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向き癖の対策

向き癖の対策は股関節脱臼の予防という面でも重要です。

先天性股関節脱臼は乳児期に股関節が脱臼してしまうもので、治療することなく経過しますと

脚を引きずって歩く(=跛行)などの歩行障害につながります。

先天性という名前がついていますが、

産まれてから過ごし方の影響が大きいので「先天性」という呼び方をやめようという動きも出てきています。

1ヶ月健診、4ヶ月健診の診察で必ずチェックしますが、ここでは予防について触れたいと思います。

まず赤ちゃんの脚は仰向けではM時開脚しています。

股関節脱臼は脚を伸ばした状態や、脚の動きが制限されることで起こりやすく、

向き癖があって片足が伸びた状態(逆側は立膝)になりますと脱臼しやすくなります。

そのような股関節脱臼を起こしやすい条件はいくつかあります

① 女の子: 男児のほうが骨格構造が安定している。

② 逆子: 胎内で脚が伸びた状態になりやすい

③ 寒い時期に産まれた: くるまれて脚の動きが制限される

④ 家族に股関節の悪い人がいる: 遺伝性も関連あり。

⑤ 向き癖がある

これらが複数当てはまる場合はとくに注意が必要です。

衣服は両脚の動きを妨げないものが望まれますし、

抱っこについても正面抱き用抱っこひも等によるコアラ抱っこが推奨されます。

向き癖への対策については以前のブログ、「頭のかたちがいびつなんですが大丈夫ですか?」

→ https://ameblo.jp/tangeganbaru/entry-12326671195.html

に記載した向き癖の対策例を参考にしてください。

股関節脱臼は頻度としては少ないものですが、予防によりある程度防げる可能性がありぜひしていただきたいと思います。

詳しくは小児整形外科学会のHPでも見ることができます。

http://www.jpoa.org/%E5%85%AC%E9%96%8B%E8%B3%87%E6%96%99/

向き癖はあまり病的なものとしてとらえられていないので、「様子をみてください」で終わることもあるかと思います。

私も研修医の時はそう言ってました。。。

でも、向き癖への対策は股関節脱臼の予防であったり、いびつな頭の予防にもなりますので早めに対策していくべきものと思います。

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