見出し画像

iLab STORY vol.3|創業者、木下美智子の化粧品。

iLabという化粧品を語る上で、創業者である木下美智子(以下、彼女)のことを語る必要がある。彼女がどんな人であり、どんな人に向けてこの化粧品をつくったか。それを知ってもらう必要がある。彼女がこの化粧品に込めた想いや、その商品に対する情熱を残されたものは伝えなければならない。簡単に化粧品ができる今だからこそ、これだけのコンセプトを込めたスキンケアを語らなくてはいけない。だって、このスキンケアを創ったのは、今から20年も前。今よりもずっと前の話だから。

何かの根っこ必ず探す

「本質」とは何か。彼女は物事の「本質」がどこにあるのか、いつもその芯にある何かを求め続ている人だった。彼女にとってそれがないと、そのモノやコトに触れることが納得できないし、「本質」が突き詰められないものは、進めることができない慎重さも持った人だった。映画や音楽をプロデュースする上で、今の言葉でいうコンセプトや、自分がなぜそれを必要とし求めているのか物事の根っこを探していた。10年経ったら変えてもいいという彼女の感性のルールで、新しい何かを探していた。世界を駆け巡っていた彼女は、常に新しい何かを探して、偶然であったがヘルシンキ・フォーミュラという、アメリカで発売されていたヘアケア商品だった。

そのヘアケアにある根っこ
ヘルシンキ・フォーミュラとの出会いについては、生前に彼女から聞いた話、私の記憶から引っ張りだしてくるので、何年何月、どこの国で創業者のハル氏に出会ったのかは覚えていない。彼女は独学、ある時からきちんと講師を得て正しい英語を話す努力を積んでいたので、ハル氏が語ったヘアケアの話が忘れられず、日本で輸入元となり発売する。それが音楽や映画、テレビといったエンターテインメント事業から化粧品事業に突入したきっかけとなる出会いだった。

彼女がヘルシンキ・フォーミュラという商品に魅せられたのは、自分が思っていた考えと合致したからでしかない。彼女はずっと抜け毛やニオイ、体のニオイも含めた毛穴に纏わるなにかが原因ではないかと潜在的に思っていた。様々な人生の岐路に立ち、彼女は自分の生き方や考え方を何度も見つめなおす努力を続ける人で、またそういった心の揺れを整えるためにもアーユルヴェーダや瞑想、ヨガ、西洋=対処ではなく、東洋=備えるものを生活に取り入れていた。

ここでしっかり訂正しておくと、ヘルシンキ・フォーミュラはオーガニック商品ではありません。前段の話と全く合致しないように思うかもしれないけれど、彼女はそのヘアケアの根っこを見つけたのです。当時彼女が生活に取り入れていたインドの伝承医学、アーユルヴェーダ―を通じて、シャンプーの由来と意味であるヒンディー語に出会っていました。みんなが日常で使っている「シャンプー」という言葉は、ヒンディー語の「チャンピ」からきています。「チャンピ」とは頭皮・頭部のケアを指していて、当時の日本ではシャンプー=髪の毛を洗う事と宣伝されていたことに疑問を持っていたのです。彼女は言語の由来から、その本質的な意味を理解し、ヘルシンキ・フォーミュラという商品がオーガニックでもないのに受け入れることができたのです。ヘルシンキ・フォーミュラというヘアケア製品は、頭皮のケアをするためのヘアケア製品です。そして簡略して説明すると、頭皮・頭部のケアができるヘアケアが当時日本にはなかった時代に、彼女は「頭皮をケアする」というヘアケア製品に出会ったのです。生きている限り、モノやコトの本質にこだわった彼女が納得できる商品は、当時同様に思い感じている人にヒットし、発売から29年経った今も愛されるブランドに育っています。


ヘアケアからスキンケア

彼女の探求心は尽きることがなく、また更に極めて行こうとする人だったので、ヘアケアからスキンケアに繋がったのはものすごくシンプルなことでした。頭皮も顔も一枚の皮であるということを思っていて、当時スキンケアにとっても「与える」ということが中心だった発想から、頭皮と顔の皮膚は一枚で繋がっているのだから、与える前にまず毛穴をクレンジングする。というった概念を作ったのです。毛穴に肌トラブルの原因があることを早くに見つけ、それを追求し続けた。彼女の10年経ったら何かを変えるという生活から、10年を超えて育ち続けているのがヘルシンキ・フォーミュラとiLabこの2つのブランドです。次回は、ようやく!iLabの話をしたいと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?