較すると約4万円ほどZC33Sの方が初期費用が安く、毎年払う自動車税、車検毎に払う重量税もそれぞれ1万円ずつぐらい安く済みます。

維持費としてもう一つ見なければいけないのが実燃費ですよね。
実際、私の使用環境で説明すると、日々の買い物などの街乗りメインなため、ストップアンドゴーが多いとはいえ、平均13km/Lほど、燃費を気にして乗れば14km/hほど、高速で定速走行すると20km/Lは余裕で出ます。スポ車は燃費が悪い!と目くじらを立てて言うほどの数値では無いと思います。

みんな! スイスポはいいぞ!

いいことばっかりではない ネガな部分

とはいえ、手放しで誰にでもお勧めできる車ではないのは事実です。

乗り手を選ぶのはスポ車の宿命

クルマに何を求めるかというのは人それぞれ違います。
運転という行為を楽しみたい方、圧倒的な加速感や危うさすら感じるパワーに刺激を求める方、体の負担が少ない快適な移動を求める方、静かで上質な移動時間を求める方 etc.

新型スイスポをおすすめできる方は『運転を楽しみたい方』です。

これはMTだけの話ではなく、ATでも十分楽しめます。
むしろ、普段の移動にはATの方が圧倒的に快適ですし、長距離を乗られる方もATの方が良いとおもいます。ATにはステアリングにパドルシフトが装着されるので、それを使えば十分スポーツ走行を楽しめるのが今回のスイスポの魅力です。

加えて、おすすめ出来る方は『スポーツ走行を含む運転技術を学びたい方』ですね。

車自体が軽いので、動きも分かりやすいです。パワーも車重に対しては十分にあるので、フル加速すれば風つの車では味わえない危うい加速感も味わえます。ドライバーに対して、路面の情報や車の情報がしっかり伝わってくる車に仕上がっているため、クルマと対話しながら、どうやって操作すればストレス無く、スムーズにクルマを動かすことが出来るのか?という技術を学ぶことが出来ると思います。

価格の安さは質感の低さ?

上記の方々以外にはお勧めできない理由としては、"インテリアは価格相応"ということを書いたところに繋がります。
ダッシュボードやドアパネル、センターコンソールなど、樹脂パーツが目立ちます。便利な小物収納などのスペースはほぼありません。
フロントシートはドライバー側が優先されており、シートの高さ調整機構、シートヒーターは運転席のみ装着されています。
後部座席の座面クッションはそれなりに柔らかいですが、長時間乗車するには厳しいかなと思います。

今回の一番のネックはここかも

そして、何よりも「煩い」です。
エンジンの音やマフラーの音ではなく、ロードノイズがすごいです。
「スポ車乗ってるんだから当たり前じゃん」と思える方には耐えられる範囲とおもいますが、これまでの愛車遍歴が”そうじゃないクルマ”に乗ってきた方からすればかなりうるさいと思います。

というのも、今回のスイスポの売りの一つに「軽さ」があります。
今回のスイスポはMTなら970kg、ATでも990kgと、1tを切る車重によって、素直で軽快なハンドリングの味を出しています。
そのため、快適装備系の一部が簡素化されています。それは、防音材にも言えるので、最低限しか使っていないのでしょう。
タイヤハウス内はプラスチックのカバーのみ、リアのラゲッジスペース下はボディの鉄板むき出しになっているので、音がダイレクトに入ってきます。
なので、少しでも痛んでる路面やザラメ路面、砂利道などでは「ゴー」や「ガー」といった篭り系の騒音が目立ちます。オーディを再生していたとしても、ごまかせないぐらいの音量で入ってくるので、煩いです。
逆に言えば路面状態がドライバーにしっかり伝わります(笑)

しかし、これも販売価格を200万円に抑えるための致し方ない選択なのです。吸音材や防音材、防振材はアフターパーツでたくさん出ているので、気になる方はそういったデットニングパーツを購入してDIYしましょう。
仮に内装の樹脂パーツを外す際に破損させても、現行車種なので品番さえわかればディーラーで単品オーダーできます。みんカラなどの自動車系SNSも充実していますので、先駆者たちの足跡を見て自分で取捨選択しながらカスタムするのも楽しみと思える方には楽しいクルマですよ。

ちょっと物足りなく感じる部分

ネガとまでは言いませんが、所有して感じる残念な部分もいくつかあります。

レブリミットの位置

ZC33Sはターボ化されたことでNAだった先代のZC32Sよりもレブリミットが下がっています。(7200rpmから6000rpmに変更)

タコメーター上では6200rpmあたりにレッドゾーンが来ていますが、実際は5800rpmぐらいからスロットが絞られる制御が入っているため、6000rpmまでカッチリ回るという感じではありません。回らないのであれば5800rpmからレッドゾーンにしてあった方が心象的にも…と感じてしまいます。

ダウンサイジングターボの観点から、高回転は燃費が下がるのであまり使いたくないというのがメーカーの選択なので仕方ないですが、1速、2速の吹け上がりが早い分、すぐにレブに当たってしまうという方もいらっしゃるようです。
確かに、発進時にちょっと調子よくアクセルを踏むと、すぐにレブ付近まで吹けるので(おっと…)となることもあります。

とはいえ、最近はガソリンが高いので、燃費走行を心がけて乗っている分、発進のアクセルはかなりふんわりにしているのでそういった場面は減りました。低速トルクが十分あるので、1200rpmも回っていれば十分加速します。発進したらすぐに3,4,5とシフトアップし、街乗りの40kmぐらい巡行であっても6速固定で、多少ブレーキでシフトダウンしなくても十分加減速できます。

