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鹿児島好調の秘密 DFを褒めます

▽鹿児島好調の秘密は守備にあり

2022年シーズンが開幕して、鹿児島は第4節まで2勝2分けと好調を維持しています。その理由のひとつを振り返って見たいと思います。鹿児島がここまで好調を維持しているのは、守備面での改善が貢献していると思います。

宮崎との試合でも、何度も裏に抜けられて決定的なピンチを迎えそうになりますが、鹿児島のDFラインが懸命に戻りクリアしていました。

完全に裏のスペース抜けられたが、広瀬選手が全力で戻りクリア。他にも三人が戻って数的有利な状態を維持している

上の写真は、宮崎戦の後半開始直後、宮崎のカウンターの場面です。完全に裏のスペースに抜け出されて絶体絶命のピンチになるはずでした。ところがこの時、広瀬選手が全力で戻り、クリアしてピンチを未然に防ぎます。

しかもこの時は広瀬選手以外にも、三人が全力で戻り数的有利な状況を維持しています(しかも走る方向もバッチリです)。もしこの時広瀬選手がクリアできなくても、攻撃を少し遅らせることができていれば、決定的なピンチにはならなかったでしょう。また0-0のこの時、失点していれば試合の展開は異なったものになっていました。

先々週絶賛した岡本選手以外にも、この試合では広瀬選手が激走し、相手のカウンターを潰していました。

左SBの薩川選手が後半アディショナルタイムで全力疾走で相手に追いつき、ボールを奪い前線の米澤選手にパスを供給したプレーには、心を揺さぶられましたね。

後半アディショナルタイムで疲労困憊のはずなのに、全力で戻る薩川選手ともう一人(誰かな?)

後半アディショナルタイムに薩川選手ともう一人が全力で戻っています

先発して後半90分まで何度も上下動して疲れているはずなんです。しかもポゼッションしながら前進する鹿児島のスタイルだとSBの攻撃参加は必要不可欠です。でもカウンターは受けやすいので、SBはボールを失ったら、試合中何回も上下動を繰り返すことになります。

だから90分過ぎたら、少しサボっても責められないのですが、このプレーはすごかったです。しかもこの時、ボールをクリアではなく、奪い取ったことがまだすごい。そして奪い取ったボールを前線にパスしたこともまたすごい。このパスは宮崎のGKが前に出てきてクリアされましたが、それがなければ決定的なチャンスになっていたと思います。

前回、岡本選手の時も指摘しましたが、ボールをポゼッションして攻撃する鹿児島のDFラインの裏には広大なスペースがあります。そこにパスされたときに、DFは全力で戻らなければ行けません。これは誰でもわかっていることなんですけど、誰でもできることではありません。走って戻っているけど、諦めてスピードを緩めている選手も結構多いです。

そしてそれができないとDFラインは下がってしまい、DFラインの前にスペースができ、そのスペースを相手チームに使われて、ズルズルと下がってしまいます。これでは激しくプレスを掛けることはできません。

それでもサッカーは点が入るのが難しいスポーツなので、守備でサボっても得点にならないことも多いですが、そのサボったときに点が入ることもあります。だから10回ピンチがあれば、10回戻ることができるかどうか。それがチームの命運を左右します。

シーズンが終わって勝ち点1差で降格することもあれば、勝ち点1差で昇格することもあるのが、サッカーです。実際、鹿児島はJ2から得失点差で降格しています。その勝ち点1勝ち取るには、いつどの試合でもどの時間帯でも、勝っていても負けていても、全力を出すことが当たり前なんですが、重要なんです。

昨年の昇格2クラブは、失点数が最も少ない2クラブでしたし、今年現時点で1位の福島ユナイテッドも最少失点です。

サッカーで守備守備というと、攻撃的にいけと言う声も大きいのですが、攻撃的なチームこそ、守備をしっかりしなくてはいけませんし、サッカーは野球と違い攻撃と守備が別れているスポーツではありません。攻撃をしながら守備に備えなければいけませんし、守備をしながら攻撃に備えなければ行けません。常に攻撃と守備が表裏一体なのがサッカーというスポーツになります。

試合の勝ち負けはもちろん大事なんですけど、選手が全力を出してプレーしているのは、見てるサポーターもわかります。だから宮崎戦に引き分けたのは悔しいのですけど、心は晴れやかです。

今シーズンの失点4のうち、ゴールキック絡みが2点、相手のスーパーゴールが2点で、完全に崩された形からの失点はないんですよね。無失点の試合がないことは反省点ですが、これらの失点は改善が可能です。

サッカーは攻撃力に目が行きがちなのですが、守備が良くないとシーズンを通して勝ち点を積み重ねることができません。サッカーで得点するのは難しいし、選手の才能に頼る部分も大きいのですが、守備はトレーニングすれば誰でもうまくなりますし、組織的な守備を崩すのはどんなチームでも難しことになります。

その部分は大嶽 直人監督が強調している、ハードワークの部分ができていると思います。あとはこのコンディションをどう維持するかですね。今までは、コンディショニングコーチのおかげで、走り負けることなくプレーできてますが、シーズンが進んでいけば疲労も怪我も出てくるので、チーム全体として戦闘能力を維持できるかが、今後暑くなってくると問われると思います。

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