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"星宮とと"のライブに行ってきた

この記事について

11月4日に新木場GARDENにて行われたイベント、「星宮とと+TEMPLIME FIRST PARTY “POP-AID”」のレポート、感想です。

当日

○入場前

13:00ごろに新木場駅、13:20に会場着。既に果てしない長さの物販列が形成されており、正面の道沿いから会場内にかけて40分程並び、グッズをいっぱい購入。14:30頃に整理券番号S、SUから列形成開始。事前に告知されたタイムテーブルでは14:30からTEMPLIMEによるOpen DJが行われる予定となっていたが、全く間に合う気配なく、15時過ぎまで列に並ぶことすら出来ない状況。会場スタッフのお兄ちゃんの悲哀が目についた。そんなこんなで15:50頃にようやく入場。

以下は事前に告知されていたタイムテーブル。当日15:00頃に10分押しとの告知があったが、実際どのように進行したのかは不明。また、実際はTomgggの後にstargaze shelterがアンコールとして再登板し、3曲のみのパフォーマンスを披露した。

13:00 グッズ前売開始
14:30 Open (DJ tempura)
15:00 HSMY Opening
15:10 stargaze shelter
15:40 SOZEN OTSUBO
16:20 in the blue shirt
17:00 PARKGOLF
17:40 Tomggg
18:20 星宮とと+TEMPLIME GUEST LIL SOFT TENNIS

TEMPLIMEの投稿より。
左から順に、in the blue shirtのアリムラ、Tomggg、lil soft tennis、PARKGOLF。
lil soft tennisの投稿より。

○DJタイム

入場直後のDJは恐らくin the blue shirtだった。全体的にゆったりとしたインスト曲が多く、物販列と入場列で気力を消耗し切っていたので、意識が若干朦朧としていた。
次いでPARKGOLF。こちらもインスト主体だったが、鉄琴やウインドチャイムのような金属的な音が特徴的な、UFOを想起させるような不思議な音使いの曲が多くて飽きが来ない不思議なDJだった。VJも、USB-typeCが只管流れてくるもの、マクドナルドやコカコーラのロゴが明滅するものなど印象的。後述するが、VJは武蔵野美術大学電音研というチームが担当しており、ライブ中通じてずっとハイクオリティで素晴らしかった。

自分で撮影したもの。

一旦外の空気を吸い、ワンドリンクチケットをハイネケンに交換する。キッチンカーのケバブに惹かれたりもしたが、凄まじい行列が形成されていたのを見て諦め、再び場内へ。入場列で疲れ切ってしまったのは皆同じのようで、場外でたくさんの人が地べたに座り込んでいたのが印象的だった。

戻るとDJはTomgggに交代していた。ISOGA PEACH(chelmico)、重音テトの曲……恐らく人マニア、秘密のトワレ(アイマス)のremix、Dance on the table(ピーナッツくん)、twilight(電音部)のharmoeカバー、ひめごとリップ(TRINITYAiLE)、そしてSuichuのremix。本人が手がけた歌モノばかりの構成で盛り上げて、最後は星宮ととの曲の本人リミックスで締める完璧なバトンリレー。

○stargaze shelter

前述したように、本来の出番はDJ陣の前だった所を、アンコールとして再登板したもの。星宮ととの"中の人"がボーカルを務めるバンドという認識をしており、曲はあまり聞いたことがなかったのだが、これが大当たり。
まず照明がとても綺麗。横幅が狭くて天井が高めの会場だからか、ミラーボールが物凄く映えていた。曲に関しては、BPMが高めな割に落ち着いた音使いのバンドサウンド、という印象のものが多い。(後から調べた所では、こういうのをシューゲイズ・ポップと呼んだりするらしい。)自分の知っている音楽の中ではスピッツに近く、後ろで鳴っているピアノのような音には、羊文学を想起させる物もあると思う。短い時間だったがとても印象的なステージで、あっという間に彼らの音楽が大好きになってしまった。

gaze//he's meの投稿より。

○星宮とと+TEMPLIME

ようやく真打。まずはスクリーンにムービーが投影されたのだけど、海の映像が円く切り抜かれるとノクチルのロゴにしか見えなくて、ちょっと不思議な気持ちになったりした。
確か新譜のリード曲、POP-AIDに乗って登場したように記憶しているけど、とにかく星宮の姿を一目見られたのが嬉し過ぎて夢中だったので、正確さは微妙。
数曲歌ってから、MV上映タイム。このライブ、アルバムに際して制作された三つのMVを、観客の声援の声量を測定、順位づけして順番に上映するという内容。とても手の込んだプログラムが組まれており、これを含む映像面を担当していた武蔵野美大の電音研様のことを見上げるしかない気持ち。
そういえば、観客の声量からセトリを決める、みたいな試みはスピッツもファンクラブツアーでやっていたな、とふと思ったりもしていた。

