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八月の宿題

あまりにも急激に夏らしくなって眩暈がする。

僕の部屋には南向きの大きな窓があって、本と朝寝のために厳重な、それはもう厳重な遮光カーテンが引いてあるのだけれど、それが素晴らしく日差しを蓄熱してくれる。
ベッドが窓際にしつらえてあるおかげで、このところ日が高くなるたびに、ホイル蒸しの気分を味わいながら目覚める日々を送っている。

あまりにも夏らしいので、もっと夏っぽさを全面的に受け入れて楽しみつくした方がいいなと思うようになり、せっかくだから毎朝BGMがわりに夏休みこども電話科学相談でも聞こうかなと思っているのだけれど、ついでに何なら夏らしく宿題でもやろうと思いついた。

あっ嘘うそ。順番が嘘だわ。
昨日さ、ブルーピリオドっていう漫画の1巻を読んだらさ、高2の夏からいきなり美大を目指すっていう話なんだけど、美術部の課題がやべーからさ、かっけーと思って、真似しようと思って、それで夏休みの宿題という安易な考えに至ったんだよね。
まず夏休みじゃないし、夏休み世間的にはもう始まってるし、大人だし、そもそもが時間あるのかっていう話なんだけど、スマホいじる時間があるならあるだろ時間。たぶん。

で。作中の夏休みの課題というのが

「デッサン7枚」
「水彩3枚」
「スクラップブック」
「一日写真Ⅰ枚」
「作品1点」

だったんだよね。

ほんとやべー。
というかまず、デッサンとかしたことないしな。学校の授業ですら。
で、何だったらできそうかなとまず拾い上げたのが

「一日写真一枚」
「スクラップブック」

実は、一見楽しそうに見えるスクラップブックは、始めた頃の楽しさとは裏腹に、終わりの頃には、十万倍ぐらいしんどくなるということをよく知っている。
小学校の夏休みの宿題として出たそれを、殆どページを埋められずに提出したことをはっきりと覚えているんだ。
この夏こそはページを埋めるんだ。
これはそういう決意なんだ。

「水彩」はなんか響きがワクワクするから、とりあえずなにか1枚書いてみたい。

「デッサン」はほんとうにわからなすぎるから、とりあえず、本屋とかでよさそうな参考書を探し出して、3枚だけなんとかやってみようかな。たぶん目も当てられない仕上がりになるだろうけど、いいんだ。
挑戦することに意味があるんだ。

「作品」は楽しければ何でもいいということなので、楽しそうなことを思いついたらやってみる。

ずいぶん元ネタからは条件が緩くなったんだけど、8月末締め切りでなんとか計画を立ててやってみる。
だって宿題だからこれ。

いやほんとめちゃくちゃ夏って感じになってきたわ。
テンション上がる。


ところでね、スイカを食べたんですよ。夏らしく。
大人になってからでも、スイカは最高にテンションの上がるイベントだからね。

こちとら大人なので、スイカを凍らせて、かき氷機で削ってシャーベット状にして、なおかつライムシロップをかけて食べてやったね。
大人だから。



金銭を与えると確実にえさ代になります。内訳はだいたい、本とコーヒーとおやつです。