「慇懃無礼」（いんぎんぶれい）とは、表面上は丁寧で礼儀正しく見えるが、実際には礼儀を欠いた態度や行動を示すことを意味する四字熟語です。

この熟語は、相手に対して表面的には敬意を払っているように見せかけながら、その実、不遜や無礼な態度を隠している状況を指摘する時に用いられます。

たとえば、あるビジネスシーンを想像してみましょう。

部下が上司に対して、「ご指摘いただいた点、大変参考になります。

今後はもっと精進します」と言いながら、その実、上司のアドバイスをまったく心に留めていない。

外見上は敬意を示しているように見えますが、その態度は真の尊敬や敬意に欠けており、実質的には無礼であるといえます。

このように「慇懃無礼」は、相手を軽んじる心を隠して、表面だけを取り繕った偽りの礼儀を指します。

対人関係においては、真心からの敬意と丁寧さが求められるため、このような態度は信頼を損ねる原因となります。