いじめは殺人である

初めてお話することなんですが、私は中学生の頃いじめ被害にあっていました

今日はその経験を少しお話しします

それはある日突然始まりました

学校の昇降口に入る時に頭に「コツン」と何かがあたった気がしたのです

見ると小さなチョークが落ちてました

どうやら上から何者かが投げたもののようです。

その日をさかいに、登下校の時には頭上から細かいチョークが投げつけられるようになり

教室でも休み時間には背後からチョークが飛んできました

投げている主は、つい先日まで普通に話していたクラスメイト達でした

いじめの主犯的な人物は3人ほどでしたが

そこから徐々に広がっていって、およそ15人くらいのいじめグループになり、いじめの内容はだんだんとエスカレートしていきました。

お昼休みには食べ物がとんできて、背中にケチャップをつけられたり。

いたずら電話もかかってきましたし、

スケッチブックに「死ね」と書かれていたり

靴を隠されたり

椅子に画鋲が置いてあったこともありました

いじめグループは卑怯というか、ずる賢いことに

それらの攻撃は全て 背後など私が見ていないところで行われていました。

私が先生にいじめ被害を訴えても、きっとシラを切るつもりだったのでしょう。

いじめ被害にあっていたおよそ半年間、学校では緊張の連続でした

まず登校するときは、チョークがぶつからないように、他の生徒の周囲を歩かなければなりません(近くに誰かがいたら彼らは誤爆をさけるため攻撃しません)

休み時間にトイレに行くタイミングで一人になってしまうため、廊下の様子を見はからって人が多いタイミングで歩かなければなりませんでした

階段を降りる時も突き飛ばされないように背後の確認が必要でした

椅子にはしばしば画鋲が置いてあったので、座る時には必ず画鋲がないかどうか確認をしました。安心して座ることができないということはなかなかに疲れることです。

背後からゴミ箱をかぶせられたこともありました、

ゴミ箱をかぶせられることは、臭いとか汚い以上に

人間の尊厳を傷つけられた気がしてつらいものでした。

こうした目に見えるいじめだけでなく、心を傷つけるいじめもありました。

その人は私に直接的な攻撃をしてきている人ではなかったのですが、

彼は私に笑いながらこう言いました

「あれ?ケチャップついてる?笑 いじめられたの?笑」

私の心を踏みにじる発言を、一生忘れることはないでしょう。

いじめはさらにエスカレートしていき

暴力を受けるようになりました

それは(事故のように見せかけて)ぶつかったり、

ほうきで掃除をするふりをしながら後ろから叩いたり。。

数名の暴力を一人で受けるのは、大きな大きな恐怖を伴います

この時くらいから

「殺されるかも」

そう認識するようになりました。

昔ニュースで

中学生が体操マットに逆さにくるまれて放置され死亡した事件をみた記憶があり

何かのはずみで自分は殺されてしまうかもしれないと感じました

それだけでなく、私はすでに精神的に追い詰められつつありましたので

ひょんな拍子に、自殺してしまうのではと感じました。

いじめを苦に自殺する中学生のニュースなどを見ると、

明日は我が身かも。。。と思うようになりました

殺されないようにしよう

自殺しないようにしよう

死の危険を感じて、私の第一の優先事項は

とにかく死なないようにしよう 、生き残ろうということでした。

当初、私は親や教師になかなか相談することができませんでした。

自分がいじめを受けていることを親が知ったら、気が動転しておかしくなってしまうんじゃないかと思ったことと、教師に相談することでいじめグループに逆恨みされて余計にいじめがひどくなるのではと思ったからです。

