チャットAIには質問「させよう」

この頃はClaude3とChatGPT4が仕事で手放せない熊猫土竜(ぱんだもぐら)です。
まだまだAIは初学者なのですが、3月にG検定という一般社団法人日本ディープラーニング協会主催の試験に合格し、合格者コミュニティにも参加させていただき、
そこで話をする中で、AIに興味・関心が高い人たちも面白がってくれた話があるので、いつかの誰かのために書き残しておきます。


小学校低学年時のこと

本題に入る前に焦らしの昔話です。私は子供のころのことをほぼ覚えていないのですが、ひとつ思い出があります。90年代初頭、小学校低学年時のことです。当時はまだ、自動ドアが荷重式で、子供では自動ドアが開かない時代でした。
その当時読んだ本に、自動ドアがセンサーで開くようになったこととか、蛇口もセンサー式が登場したとか、まぁいろいろと近未来のことが書かれていました。何度も公言している通り、私は幼少期から藤子不二雄先生の大ファンなのですが、子供の私でもドラえもんは漫画の中の世界だということくらいはわかります。ただ、その近未来本は当時すでに研究されていた内容がベースで、とてもリアルに思えワクワクしました。
その時に未来の世界のことを色々考え、AIやロボットの時代になっても人間に残るものは何だろう、と考えはじめました。
その時代には道具に頼って弱体化した人類にロボットが反乱を起こす「のび太とブリキの迷宮」(1993年)があったり、なんだかこうAIやロボットが発達しすぎると、人間が動かなくなる、働かなくなるディストピアみたいな描かれ方も増え、AIやロボットに支配される時代になる作品も増えていました。ただ、私自身には恐怖心はなく希望しかありませんでした。

AIが得意なこと

AIやロボットにできることはそちらに変換していって、人間はもっと人間らしいことをした方がいい。と私の人生には常に傍らにそれがありました。
勉強を少ししたことで、それがより具体的になった気がします。
AIが得意なのは簡単に言えば認識、解析です。我々人間も、質問されたら知識や経験を用いて最適な答えを返します。それは何も難しい質問じゃなく、例えば「この辺でどっか夜遅くまでやってるお店あったっけ?」みたいな程度でも、日々この動作をしているわけです。
AIも人間の脳の何倍もある情報のなかから、予測したり生成したり回答するのです。

AIが加速させる創造力とは

AI自体はかなりの歴史があるし、なんだかんだ皆さんの生活にもなじみがあるものだったのではないでしょうか。ここのところまたブームが加速しているのは、インパクトのあるサービスがいろいろ出てきたこともありますが、ことチャットAIに関していえば、会話を始めたときからのこともちゃんと記録しながら結び付けて会話できるようになったから、だと思います(思いますというか、そう学びました)
チャットをするだけでなく、最も得意なデータ解析であったり、プログラムコードを書かせたり、様々なことができます。
例えば仕事で企画書一枚書くにしても、大事なのは書類の体裁の整え方ではなく企画のアイデアであるはずです。無論、上長であったり相手先であったり、最終的に決裁する人の理解を得るために書類の体裁を整えることは大事なのですが、そこのスキルはアイデアや創造に比べたら相手にならないぐらい重要度低いスキルなわけです。資料作りなどAIに任せればいい。そこに創造性やオリジナリティは不要で、パターン化できるものです。そうすることで本来重要であるはずの中身にかける時間が、見せ方にかける時間より大幅に増えた方がいい。
雑務をする人は否定しません、ただ、雑務という名の通り、雑草のような仕事なわけです。このところの流行りでいえば「ブルシット・ジョブ」というものかもしれません。これらを全てAIに変え、人間は人間らしいことをしよう、休暇でも勉強でも創造でも。

