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withコロナ

コロナによる外出自粛で、仕事がなくなり、なんとなくクリエイティブな作業から遠ざかってしまった。四六時中家にいるようになって、息子と食事を3食食べる。夕方に帰ってくる旦那に「おかえり」を言う違和感。スーパーに買い出しに行って、献立を考える日がこんなに早く来るなんて。(かなり先の老後にしかないと思っていた。)今後の不安より先に、この日々の違和感との戦いが先を行っていて、時間の価値がものすごく下がっていることに焦りを覚えた。時間はたくさんあるはずなのに、YouTubeをあげる気力もないし、noteを書く体力も、サロン記事を追うことさえ億劫になっている。テレビをつければコロナばかり。ピンチはチャンスとばかりに笑顔でstayhomeを訴えかけられても、正直全然ピンと来ていない私がいる。

それが外出自粛の初期段階だった

プロスポーツの現場で活躍するチアリーダーを育てることが私の仕事。3月から試合がない。イコール現場の仕事はない。地域のイベントもなくなった。そしてアカデミーの運営も学校が休校を決めた時点で難しくなった。各学校から各地域から子供たちを集めて、密閉された部屋で汗をかく。大きな声を出して元気に踊る。お友達とコミュニケーションをとって、リーダーシップを育てる。スポーツの特徴上、感染リスクがかなり高いと言わざるを得ない。ここで感染者が出れば、即廃業だろう。3月のうちはまだよかった。春休みを返上すれば振替で済む。実際学校の休校明けにレッスンは再開。このまま事なきを得るはずだった。

しかし、4月早々にまた休校が決定。借りている施設も使用できなくなり、中旬には緊急事態宣言の発令。すべてのレッスンがストップ。収入は0だ。終わった…。これは大変なことになる。私が守るべきはこのスタジオ、この会社、子供たちの居場所。そういうフェーズに入っていく。家賃の支払い、アルバイトスタッフの生活、はたまた自分自身と家族の生活。一社員が考える事ではないが、この会社で今動けるのは普段経理に関わっている私だけ。何より、ここで会員数を減らしいてはいけない。信頼を失ってはいけない。とりあえず今私ができる事を全力でやらなければ。まずはスタッフの給与の確保。ハローワークに駆け込んで資料を受け取ったのが、私の最初の一歩だった。(待ち時間にシン・ゴジラを観ていたことは内緒にしてほしい。)

具体的に動いて対策を講じる。これが第2段階

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会員様が今何を思い、何を求めているのか。退会を阻止するためにできる事はないか。サロンでの学びが活きてくる。新規入会よりも退会者を減らすことが大事。再三西野さんも言っていた。まずは、退会者を食い止めるための施策を練って発信しよう。

・不安を取り除き信用を失わないための会費のストップと返金の対応・ダンスのない生活に慣れてしまう前にコロナ前と同等のサービスの提供をスタート・強みを活かした特徴ある企画の提案

まずは会費の引き落としをストップして、困っている方には返金処理に応じた上で、今過剰にいただいている会費分と心情を踏まえて、還元していくこと。そしてそれはきちんとマネタイズして継続できるものを考えよう。今できる事はネット環境上にしかない。でもオンラインに不慣れなお母さんにもわかる内容にしなくてはいけないし、負担をかけてはいけない。単純にレッスンをオンラインにすれば済む問題ではない。オンラインレッスンはあくまでもオプションとする形で企画を考えた。基本はダンスの動画の受け取りのみで、好きな時間に気が向いたときに動画を観ながらダンスを覚えてもらうようにした。そのうえで、オンラインレッスンとライブではない動画のやり取りでできる個人レッスンを用意。普段趣味でやっていた動画編集やオンラインコミュニティでのzoom会議の経験が、こんな風に役に立つとは。

オンラインになったとたん世界中のダンススタジオがライバルになる。生徒たちが、保護者様が私たちのサービスを選んでいる理由は何か。そして知らないは嫌いになる。そのストレスを極力減らしたい。丁寧な案内と価格設定。十分な無料のお試し期間を設け、オンラインアレルギーの方にもチャレンジしてもらいやすい環境を整えた。そしてオンラインレッスンに参加しなくても成り立つ習い事の設計。

