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サイバーエージェントさんとの「正しいものを正しくつくる」対話。

 サイバーエージェントの有志の方から「正しいものを正しくつくるを、ABD(アクティブ・ブック・ダイアログ)で読んだので、見に来て欲しい」とお誘いを受け、一も二もなく行ってきた。

 本を書いた人間が、発刊後最も喜びを感じるのは読んだ人との対話だと思う。苦労して書いた内容をどう受け止めてくれたのか。もちろん、良い結果を聴きたいし、疑問には出来る限り答えたいと思うのだ。

 行ってみると、壁一面に要約アウトプットが張り出されていた。

 圧巻。ABDのやり方は、まず本を切り刻み(ごくり)、例えば1章ずつなど範囲を決めて、範囲の中で複数人が分担してパートをその場で読む。複数人で割るので一人あたりの分量は少なくて済む。その場で読んで、何が書いてあったかを要約する。お互いに要約について発表し、他の人の読んだところ、つまり自分が読んでいない部分の内容を把握する。そうして、内容を踏まえたディスカッションを行い、学びを深めるといった感じだ。

 こうすることで、

・担当部分だけなので、早く読める(とくに正正本は厚みがあるので読み通すのに力が要る)
・他の人が要約してくれるので、読んでないところも把握できる。
・他の人の解釈を聞き、自分の中で咀嚼し、学びを深められる。

 といった効能が得られる。何より読書というぼっち活動を仲間と共同できるというのは楽しいはずだ。

 取り囲む要約を眺めながら「この要約が先にあったら執筆が楽だったのに」と妙なことを思っていた。せっかくなので要約の中で出来てた疑問を一つ一つお答えする。本の範疇を越えて話ができるのは、リアルコミュニケーションの良いところだ。組織や現場にある、厄介な問題について答えていく。私も、皆さんとのインタラクティブな会話が楽しい。

 サイバーエージェントさん有志でのアジャイル開発への取り組みは、歴史がある。この草の根的、社内コミュニティ活動を始めた人も私の知人で、その人自身はすでに組織を離れているが、コミュニティは残り、引き継がれ、継続している。大きな組織の中で、こうした知識と関係性の系譜が連なっているというのは素晴らしいと思う。

 短い時間ではあったが著者冥利につきる楽しいひとときだった。冒頭で述べたようにこうした場にお招き頂けることは有り難いことで、職場やチームで正正本を読まれていたらぜひお声がけ頂きたい。皆さんの学びにご相伴あずかりたい。

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