婚約者との別離を経験し荒れていた私は

とても騙されやすかったのかもしれない。

元夫は外面が大変良いタイプで

入籍してから豹変したので

出会った当初はマメで優しい人のように思えた。

実際はとんでもない人物だったわけだが…。

BBQやドライブ、映画など

誘ってくれプレゼントも

凝ったものを選んできてくれた。

可愛らしいネックレスを貰ったり

私が好きな本だったり。

ある時はバッグだった。

付き合うのに時間は掛からなかった。

私自身見る目がなかったのと

旧友から紹介、というだけで

この人は大丈夫だと思いこんでしまったのだ。

また異様に相手が結婚を急いでいたのも今考えればおかしなことだった。

デートですぐ先祖代々のお墓に連れて行かれたり

義両親や親戚にも紹介された。

義両親はお堅い職業だったので、

過信した自分が居た。

のちに義両親ぐるみで暴力を振るわれることになるなんて露ほども思っていなかった。

そして私は前の婚約者と別れた反動から

元夫と短期間の交際でプロポーズを受け入れてしまったのである。

入籍して結婚式の準備をすることになりしばらくして一緒に住むことになった。

そして異様な束縛が始まった。

その頃私はまた職を見つけ働いていたのだが

働いてる時間や外出先でも

電話やメールが鳴り止まない

また洋服や髪型は元夫の好みにしないと

無視される、ということが始まった。

私はOL風…よく言えば綺麗めファッションが好きで休日は少しアウトドアな感じの格好が好きだったのだが

元夫が買ってくる私への洋服は

だんだん露出度が非常に高いものに変わっていった

まるでクラブにでも遊びに行く

異国の人のような

派手な超ミニのドレスだった

私が着ることに難色を示しても何着も買ってきた

そして、結婚式前後には

暴力が始まるのである。

逃げられない地獄の始まりだった。