MVが終わると星宮が再度現れ、DJ tempura によるDJタイムの開始を告げる。当然と言えば当然なのだけれど、TEMPLIME×星宮ととの楽曲しか流れないDJなので、本当にずっと嬉しい。特に、Cold Tears→summer dreamin’→Cloud Diver辺りの繋ぎが綺麗過ぎて惚れ惚れとした。さすが作者本人という所でもあるし、会場で買ったブックレットに掲載されていたインタビューに”以前の曲と重ねても違和感のないような音作りを目指している”といった話が載っていたので、その成果でもあるのかも。
DJタイムの締めはネオンライト。途中から星宮が現れて、音源から生歌唱に切り替わる。観客からもぬるめのシンガロングが沸き起こったりして、やっぱりこの曲は盛り上がるな、と改めて実感した。
Lonely Girlは途中からSuper Lonely Girlに切り替えるようなリミックス。星宮は歌い終わった所で息を切らしながらしゃがみ込んで、「応援して〜」などと言う。ライブ中に演者に向かって「頑張れ」と声を掛けるのは御法度、みたいな不文律が頭を過ったりもした。

応援を二度おかわりして、Melody Smashへ。機材不良か何かで出出しの音が上手くならず、2回リテイクしてもやっぱりおかしいから、結局「よし、このままいきましょう!」ということになった。トラブルが起きた時の対応って、演者の素の部分を覗くことが出来る気がして楽しい。ゲストボーカルのlil soft tennisさんは黄緑色のフードが印象的だった。ラッパーらしく結構アレンジ多めの歌唱だったような。

TEMPLIMEの投稿より。

KBSNKがコーラスを歌う曲が二つほど続き、締めはEscapism。星宮「みんなで歌ってください」と言われたので、冒頭は歌詞をふんわりと思い出しながら少し口ずさんだ。挨拶を済まして星宮が消え、なかなか立派なエンドロール風の映像が流れる。

エンドロールが終わるとすぐにアンコールが巻き起こる。本当にアンコールがあるとはあまり思っておらず、なんとなくクラップだけしていたら、本当に星宮が戻ってきてびっくり。最後の一曲はタイムサーフだった。音源通りに江ノ電が発車する音で爽やかに終わり、今度こそ幕が下りる。

自分で撮影したもの。

以下は当日の、星宮とと+TEMPLIMEステージのセットリストのようなもの。ネット上に記録があまり見当たらず、ほぼ記憶のみを頼りに作ったので、欠落や混同が多くあると思われます。

POP-AID
DOHO
Ina
○MV上映
Skycave(DJ)
Take me out(DJ)
Cold Tears(DJ)
summer dreamin’(DJ)
Cloud Diver(DJ)
ネオンライト(DJ→歌唱)
two notes
Lonely Girl→Super Lonely Girl
Melody Smash
Escapism
(アンコール)
タイムサーフ

記憶

所感

とにかく無事に終わって良かった、楽しめて良かった、というのが一先ずの感想だ。
そもそもバーチャルな存在によるライブ自体が初めての現地参加だったし、星宮ととについてもネット上の情報では中々掴めない部分があって、どのようなイベントになるのか期待と不安が半々と言った所だった。そんな中で、あの入場列。結局終わってみれば心から来て良かったと言える出来で、本当によかった。

個人的に、このイベントに参加できた事の意義を数点。

まず、”星宮とと”という存在についての理解がある程度進んだこと。創造者であるTOTONEEのifの存在として作られたバーチャルクローン、敢えて名乗るならバーチャルアーティストだけど、”星宮とと”は”星宮とと”でしかないよ、というスタンス。

次に、stargaze shelterの音楽を好きになれたこと。stargaze shelterは、今触れたTOTONEEがボーカル、gazeが作曲やギターを務めるバンド。"星宮とと"としての活動と別ではあるんだけど、アートワークやデザイン、一部歌唱は"星宮とと"として担当していることになっているらしい。

そして、自分がTEMPLIMEや星宮ととの音楽を何故好きなのか、ちょっとだけ理解できた気がすること。インタビュー類を読んでいる感じだと、TEMPLIMEの音楽は邦ロックとかポップスみたいな国内の音楽を下敷きにUK Garageの要素を加えたようなものらしい。これは音楽的な裏打ちが全然ない適当な言い草なんだけど、彼らの音楽って、自分の中の音楽の趣味のミッシングリンクのような役割を果たしているように思う。はっきりと説明するのは難しいけど、自分の音楽の趣味の中で、スピッツを起点としたロック路線と、Vtuber系やEDM系の音楽の趣味はあまり関係なく発達してきた。そんな中で、ロック路線の趣味とVtuber系の音楽の趣味の間にいい感じにはまったのがTEMPLIMEや星宮ととの音楽なんじゃないか、という風に思っている。(終)


あとがき

色々と時間がなくて、ライブに行ってから記事を出すまでに2週間以上も掛かってしまった。その分クオリティが向上……とかは別にないけれど、折角なので記録がてら、記事中のあちこちに演者たちのツイートやインタビュー記事のリンクを忍ばせてあるので、よかったら開いてみてほしい。

”星宮とと”のこと、ちゃんと大好きだから、次はちょっとした布教記事みたいなものを書けるといいな、と思う。

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