企画は案外すんなり通って、実践の準備。動画の撮影も編集も苦にはならず、むしろ楽しんでできた。とにかくチャレンジあるのみ。最初からうまくやろうと思うなかれ。失敗こそが応援の余白で、そこから価値あるストーリーは生まれるのだから。とはいえ、会員様に満足していただけるボリュームとある程度の質は必要で、今まで以上に熱を込めなければ対面していない分伝わりにくい。愛されるべきポンコツ具合を上手に醸し出しながら、何よりこの状況を楽しんでいることを子供たちに見せたいと思った。だって、この子達の未来は、こういう未来だから。人と会わずして生活が成り立つ未来。それが最大のリスク回避なんだ。

子供たちの未来のために大人が手本を見せるべし。とにかくチャレンジあるのみ。この状況を楽しもう。これが第3段階

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若干伝わりにくい部分はあったにせよ、無料のお試し期間を終えて、いよいよここからが勝負。思いのほかオンラインレッスンも参加者が多く、一部のコアファンにはだいぶ喜んでいただけているようで安心した。しかしながら、どうしてもなじめない会員様も当然ながら少なからずいて、休会の申し入れもくる。今は1日でも早く通常のレッスンができるようになることを祈りたいが、5月いっぱいまでは難しいだろう。本当は、会社がつぶれてしまいそうだから助けて!!と叫びたい気分だが、世の中みんなそうなんだから我慢して、少しでも楽しいこと、前向きな行動や言動をチアリーダーを育てる者として発信していきたい。更には通常に戻った時に、プラスになってなければ意味がない。今チャレンジしていることを、今後の運営にどうつなげていけるかを考えながら進めていく必要がある。現状の危機の回避と未来の展望。

プロスポーツが行えない中で、どこに強みを持たせるか。ファンを作る、ファンをつなげる、意味をずらす。今までの価値を変えていかなければならない現実をどう乗り越えていこう。競技チアにしても、大会がない中で生徒たちのモチベーションをどうキープしていくか。室内のチームプレイができない状況をどう打破していく?そもそもチアリーダー自体、日本ではなかなか難しい位置にあって、定着させるチャレンジが面白いと意気込んでいた矢先のコロナ。無観客試合になるなら、そもそもスタジアムのライブ演出は不要なわけで、経営難の中、真っ先に切られるのは私たちだと覚悟はしている。でも、ファンコミュニティやエンタメとして、または広告塔として、少なからず役に立っていることは自負しているし、それを夢見ている子供たちがたくさんいることをあまり軽く見積もらないでほしいと心底願っている。

未来を見据えて今を生きる。それが第4段階

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チアを教えるというだけが私の仕事ではない。地域に根付いたプロスポーツを一緒に応援するというサポーターとしての横のつながりの形成。子供たちに学校とは違うコミュニティを提供。豆腐屋としてただ豆腐を売っていてもだめなんだって。ファンを作って、ファンを横につなげて、豆腐以外の価値を生む場所や事を考える。挑戦し続けて応援してもらうこと。ダンス教室にgiftとしての可能性はある?西野亮廣エンタメ研究所での学びを、箕輪さんの勢いを、前田さんのメモと転用の考え方で、宇野さんの批評的にものをみる力で、まだまだできる事はありそうで、少し興奮している。

個々が躍る映像をつなげてスタジアムのピッチに映し出すような未来があったとして、必要なのはどんなスキルだろう。人と会わず箱の中で過ごす生活にも運動は必要だろう。そこにチアが入り込める隙はある?素人でもエンタメに参加できるという意味において、プロスポーツのハーフタイムショーで観客と一緒にオンライン上でダンスするのは面白いかも。人間らしくということでいったら、時々失敗するスキルとか(笑)?観客を巻き込むパフォーマンス、自分自身の魅力を最大限引き出すアクション、見ている人をワクワクさせる表現力....。

ひとつこの状況が確実にプラスなのは、今まで教室まで足を運べなかった、もしくは団体行動が苦手、もしくは人前で踊るなんて恥ずかしいと思っている老若男女全ての人に私たちのサービスが提供できるようになったという点。子供に限らず、容姿を問わず、例えばおじいちゃんだってチアリーダーになれるんだ。これは面白いことになってきた。

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未来のチアリーダー像をイメージしながら、今の需要に応え、関わる全ての人を明るい未来に導きたい。それは一緒に働くスタッフと私と家族のためでもある。with感染症の情報革命の中で。

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