見出し画像

勇気なき敗戦 第7節 長野対鹿児島

鹿児島県民160万人の鹿児島ユナイテッドサポーターの皆さん
こんにちは、仙太郎です。

今シーズン初の黒星となりました。なので厳しい指摘もあると思いますが、選手個人を責める意図は全くないので、ご理解下さい。

先発は右のSB星選手がベンチ外となり、渡邊選手が入ります。そして開始間もなく予想外のトラブルが発生します。開始直後に接触した左SBの薩川選手が怪我で交代。いつものSB2人を欠いての試合になりました。これは試合の流れに影響を与えたと思います。このSB2人は攻撃と守備の両方で貢献度が高かったですからね。

鹿児島が最初にロングボールを蹴って、攻撃を開始するところは今までと同じでした。ただ全般的には主導権を持ってプレーできているとは言いがたい状況でした。

そのうちのひとつにゴールキック問題があります。この観戦記を以前から読んでいただいている方には、既知からもしれませんがもう一度説明しておきます。

本来はゴールキックからショートパスをつないで、前進したい鹿児島なのですがGKの白坂選手がビルドアップが上手いとは言えない状況なので、どうしても再開するときにロングボールのゴールキックを選択してしまうのですが、それが相手ボールになることが多く、長野の攻撃の時間が長くなります。特に前半の30分からは、ボール保持率がまさかの26.3%となります。この数字だと感覚的にはほとんど長野ボールとなります。

白坂選手がボールを繋げないので、ロングボールを蹴るしかなく、そのボールを長野に回収されることが多く、連続で攻撃されることが多くなります。

そもそも鹿児島はロングボールを蹴って、そこから攻撃するのが得意なチームではありません。昨年と比べて有田選手とロメロ・フランク選手が入ったので多少は改善されていますが、基本的にはショートパスをつないで、自分達でボールを保持して進むのが基本です。

実際、先制点はGKからボールをつないで、相手のプレスをかいくぐっての得点でした。後半に逆転されてからは、GKからショートパスでビルドアップを試みて、チャンスも作れていました。

前半に早い時間に先制できてしまい、これまで無敗で2試合連続無失点ということもあり、少し気持ち的に守りに入ったように感じました。ショートパスをつないで、ボールを奪われて失点するのが怖い気持ちはよくわかります。周りからも批判されます。でもそこを勇気を持って、ボールをつないで欲しいと思います。

例えそれでボールを失っても、チャレンジすることで選手もチームも成長ができます。ショートパスをつないでビルドアップすると言うことは、ボールを高い位置でロストして、失点することもあることを理解しなければなりません。そこをきっちりとサポーターが理解しないと、ただ単純に失点してダメとかになります。

ロングボールを蹴るにしても、ゴールキックから直接蹴るのではなしに、一度ボールを前に運んで、蹴るとかすると、相手DFラインも下がり中盤にスペースが作れて、もう少しボールも拾えますし、攻撃ができる時間が増えると思います。この日の長野は単純に蹴るのではなく、一度ボールを運んでからロングパスをする機会も多く見られました。なかなか考えられたプレーだと思います。

決して白坂選手が悪い選手だと言いたいわけではありません。彼のプレースタイルと鹿児島の戦術がかみ合わないんですよね。白坂選手のプレースタイルと、鹿児島のプレースタイルが合っていないという問題が開幕から続いていました。一つ前の鳥取戦でもそれは見られたのですが、その時は攻め込まれたのが後半だったので、なんとか凌ぎきることができました。

以前も話しましたが白坂選手は、ボールをつないでビルドアップに関わるのは得意ではありません。だから安全に行こうとする気持ちはわかりますし、試合終了間際であれば、そのようなプレー選択が悪いわけではありません。

ただ鹿児島にはビルドアップ能力の優れた2人のCB 岡本選手、広瀬選手もいますし、中盤には木村、中原という優れた中盤の選手もいます。これらの選手を活かさないのはもったいないと思うんですよね。

