見出し画像

Unity和尚本のここがすごい!

こんにちは! P&M Entertainmentです!

今回は、『よちよちインコ』のリリースの原動力になってくれた和尚様こといたのくまんぼう氏の著書、通称『和尚本』のすごさを紹介したいと思います!

和尚本=2冊のUnity入門書

まず和尚本とはこちらの2冊になります。

UnityではじめるC#基礎編のすごさ

1冊目はUnityに特化したC#(プログラミング言語)の入門書になります。
Unityでは、現在C#がスクリプト言語として採用されています。
スクリプト言語とは、基本的にマウスで視覚的にゲームが作れることがウリのUnityにおいて、どうしてもプログラムで補助しなければならない部分で用いられる小規模なプログラムを記述するためのものです。

ですが、10年以上前は『スクリプト言語』と言えばそのゲームエンジン専用に作られた平易なものを指すことが多かったのですが、C#は商業の第一線でも活躍しているMicrosoftが開発した本格的なプログラミング言語です。

逆に言えば、それゆえに大量の入門書が本屋さんにならんでいますが、「Unityでゲームが作りたいんだよ!」という人にはイチからC#をやろうとするとその奥深さゆえに挫折してしまう可能性が高いです。
また、C#は非常に厳格な言語である、という点もハードルが高いです。

例を挙げると、比較的柔軟な言語であるJavaScript(こちらは最新のRPGツクールでスクリプト言語として採用されています)やPHPでは、変数aを作った後に、数値を入れたり文字列を入れたりしても問題ありませんが、C#ではそうはいきません。
C#では数値用に作った変数に文字列を入れればエラーになり、同様に文字列用に作った変数に数値を入れればエラーになります。
ある意味ではエラーを残したままだとテストプレイができないUnityとは相性がいいとは言えるのですが……。
(ちなみに、JavaScriptは以前はUnityのスクリプトとして採用されていました。ですが、プログラマーさんたちからは「JavaScriptとは別物」と不評で、その後『Unity Script』と名前を変えましたが、現在はC#のみになりました)。

長くなりましたが、この本はそんなC#をUnityで使うことを前提に学習してしまおう! という本です。
ですが、言語の解説だけに終始した堅苦しい本ではなく、基本は実践。
脱出ゲームという和尚本の特徴である「流行りのジャンルのゲームを作りながら学ぶ」というスタイルで学習できます。

Unityの寺子屋のすごさ

さて、C#の勉強をしたら本書の出番です。
実際は、大人の事情でたまたまこういうシリーズ構成になったのでしょうが、我々の経験からしても、先にC#を学習しておくことは大事だと思います。
なぜなら、「まずはUnityを触ってそのすごさを体感しましょう!」というやり方は難しいのです。その理由として、
・作れるゲームが限定されてしまう
・スクリプトの意味がわからないので充分な手応えを得られない
・自分でゲームを作る能力が身に付かない
というものがあります。

寺子屋では、放置ゲー(+クッキークリッカー)とアクションゲームの2本柱で、Unityの総合力を身に付けていきます。
ここでも和尚本の特徴である「流行りのジャンルのゲームを作りながら学ぶ」というスタイルは健在です。

また、寺子屋のすごいところは、3Dゲームをばっさり切り捨てているところです。実はこれも大事なことで、3Dゲームは今でもやはり敷居が高いです。豊富な3D素材が容易に入手でき、それを動かせるUnityの環境といえども、あくまで「昔に比べて簡単になった」というところで、やはり入門は2Dに限ります。そして、非常に実務的な視点として現在のスマートフォンアプリ市場では2Dのカジュアルゲームでも作者さんの+αの持ち味があれば充分戦えると思います。そういう意味でも、これは非常に英断だと思います。

そして、一番の素晴らしい点は、そうして2Dゲームに絞った上に、更に寺子屋では「同じテクニックを繰り返し説明する」という手法が取られています。これが一番効きました。
具体的な方法は紹介できませんが、「このテクニックさえ知っておけばこれだけのことができるんだ!」という自信が持てるのです。そして「このテクニックをこう応用したらこんなゲームが作れないかな?」という応用力が付く。これが他の2Dにも3Dにも手を出した挙げ句、サンプルを真似しただけで応用力の付かない入門書と一線を画すポイントです。

2018年9月現在、Unityの入門書はめっきり減りました。出版不況や技術書自体がツールの進歩に付いていけないという問題があると思いますが、Unityのバージョンが5の次の2017以降になってから出た新規の入門書はないと思います。
そうでなくても、我々も和尚本と出会う以前に何冊かUnityの入門書を手に取りましたが、和尚本以外はお薦めできません。

終わりに

和尚本シリーズは以下の人にお薦めです!
・これからUnityを学ぼうとしている方
・Unityを学んでいるけど躓いている方(その中でも特に真面目で、ちゃんと紙の本で体系的に、きっちり理解してステップアップしたい方)
・入門書を1冊読み終えて大体のことはわかったけれど自分で作りたいゲームの作り方がわからない方


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?