創造の種

…と、ここまでであれば、結構誰もが言ってることです。多くの企業も無駄をなくす目的でチャットAIを活用する事例が増えてきました。
でも、私は、それだけでは足りない、と思っています。いや、創造のためのAI活用の本質に辿り着いていない、と。生成AIは確かに直接的に頭のイメージを表に出すのに役立ちます。マインクラフトやclusterのワールドクラフトも、よりイージーに頭の中を形にでき、人類の創造性は前進したでしょう。
でも、それはもともと創造的な人の話。実は一番の問題は、創造の種がない人が大部分なことなのです。私がいるVRSNS(あえてメタバースとは言わない)にいる人は、活動していようがいなかろうが、ただそこにいるだけであろうが、実のところ人類全体から見ると創造力が高い部類にいる人です。ここを読みに来てくださる方はほとんどがVRSNSでの知り合いでしょうから、その方たち向けに書くと「自分は活動もしてない創作もしてないから創造してない側だ」なんて思うかもしれないけど、そんなことはない。創造の種はあるのでその人たちには、よりイージーに創る方法があれば十分。
一般の人は、その種すらなかったりするという実感があります。
身バレするので言えないけれど、私も10年以上前に一般の人の創造力をあげようという取り組みをしていました。その時思い知ったのです。誰もが詩の一遍くらいつくりたいという意欲があるだろう、誰もが何かを描いてみたいという希望くらいはあるだろう。そう当たり前だと思っていたことが想像でしかなくて、案外人には創造への欲望さえないものだと。

「質問させる」ことで創造力を加速させる

さりとて、本当に創造力がない人などいるのだろうか。答えは否です。自分の声に気が付いていないだけなのです。そして、それをサポートできるのが本来のチャットAIの使い方ではないか、と思うわけです。それが本題です。
簡単にいえば、自己分析や自問自答です。
そう、ここまで引っ張ってさも発見のように言っていますが、使い古された手法です。就活の時、自己分析で自分を深掘りしたり、企画を考えるとき「なぜ?」と自分に繰り返し聞く人もいるでしょう。
使い古された手法なんだけれど、これがチャットAIを使うことで格段に具体的になる。なぜなら、従来は直前の「なぜ?」にしか対応できなかったAIが、そこまでの会話全てから「なぜ?」を拾えるようになったし、膨大な情報から具体的な質問ができるから。
自問自答って質問するのが自分だから、答えの中により奥へ行くヒントを見つけないと範囲が狭くなって難しいと私は感じます。でもAI問自答ならうまくいくケースが多いのではないかと思っています。
黒柳徹子さんは徹子の部屋にゲストとして訪れる人のことを良く調べてデータにしてるし、吉田豪さんなどプロインタビュアーは本人より本人に詳しくなってインタビューに臨んでいたりする。だからこそ、他では聞けない深い話が聞けるわけだけれど、他では聞けない、というのはインタビューされる側が他で話していないケースだけではなくて、自分でも覚えていなかったり言語化できていなかった部分があるからなのではないかと思います。
チャットAIにはもちろんパーソナルなデータはないわけだから、強化学習しない限りは同じようにはいかないけれど(逆に強化学習させればより自分を理解したAIも創れる)、ここで言いたいのは人は他の人に聞かれて思い出すことを脳内のタンスの片隅にたくさん仕舞い込んでいる、ということです。

例。たくさん一気に聞かれてもいいし、一個一個深掘りでもいい

創造という言葉を調べると「新しいものを初めてつくり出すこと」と書かれている。人には人が人生で培ってきた体験や知識が千差万別ある。人ごとに歴史があり、歴史ごとに見てきたこと感じたこと考えたことがそれぞれある。それを組み合わせたときに新しいもの、初めてのものが生まれる。
生み出そうとしなくても、あるのだ、きっと、そこに。だからこそ「産み出すスキル」以上に「頭の中にあるものそのもの」に価値がある
吐き出すのが下手、スキルがない、言語化できない、という以前に自分の中で自分でも気が付かなかったこと、頭のどこかに置いてきたこと、が多いのではないでしょうか?
なので私はチャットAIに「質問させる」使い方を推奨します。チャットAIに質問する人や何かを作ってもらう人は多い、けど、そうではなくて自分の奥底にあるものを掘り出してもらい「今」と掛け算する。
答えは自分の中にある。それを表に引っ張ってもらう。それは創造性があるないに限らずだれでもできることではないでしょうか?自分でも出会っていなかった自分の奥底に出逢う、それが生きるヒントになる。占いも宗教も実はやっていることってそういうことなのかもしれません。

この文章はAIではありません。
ひさびさにAIに頼らず書いた文章になりました。


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