日記:逃げられ、逃げ、自由意志は不在

4/13

朝8時にアラームがかまってほしそうに騒ぎ出した。まんまと目を覚まされ憎悪の念をこめて時計を引っ叩く。これは音のうるささと今日の就活イベントに対する二重の八つ当たり。


良くないとわかっているけど起きてすぐ枕元に転がったスマホをいじる。珍しくLINEに通知がありこの感情が嬉しさか緊張かはっきりしないまま急いで開く。そこには今日イベントに一緒に行く予定の友達からドタキャンの旨が記されてた。深夜2時半に送信されてた。「やっぱ自分の時間にしたい」と。



いや、元々はこっちが一人だと心細くて誘ったし人には個別の事情があるから全然いいけどさ。時間と文言よ。自分の時間にしたいって。こういうのこっちからは理由聞けないじゃん。せめて、なんでかってとこはもっと具体的に言おうぜ。というのは文字には起こさず、空元気な返事をした。



はなから乗り気ではなかったので一人で行くわけもなく用事が急に目の前で霧散した。就活イベントだったので嬉しさと焦りが交互に顔を出す。


母には今日イベントに参加することがバレていた(そうなると父も知ってそう)ので、家も居心地が悪く最悪。一刻も早く外に出る準備。かと言って行く宛もない。その時、こないだインストールしたアプリ『さんぽ神』の存在に気づき救われる。



『4駅先の場所で古いものを探そう』というお題が提示されたのでバッグに本と財布だけ入れ急いで最寄り駅に向かう。各駅か特急か迷ったけどそんなのこの家の息苦しさに比べればどうでもよかった。



結局、各駅停車の電車に乗り8駅先で降りた。そこは大きな川がある街なので、河川敷の水辺近くで本を読んだ。傍から見ると優雅に映るが実際は日差しが本の白に反射し目をチカチカさせながら読んでるし、小さな羽虫の群れが突撃してくるので叫んで暴れたくなる。まあおしゃれは我慢って言うしな。



読んでた本は『みどりいせき』。まだ途中だけどおもしろい。一文一文が現代的な詩だ。大田ステファニー歓人さんの文芸界における異端さが表れてる。作中にいくつか曲名やアーティスト名が出てくるので、そのプレイリストを作り始めた。


川にいた鳥の鳴き声がヒョロい狡猾系悪役だった。



4人家族がピクニックをしに来た。弟くんがはしゃいで川に石を投げてたらお母さんがそれを厳しめに注意してた。その隣でお兄ちゃんは川に石を投げまくってた。




16時前くらいに帰ることにした。少し早いかなとも思ったので家付近のコンビニとスーパーで時間を潰した。コンビニは見た目がイカツイ店員ばかりだし、スーパーは品揃えが終わってる。



家につくと先日買ったレコードが2枚とも届いていた。ご機嫌です。早速、開封。ニヤつきながらジャケットを眺め一人であーだこーだ言う。拝聴。分かってはいたけど最高。2回ずつくらい聴く。その流れで既に持っていたレコードたちも聴く。あまり聴いてなかった作品の良さに気づく。


そういえばレコードを買うようになってからSpotifyは試聴目的で使うことが多くなった。



夜。親といると今日の就活イベントのこと聞かれそうで怖いので、接触は最低限にし逃げるように自室へ籠もる。



明日はバイトで今日ドタキャンした友達と会うから少し気まずく、なんて声かけようかと思索しながら就寝。







4/14


9時くらいに起きた気がする。


朝食済ませてもう一回布団に潜ろうと思ったら布団干されてた。


しばらくスマホいじって飽きたから自室ベランダで読書。『みどりいせき』。


11時頃に両親が出掛けた。15時に布団を入れるよう頼まれた。というか押し付けられた。



布団を入れバイトへ。昨日の予定をドタキャンした友達と対面。吹っ切って「ドタキャンしやがって〜」みたいな態度で接触したらいい感じだった。けど、それは表面上だけで実際は二人の間には少しの気不味さが残ってた。自分はそれを友達のせいだと思った。ドタキャンしたのは友達なのに、なんでこっちだけが気を遣った対応をしなきゃいけないんだと。




シフトは自分と友達と後輩くんの3人。この後輩くんは物理的に人との距離感が近いというか少し不思議なとこがある。自分はまだそれに慣れられずにいる。疲れているとそれに苛ついちゃって、無愛想な対応をしてしまうことがある。今日もそれが出てしまって反省した。



立ち仕事なので、せっかく落ち着いていた左足の種子骨炎が再び元気いっぱい。明日、整形外科に行くことにする。


良い悪いは別にして、この2日間はドタキャンの有無で全く違った日になってたんだろうな。やっぱり自由意志なんて無いのかもしれない。



深夜に推しサッカーチームの試合があったけど気が乗らず、足を入念にマッサージし就寝。







おわり

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