おむつ皮膚炎のお話
今日のテーマはおむつ皮膚炎です
おむつ皮膚炎を経験したことない赤ちゃんって
ほぼいないんじゃないだろうかってくらいありふれた症状です。
まずおむつ皮膚炎はどのようにして起こるのでしょうか?
まずおむつをつけていますと、おしりは常に高い湿度にさらされます
高い湿度によって皮膚表面を守る角層がふやけてしまい
そのバリア機能が低下します
そこに尿や便といった刺激が加わることで発症します
尿にはアンモニアが含まれ皮膚刺激性があり
そして便の中には腸の中の消化酵素が含まれて
消化酵素はタンパク質を分解するので、
接触により皮膚表面のタンパク質を分解して皮膚炎を起こします。
加えておむつそのものによるこすれ、物理的刺激ももちろん皮膚炎を起します。
おむつが濡れて、脆弱になったおしりの皮膚に様々な物理的刺激が加わることで
おむつ皮膚炎は発症します。
ではどのように対策すればよいでしょうか?
大きく予防と治療に分けて考えます。
①予防
多湿をさけること、そして皮膚表面への刺激を減らすこと
多湿をさけるには、これは体格にあったおむつを使用して、こまめに交換してあげることです。
皮膚表面への刺激を減らすには
ワセリン、亜鉛華軟膏、アズノールなどをおしりに塗りつけてコーティングしてあげて
尿や便が直接皮膚に触れないようにすることです
これらの薬剤はとくに回数に制限はないため、おむつ交換のたびに塗ると良いと思います
当然下痢をしているときにはおむつ皮膚炎も悪化しやすいですので
便性を整えることはとても重要で、
整腸剤投与や
慢性に続く下痢ならアレルギー等の関連がないかも考える必要があります
②治療
治療は多くはステロイド軟膏を使います。
小児によく使うのはロコイド®やアルメタ®といったマイルドステロイドです。
1日1~2回使用しますが、皮膚カンジダの心配もあり
長期で使用するのは控えたほうがよいお薬です。
例えばステロイドで1週間治療して、その後はワセリンなどでの予防に切り替えるといったふうに
治療と予防のどちらかだけではなく、両者をいったりきたりすることが大事です。
皮膚カンジダと普通のおむつ皮膚炎の違いは
最終的にはそこにカンジダ菌が存在するかを皮膚科医に確認していただきますが
見た目だけでいうと
皮膚カンジダはシワの中にまで病変がある
普通のおむつ皮膚炎ではシワの中には病変が少ない(物理的な刺激が加わりにくいため)
といった違いがあります
おむつ皮膚炎が長引いて、もしかしたらカンジダかも?となったら参考にしてみてください
おしりがあれてることは
赤ちゃんにとってはとても不快な症状で
ときに「泣き止まない」といった症状で受診されて
原因がおしりのあれであることもあります。
悪化したおむつ皮膚炎はなかなか治るのに時間がかかります
しっかり予防することと、早めの治療できれいなおしりをキープしてあげましょう(´∀`(⊃*⊂)
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