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馳走かねこ

 鎌倉の本当に美味しいを知っていますか。鎌倉で良いものに出会うためのヒントは「細道」です。鎌倉の良いものは得てして、大通りではなく細い路地の先、気づきにくい2階にあったりします。

 先日、馳走かねこに行ってきました。支度中をものともせず中に入ります(もちろん、予約しています)。

 店内はほぼ満席。私達(妻と行きました)は、いつものカウンター席へ。カウンター席だと、マスターの仕事がつぶさに観察できて楽しいのですよね。見ていて飽きません。

 この日は暖かったので、まずはこちらから。ビールが美味い季節にようやくなりましたね。控えめに言って、最高です。

 かねこさんでは、いつもコースをおまかせでお願いしています。5000円のコースのみ。はっきり言ってコストパフォーマンス高すぎ。価格の見直しは、いつか言ってあげないと。あと3回くらい行った後で。

 といわけで、最初の料理。最中ですね。中身はピーナツとウニを和えたもの。ピーナツとウニですよ。この出会いに立ち会える喜び。

 マスターズドリームが夢のように跡形もなくなったので、さっそく日本酒を。モダン仙禽 無垢2019。「メロン味のやつ」で覚えておきましょう。

 二品目。タコの柔らか煮、ホタルイカの酢味噌和え、焼きそら豆。タコとイカがお出迎え。柔らか煮の柔らかいこと。備えられた桜も、心を和ませます。

 次は、花陽浴(はなあび)を。「いちご味」で覚えておきましょう。この日飲んだお酒の中で、一番。日本酒でこういう味が楽しめるとは。奥が深すぎる。

 続いての料理は、蕗のとうのしんじょ。蕗のとうの苦味がしんじょの味わいを広げます。

 おなじみ、ロ万(ろまん)へ。うすにごりですね。

 ズワイガニと菜の花の茶碗蒸し。あんがかかっています。この茶碗蒸しの卵がまたしっかりとしていて、実に良い。どこの卵?とかねこさんに聴いたけど、かねこさんてんてこまいの上、こっちも酔っ払ってて、記憶に残らなかった。さくら、ふき、なのはな。完全に春のコースですね。

 まだ飲むのか?もちろんですよ。黒龍、垂れ口。ここまでくるともはや味の記憶がありません。無念。また飲みたいことだけは覚えている。

 この日のかねこさんは、いつものようにお話している隙間がありません。12人前くらいを一心不乱にさばいてます。いい仕事している。

 お刺身。めじな、車海老、しまあじ。塩もいいし、スリたて生わさびでいただくのもいい。すだちをしぼってさわやかに行くのもあり。

 さて、終盤の焼き物。さくらます、きんかん、刻みこんぶ。さくらますのジューシーさといったら。さくらますの油を、きんかんの甘みがいい感じで片付けてくれます。刻み昆布も、良い箸休め。

 さて、しめであり、かねこの裏メイン。ラーメン。本当は昼間でも、このラーメンが単品で食べられたそうなのですが、恐ろしく仕込みに手間がかかるため、今は要予約です。

 ラーメンは魚介、とりがらベース(のはず)。ほんのりカレーの風味が漂います。ちょっと説明できないんですが、たぶん干しエビ、粉末状の魚の出汁、青のり?が乗っていて、これをごちゃごちゃにかき混ぜると、味わいがむちゃくちゃ複雑になって、素晴らしい。チャーシューも自家製、卵は半熟。そら、仕込み大変だわ。

 私は今は蕎麦に転向していて、ラーメンはほとんど食べないのですが(鎌倉では他には、HANABIしかいきません)、こちらのラーメンは別格。スープを飲み干しちゃう。必ず食べたいしめ。

 コースは以上で終わりなのですが、この日は妻の誕生日であったため、ケーキをお願いしてました。20thは、妻と出会って20周年の20。

 以上、馳走かねこでした。かねこさん忙しいのに、ケーキも手配してくれて感謝。こちらは、手巻き寿司とかカレーも食べられるそうなので、次はラーメンとカレーにしようかな。

 帰り道の段葛。場所は、若宮大路沿いです。


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