いじめが暴力的にエスカレートしてきたある日、いじめグループの主犯格から

「今日の放課後お前をボコボコにするから教室に残れ。逃げんなよ」と言われました。

ついに本当に殺されるかもしれないと思って、一か八か担任に訴えにいき、

その後話し合いの場がもたれて事件は解決に向かいました。

ちょうど年度末にさしかかる頃で、その後のクラス替えによっていじめグループとは別れることができて、私は安全に学校生活を送れるようになりました。

これが私のいじめ被害の経験です。

いじめがあったときから何年もの月日がたちましたが、

これまで誰一人として謝罪の言葉はありません。。。

私は一人のいじめ被害経験者として伝えたいことがあってこのブログを書きました。

まず、いまいじめをしている人に伝えたいことは。。

いじめは殺人であるということです。

殺す意図はなかったとしても、不可抗力で殺してしまうことがあります。

そして、精神的に追い詰めて自殺においやることは、直接手をかけてなくても殺人なのです。

もし今いじめに関わっているなら、人を殺してしまう可能性があるということを認識してほしいと思いますし、あなたがいじめている人は今現在も死の恐怖におびえています。

人は簡単に死ぬ。

それは一人にとっては小さな攻撃だとしても、いじめをうける側は何十人から直接的な攻撃や、精神的に追い詰める攻撃をされているのです。

あなたの小さな攻撃が今日、この瞬間にとどめをさすかもしれません。

いやもっと厳密に言うと、

人はいじめによって一度殺される。

私もそう。

私はこのいじめという経験によって、その後人間関係に自身を持てなくなった。

少し仲良くなった友達がいても突然いじめてくるんじゃないかと不安を感じるし、

椅子に画鋲が置いていないか確認するクセも大人になるまでしばらく続いた

メールやLINEの返信が遅かったりしたら「何かマズイこと言ったかな?」とドキドキしてしまう。(実際には何事もないのだが)

もはや、いじめを受ける前に自分がものごとをどのように見て、考えていたか全く思い出せない。

いじめを受けたことで、ものごとのとらえ方が「いじめられるかもしれない」という一枚のフィルターを通してしか見れなくなっている。

そういう意味では「いじめられる前の私」はもう、この世にはいない。

いじめによって死んだのです。

広い意味でとらえると

あなたはもうすでに殺している。

もうこれ以上殺さないでほしい。

一方で、「いじめられている人」に伝えたいこととしては。。

私の経験と考えは、あくまで個人のもので、必ずしも他の人にはあてはまらないかもしれないので、「自分にもあてはまるかな?」と思うところだけかいつまんで読んで欲しいです。

いまいじめ被害者の一人として思うことは・・・

当初、私は大人に助けを求めることができなかったけれど、正直一人の力は何十人もいるいじめグループの前ではあまりにも無力です。助けを求めることがなかなかできない気持ちは(経験上)よくわかるけれど、大人の力は必要で、助けを求めることで状況がよくなる可能性のほうが高いのではと思ってます。

そして、なぜいじめられたのかなんて考える必要はありません。

いじめる原因はいつもいじめる側にあります。

きもいとか、むかつくとか、それらは全ていじめる側の言い分です。

いじめられていると

「私はキモいからいじめられるんだ」

「私がむかつくこと言うからいじめられるんだ」

などと考えてしまうかもしれないが、それは違うと思います。

キモいとか、むかつくとかはいじめる側のとらえかたであって

場所や人や時間がかわれば、それもかわる 。

そして、あなたはあなた自身で「自分はキモくない」と思う自由があって、

いじめる側に「私はキモくない!」と反論する自由もある。

いじめという行為は、いじめる側が悪くていじめられる側は全く悪くない。

いじめられる側に否があると考えるならば、

それは「人を殺してもいい理由」が存在することになってしまう

いじめ=殺人を正当化する理由などどこにもない。

いじめを受けるとどんどん精神的に追い詰められて自殺に追い込まれます。

一人で戦うという状況は肉体的にも心理的にも、とてもとてもしんどい。

毎日緊張の連続なので、心の安全地帯が必要だと思う。

それはあなたのことを心配してくれる人であったり、いじめ被害の経験があってしんどさのいくらかを理解できる人とか、理解はしてなくても少なくともあなたを「いじめのターゲット」として認識していない人などです。

そういう人によって、一瞬でも「ホッ」とできる時が必要だと思う。

周りにいなくても、ネット上の匿名の誰かとかでもいい。

安全地帯がなければ危ない。何らかの形でSOSを出してほしいと思っています。

もともとこのいじめ被害の経験は、自分の心の奥底に閉じ込めて、

人に話すことなく墓場まで持っていく予定でした。

でも年月がたって、

もしかしたら自分の経験を話すことで、誰かがいじめをやめるきっかけになって誰かの命が救われるかもしれない 。

もしかしたら今いじめられている人が生き残るために役立つかもしれない。

と、考えるようになりました。

心の奥底に沈めていたただ単なる私の暗い過去が、もしかしたら誰かの命を救うきっかけになるとしたら、私自身のいじめ被害に対する解釈はかわる気がする。

人は誰でも

思い出したくない黒歴史の一つや二つ持っているかもしれない。

黒歴史の「事実」そのものは変えることができないけれど

過去の事実に対する「現在の解釈」はかえることができると思うんです。

その可能性を信じて私の経験を公表することにしました。

誰かの

私の

黒歴史が塗り替えられることを願って

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