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【世界の台所】暁の寺院の朝

18歳でバックパッカーデビューをした私が最初に訪れた国がタイでその後仕事を含めると訪問回数が軽く180回を超えました。仕事柄ある時期に頻繁に訪れていたのでこの回数は誇張でもなんでもなく本当に訪れた回数なのです。

1994年の夏にはじめてのタイで滞在した場所はカオサンロード。今では当時の面影なんてかけらもありませんが1泊150円くらいの汚い宿に泊まりながら何日もタイから抜け出せなくなってしまったかのように居座り続けたものです。

当時は読書家で沢木 耕太郎「深夜特急」を愛読し、そのまんまの旅行をしたいと思いながらバックパックを背負い旅をしていました。その頃はほかにも三島由紀夫の「暁の寺院」、宮本輝の「愉楽の園」を読んでおり、話に出てくる場所は見に行きたいと観光客が訪れないような場所ばかり好んで出かける日々でした。

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私は個人的に王宮や暁の寺院とそこからさらに河をぐんぐんと南下したあたりにあるBang Kho Laemというエリアが好きなのですが、こんなところツーリストなんていくような場所でもないバンコクの古い古い町並みが残るエリアです。この辺りにある小さな運河を見ると「愉楽の園」の主人公はきっとこんなエリアに暮らしているんじゃないかなんて空想しながら町をぶらぶらとあてもなく歩き続けたものです(笑)。

この暁の寺院と呼ばれるワット・アルンに行くにはたいていの人は王宮側から小さな舟に乗って渡っていくのですが、1994年当時はこの船着き場の周りはさまざまなものを売る市場になっておりあまりの暑さで何かが腐ったようなにおいが常時しているような場所でした。

お金はないけれど時間だけはあった私は何度もこの舟にのりワット・アルンに行ったものです。行って熱心に寺を見るわけでもなくただボーっと寺院を眺めて過ごしていたものです。(今思えばなんとも贅沢な時間。笑)

その後、20年以上バンコクに通う中で時折思い出したようにこの場所に行き、当時より随分と綺麗に整備された船着き場からワット・アルンを訪れました。(物好きですね。)

1人で、友人と、旅仲間と、さまざまな人と訪れてきたバンコクですがここ数年はずっと娘と2人で訪れています。インドの食堂で同僚だったタイ人のシェフからワット・アルンの対岸に素敵なホテルがあるし、そのうちの1つのホテルのレストランは行ったほうがいいと言われて2017年の春に訪れました。

ホテルは、Arun Riverside、Arun Residence、そしてsala rattanakosin。どこも素敵でしたが、古い家をDIYするのが趣味の私にはsala rattanakosinの倉庫のような場所をモダンに表現したスタイルが魅力。奮発して真正面にワット・アルンが見える部屋に滞在するというバックパッカー時代には想像もしていなかった贅沢な旅を堪能しました♪

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夜はライトアップされるワット・アルン。昼間は日差しが半端ない!

日本でも海外でも朝は結構だらだらして遅めの朝ごはんを食べるのが常ですが、バンコクの朝もそれは同じ。ふらふらと市場を歩いて小さな食堂で軽くお粥やヌードルを食べることが多いのですが、sala rattanakosinに滞在しているなら朝からBar and Restaurant at Sala Rattanakosin(※1)のリバー席でワット・アルンを眺めながらの優雅な朝ごはんは必須ですよね!

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フレッシュフルーツベースのドリンクはどれも最高!

朝の風はなまあたたかく、もうすでに汗ばんできそうな気温だけれど、暁の寺院を目の前にしたゆったりとしたバンコクの朝はとびきり優雅な朝なのです。

ゆったりとした時間が流れるホテルを出るとバイクやタクシーのけたたましい音が鳴り響くいつもの混沌としたバンコク。今日もバンコクの朝はパワーにあふれんばかりです。

ettouhami naho

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※1 Bar and Restaurant at Sala Rattanakosin
SALA Rattanakosin Bangkok, 39 Maharat Road, Grand Palace, Phranakorn, Bangkok
hotel hp 
レストランはバンコクポストのトップオブザレストラン賞を取る実力派



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