ロタワクチンは2種類ある
ロタワクチンは2種類あるけどどっちを接種したらいいですか?
赤ちゃんにはじめてワクチンを受けさせる保護者から、しばしば受ける質問です。
どちらもロタワクチンに対する効果が認められたものなので、自由に選んでいただいていいのですが、
「どちらも効くのでどちらでもいいですよ。選んでください。」と
決断を迫られるのは困ることがあると聞きました。
つまりは
選ぶための基準はなんやねーん!?
結局先生のオススメはなんやねーん?
という疑問があるのではないかと思います。
今日はその疑問に対して簡単にお答えしましょう。
ワクチンは下記の2種類があります。
・ロタリックス(GSK社)
・ロタテック (MSD社)
これらの詳しい情報は会社のHPなどでも見れるので
大幅にはしょってざっくりいいますと…
ロタリックス
→2回接種でワクチンの型が1個
ロタテック
→3回接種でワクチンの型が5個
以上!
もう少し細かく言うと
ロタリックスは日本で最も多い型が1つ入っていて頻度は65%ほど。
ロタテックはそれを含む日本での上位5つの型が入っていて頻度は90%ほど。
ただロタの場合は型があわなくても全く効かないというわけではないので、
実際の感染防御はもう少し高くなると思われます。
(参考までに重症ロタウイルス胃腸炎に対する有効性についてのある調査ではロタリックス86%、ロタテック98%の効果…ただし評価方法が異なる)
副反応は下痢、嘔吐、不機嫌などでそこに差はないです。
ごくまれに起こるものとして腸重積がありますが頻度は10万人に3−4人くらいで、頻度に大きな差はなく、安全性については同等と考えてよいと思われます。
両者ともに安全性が高く効果も高いワクチンなのですが、
人によっては2回で早く終わらせたいと思う人もいると思うし、
いやいや3回飲んで、5個入ってるほうでしっかりやりたいという人もいて
それぞれで選択していただければと思います。
私の個人的な意見はどうかと言いますと、
どちらかといったらロタテックをオススメします。
ワクチンの型が5つ入っているのはメリットであるし、感染防御の点では若干よいデータが出ている。
そして3回接種といっても結局
ヒブや肺炎球菌や4種混合ワクチンの接種のために受診するので、
どちらを選んでも受診の回数に差はなく
接種回数が多いというデメリットもさほど大きなデメリットではないので
どちらかと聞かれたらロタテックです。
ただ両者を同じ条件で比較検討したものはないので、明確にこっち!と言えるものでもないのが悩ましいところです。
これはもう言い出したら
たけのこの里と、きのこの山どっちがいいですか論争くらい平行線になる話でして
私の個人的な意見は、
どっちもうまいけど、どっちかというとたけのこの里のほうが好き!的な!かんじです!
参考になりましたでしょうか汗
このブログがロタワクチンを選択するためのなんらかの指標になれば幸いです(^o^)
<はじめて接種する人への補足説明>
・ロタワクチンは生後6週から飲めますが、多くは2ヶ月スタートのB型肝炎と、ヒブ、肺炎球菌と一緒に接種すると思います。
・注射ではなくて飲むワクチンで、甘いシロップです。のんだあとすぐ哺乳すると嘔吐のリスクがあるので、30分くらいはあけます。
・接種間隔は両者ともに4週間です。
・お値段は、両者とも総額28000円~30000円くらいです。
・ロタワクチンって任意だけど本当に必要?
→必要です。乳幼児はロタワクチンによる下痢嘔吐により脱水となって入院になることもります。入院になる状況を減らすことが一番の目的ですし、まれに脳炎の合併もあります。
そして入院にならなくても数日間発熱や下痢嘔吐、脱水傾向になり本人も家族もかなり消耗することは間違いないです。
※ここだけの話
ここからはちょっとマニアックなお話。ヒマな人だけ読んでね。
ここだけの話、一時期私はロタリックスをすすめていました。
(矛盾しとるやないかーい!)
なぜならロタリックスはとろっとしていて、医療者としては飲ませやすかったんです。ロタテックはサラサラしていて、吐き出されることが多いというイメージが結構あって(あくまで主観です)。。5価のほうがいいかんじはするけど、確実に飲める(飲ませられる)ならロタリックスのほうがよいのでは?と思ってた時がありました。
でも、ロタリックスとロタテックにはスポイトの形状に違いがあって、それによる飲ませ方の技術に違いがあることに気づいたんです。(口の中に入れる深さとか、液を入れるタイミングとか)。飲ませかたのコツはいかにパイパイや哺乳瓶と錯覚させるか!
技術的に向上したことで、ロタテックもあまりこぼさなくなったので、今はロタテックをオススメするようになりました(^o^)ドヤ
ちなみに私はたけのこ派です\(^o^)/
より良い記事をお届けするため、サポートをよろしくおねがいします!今後の活動資金とさせていただきます。