この試合では、相手の3トップに対して2人のCBでビルドアップする場面が多かったので、本来数的有利な状況でボールを前進させなければならないのに、まさかの数的不利な状況になっていたことも状況を悪化させていました。

本来であれば、事前のスカウンティングで相手が3トップで前からプレスに来ると予測して、それの対抗策を用意して試合に臨みたかったですね。

そもそも長野のシュタルフ監督は厳しい守備で知られており、昨年も彼が監督をしていた横浜戦は苦戦しました。そしてこの試合も苦しい試合になりました。J3の場合は、審判がファールを取ってくれない時や、カードを出してくれないときもあるので、厳しく来られると鹿児島には厳しくなります。実際、その流れで薩川選手も怪我で早々に交代となってしまいました。

この日は、前半の途中から押し込まれる展開が続いたので、さすがにこれで逃げ切るのは難しいと感じていましたし、実際そうなりました。なので結果自体は驚きではないです。

ただ負けたからと言って下を向く必要はありません。後半に入ってからは圓道選手、米澤選手、ロメロ・フランク選手、CKから岡本選手がフリーでシュートを打ちましたが、どれもゴールにはならず。どれかが決まっていれば、試合展開は大きく変わったと思われます。

後半から入った圓道選手は、いいプレーを見せていたと思います。今までは少し遠慮していたような部分も見られたのですが、今日は二回の決定的なチャンスを作り出しました。一回は自分でドリブルで持ち込み、パスと見せかけてシュートしました。普通ならパスを選択してもおかしくない場面でした。惜しくも外れましたが、積極的ないいプレーでした。ロメロ・フランク選手へのスルーパスも見事でしたね。相手から引っ張られても容易に倒れなかったのも良かったと思います。

井原選手も先制点に絡みましたし、いつも出ていない選手が長いシーズンではとても重要になりますので、徐々に連携が取れてくるようになるといいですね。ただ星、薩川の両SBは攻撃でも守備でもスピードがあるので、そこの部分は予測して先に動くとか、ポジショニングでカバーするしかないと思います。

最後にウェズレー選手がパワープレー要員として投入されましたが、後半90分と時間がなかったので、もしウェズレー選手を入れるなら、もう少し早い時間帯に投入したかったと思います。実際、時間が限られていた中でも一度、ウェズレー選手はヘディングでチャンスを作れていました。ウェズレー選手のヘディングの強さは、J3ナンバーワンと言ってもいい位なので、攻撃時でもまた守備時のパワープレー対策としても、有効だと思います。ただ最後にパワープレーを試みるのであれば、有田選手は残しておきたかったですね。

なのでこれで落ち込む必要はないと思います。どのみちシーズンを無敗で行くのは難しいので。問題は次の試合ですよね。

現時点での鹿児島の最大の問題点である、ビルドアップ問題がこの試合ではでてしまったと思います。これまでは守備陣の頑張りで凌いでいましたが、いつものSB2人がいないことで弱点が表れてきたのだと思います。

白坂選手はキャッチングやポジショニングはとても優れたGKです。ただビルドアップは苦手です。であれば木村選手か中原選手が降りてきてビルドアップに関わって行くしかないと思います。前でパスを受ける選手がひとり少なくなるのは痛いですが、しかたないと思います。長期的にはトレーニングを通じて白坂選手のビルドアップの能力を上げていく必要があります。

そして勇気を持って、パスをつないで前進して攻撃的な鹿児島らしいサッカーを見せて欲しいと思います。サポーターが見たいのも、そういうサッカーだと思います。そして例え負けたとしても鹿児島のサッカーはすごいんだぜとサポーターが胸を張って、家に帰ることのできるようなプレーを見せて欲しいと思っています。

それでは次の試合でお会いしましょう。
「チェストー!鹿児島ユナイテッド!」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?