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快勝したけど喜んでばかりもいられない理由 第8節 鹿児島対富山

鹿児島県民160万人の鹿児島ユナイテッドサポーターの皆さん
こんにちは、仙太郎です。

先発メンバーはいつものSB2人(星選手と薩川選手)が恐らく怪我で出場できず砂森選手と渡邊選手が出場しました。あとは前節 試合終了間際にレッドカードをもらったロメロ・フランク選手が出場停止で圓道選手が先発しました。

両SBとロメロ・フランク選手が不在でしたが、快勝した鹿児島の先発メンバー

前回はかなり厳しい内容を書いたのですが、今回はキッチリと修正されていて大嶽監督の手腕の確かさを見せてくれます。まさかこのブログを見ていることはないでしょうけどねww。

前回、ゴールキックからロングボールを蹴って、ボールを失うことが多く、それが試合で主導権を握れなかった大きな原因であると指摘させていただきました。なので勇気を持ってボールをつなごうと書いたのですが、この日はゴールキックからのリスタートでは、ショートパスをつないで主導権を持って試合ができていたと思います。

4得点と大量得点だったので、単純に喜びたいのですが、この日は相手の戦術に助けられた面もありました。

富山は前からプレスを掛けては来るのですが、鹿児島のCBがパスをしてSBや中盤の選手がボールを受けたときの寄せが遅いので、鹿児島の選手は比較的余裕を持って判断できていました。

富山の前線とDFラインの間が間延びして中央に広大スペースを献上している

先週の長野戦ではもっと相手の寄せが早く、鹿児島は余裕がなくプレーしていました。これは恐らく1秒あるかないかの差だと思うのですが、サッカーにおいてこの1秒の攻防が大きな意味を持ちます。1秒速く寄せられれば鹿児島は余裕なくボールを蹴らざるを得ませんが、1秒寄せが遅いと鹿児島は余裕を持って、プレーができます。なので先週は速い寄せを見せた長野が主導権を持っている時間が多くなる結果となり、今週は鹿児島が主導権を持つ時間が多くなりました。

富山は最終ラインの押し上げも高くなく、前からプレスしたときに中盤に大きなスペースを鹿児島に与えてくれていました。こうなると鹿児島の優秀な中盤の選手(中原、圓道、木村等)は余裕を持ってプレーができます。

また富山が引いて守った時は、5-3-2のフォーメーションになるので、中盤のサイドに大きなスペースができ、鹿児島はそこを使ってサイドで2対2の数的同数な状況を作れていて、有利に試合が展開できていました。

サイドに大きなスペースがあり、2対2で数的同数を作れていた

また富山の技術的なミス、パスミスやトラップミスも多く鹿児島は大分助けられていました。先制点もきっかけは相手のパスミスから始まり、右に展開し五領選手のパスを有田選手が圓藤選手に落として、圓藤選手のシュートのこぼれ球を有田選手が決めました。

相手のミスから一気にカウンター。5対4と数的有利な状況から先取点

2点目はゴールキックを短くつないで一度左に展開、それを一度戻して岡本選手が大きく右へ展開。この時、右サイドでは2対2の状況ができていて、前にプレスを掛ける富山の選手を渡邊選手と五領選手がワンタッチパスを交換して、完全フリーで渡邊選手が抜け出してセンタリング。そのボールをダイレクトシュートしたこぼれ球が米澤選手にこぼれてきての追加点となりました。

岡本選手の素晴らしいパスからサイドで2対2を作り、ワンタッチパスの交換で裏に一気に抜け出し2点目を奪った

3点目は先ほど述べたように、富山が中盤に大きなスペースを残していて、圓藤選手がいいポジショニングをして、そこへ岡本選手から素晴らしい縦パスが入り、攻撃にスイッチが入ります。余裕を持って右サイドへ展開する圓道選手。

岡本選手から素晴らしい縦パス。圓道選手が広大なスペース(赤点線丸)でボールを受けて右サイドに展開

すると右サイドで相手と2対2の状況になります。そこからセンタリングするとゴール前も2対2の状況でした。そこへ有田選手がこれまた絶妙なポストプレーでボールを後ろに残したところに、中原選手が飛び込んできて得点しました。先制点に引き続き有田選手の素晴らしいポストプレーでした。

サイドからのセンタリングを有田選手が絶妙なポストプレーで後ろに流し、後ろから走り込んできた中原選手がゴール。

4点目は相手のクリアボールが小さくなったところを中原選手がボールを奪い、寄せてくる相手を浮き球でかわし、そのままシュートと思いきや予想を裏切り左足で山本選手にパス。山本選手が落ち着いてシュートして決定的な4点目が入ります。これは7割くらいは中原選手の得点ですかね。

浮き球で相手をかわし、シュートフェイントから山本選手にパス。中原選手の素晴らしいプレーでした

なのでこの日は快勝したのですが、これで万事OKとならないと思います。今回は比較的、鹿児島に有利な戦術のチーム相手だったので。本当の試練は前週の長野戦のように前から厳しくプレスを掛けて、中盤の強度も強いチーム相手にどう戦えるかだと思います。

課題もありました。最後失点した場面ではDFラインのコントロールに失敗し、裏を一発で取られて失点したのは良くなかったですね。白坂選手ももう少し前にポジショニングしていれば防げていたかもしれません。

あと後半、選手交代が多かったので、仕方ない部分もあるのですが、大差がついているのに試合を落ち着かせられなくて、早く攻撃してボールを失う機会が多かったのは良くなかったですね。交代選手が結果を残したい気持ちは理解できます。今年は割と先発メンバーを固定していますからね。ただ大差がついて焦るのは富山であって、鹿児島ではありません。

もう少し落ちいてボールを回して、富山が前からボールを奪いに来れば、空いているスペースを利用して相手陣内にボールを運べび、相手が戻ってくればボールを戻して攻撃をやり直す。これが富山がやられて一番嫌なサッカーだったと思いますし、そうすれば失点はなく首位に立てていたと思います。

ただこの試合は勇気を持って、ゴールキックからショートパスをつないで攻撃できていたので、そこは良かったと思います。これが4点取って勝ったこと以上に良かったと思います。もちろん点を沢山取って余裕を持って試合を見られるのは精神的にいいですけどね。現地観戦した方も満足されたのではないでしょうか。

ロメロ・フランク選手の代わりに出場した圓道選手はロメロ・フランク選手の出場停止を感じさせないプレーを見せてくれました。もちろんロメロ・フランク選手がいないとゴール前での高さは有田選手1人だけになるのですが、鹿児島のショートパスをつないで攻撃するスタイルには圓道選手はとても合っていると思います。特にライン間でボールを受けるのが上手い(3点目のシーン)ので、相手が前からプレスを掛けてくるとその空いたスペースでボールを受けて一気にボールを前進させることができていいですね。次の試合でも先発しても驚きはしません。

それでは次の試合でお会いしましょう。
「チェストー!鹿児島ユナイテッド!」

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