嫌がらせ

立ちくらみだった。
便器から放尿を外した。
床へ落ちる黄金色の液体が、自らの情けなさを非難する。
利用者の多い駅では当たり前のように散らかっている小便器だが、嫌がらせではなかったようだ。
皆疲れていた。
長時間労働の末の的外れな主張。
ふとした瞬間にズレてしまう。
帰って早く寝よう。
嫌がらせだと誰かに誤解される前に。

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