リアのドアノブ位置

ZC33Sの後部ドアのドアノブは窓ガラスの横にあります。

パッと見たときに2ドアハッチバックのように見せるデザイン要件と思いますが、使い勝手で考えるとちょっと微妙です。
ドアノブを引く動作を右手、左手どちらでやってもちょっと引っ掛かるような感じがあり、ノブの位置もやや高いので最初は戸惑います。

そして、ドアノブ後部窓の更に後ろに位置するので、運転席から振り返っての後方視界に死角が増えています。後部ドアの窓とリアハッチの窓の間にドアノブとCピラーが入るので後方視界はやや難ありと言えるでしょう。
車線変更や右左折時は意識的に後方の巻き込み確認をするようにしないと、死角に隠れて見えていなかったということが起こりやすいので注意が必要です。

こちらも1年も所有するとドアの開け方も運転席後ろなら右手親指、助手席後ろなら左手親指で引っ掛けるように開ければスムーズにドアを開けられるようになりましたし、死角の感覚も身につくのでさほど苦にはなりません。

マフラーの音量

スポ車乗りとしては、マフラーからいい音をさせながら走ることで、自身の高揚感や満足感を満たしている方が多いと思います。
その点で純正マフラーは2本出しでリアバンパーから出ているというデザインはいいのですが、音はとっても静かです。
年々厳しくなっている騒音規制に対応するため、仕方ない部分ではありますが、折角スポ車乗ってるのに…と思ってしまう部分ではあります。
さらに、純正アクセサリーとしてスポーツマフラーの設定も無いので、音を変えるには「社外マフラーという選択肢しかない」のもちょっと残念です。

シートポジションの位置

これは私だけかもしれませんが、シートポジションが少し取りづらいです。
クラッチを最奥まで踏み込む位置に椅子の前後を合わせると、ハンドルのテレスコピックを一番奥にしても若干近くなり、肘の余裕を持ったハンドル位置にくるとシフトノブが若干遠く、シフトノブにが触りやすい位置を取ると足元が窮屈という感じで、すべてがベストポジション!になりません。
ある程度妥協してドライビングポジションを取って背中をシートにしっかり付けた状態だと、ハザードボタンが届きません。サンキューハザードを出すときにはやや前かがみになりながらボタンに手を伸ばして押すような感じになります。こういった部分もちょっと残念かなと思うところです。

シートポジションの改善に何かいい方法無いかな…と先駆者たちの足跡をたどっていたところ、クラッチストッパーを交換することで改善したという情報を入手したので、私もクラッチストッパーを交換しました。確かに踏み代が減って最奥の位置が少し手前に来るだけでもシート位置の自由度が上がりました。おかげでドライビングポジションが良くなった気がします。このストッパーはディーラーに品番を伝えれば誰でも200円程度で購入できます。交換作業自体も内張剥がしのような工具、またはプライヤーがあれば簡単に出来るのでおススメです。

踏み代が減るとクラッチを完全に切れていないのでは?という疑問を持つ方もいると思います。しっかり奥まで踏み込んでいれば、交換後の位置でも半クラになっているような感じはないので、体感的には問題なさそうです。ただし、半クラの位置までの移動距離が短くなるのは事実なので、中途半端にクラッチペダルを上げたままにしたり、雑にクラッチを踏むとクラッチプレートの摩耗を進める要因となってしまう気はしますので、注意は必要かなと思います。

後部座席が暗い

最近の車には、天井の中央に後部座席用の室内灯が設置されている場合が多いですが、残念ながらスイフトは後部座席用の室内灯が無いので、後部座席が暗いです。スイスポも例外ではないので、夜間や立駐、地下駐などに入ると後部座席が暗くて荷物を探すのも一苦労です。フロント用の室内灯をLEDの明るいものに変更するのも一つの手ですが、フロントシートがヘッドレスト一体型のしっかりしたシートなので光が届かない部分が多いです。

なので、私はフロント用の室内灯から配線を伸ばして、後席用ドアの間口上部に後付けのライトを設置しました。こちらも先駆者を真似させてもらいました。使うライトの色や光度で明るさを調整すればドアを開けたときの足元まで照らしてくれるので工夫次第で色々出来そうです。

荷室が暗い

後部座席同様、荷室も暗いです。一応、荷室左側面にライトはありますが、純正の電球は光量が足りないので結構暗いです。日中は良いですが、立駐や地下駐、夜間は結構暗いです。こちらも後付けでライト追加した方が見やすいと思います。私もそのうち追加しようかなと考えています。

ネガや残念なところを差し引いても楽しさが勝る車ですよ

上記のネガや残念なところですが、同じように感じている人が多いことばっかりなので、先人たちがいろいろと試行錯誤の記録を残してくれています。
数百円からできるDIY~数十万円のチューニングまでいろんなメニューがありますので、自分の好みにカスタムする楽しさも含め、ZC33Sはいいクルマです。
構造上難しい部分も出てきますが、比較的DIYチューニングの教材にもしやすいクルマと思います。ちょっとお値段は張りますが、ショップのコンプリートキットカーなんかもありますので、最初からゴリゴリのチューニングカーに乗りたい!なんて方にも対応できる車です。

改めて言いますが、

みんな! スイスポはいいぞ!


今回は単純に愛車への愛を叫ぶお話でしたので、興味ない方にはつまらない記事になっていたと思います。

それでも、ここまで読んて下さった方々、誠にありがとうございました。


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